20世紀のイタリア文学の巨匠チェーザレ・パヴェーゼ原作、第77回ロカルノ国際映画祭ピアッツァ・グランデ部門出品作『美しい夏』(8月1日公開)の本予告編とポスター、場面写真が解禁された。

1938年、田舎からトリノに出て、お針子として洋裁店で働く16歳の少女ジーニアは、3つ年上の美しく自由なアメーリアと出会う。画家のモデルとして生計を立てる彼女によって芸術家たちが集う新たな世界への扉を開かれ、ジーニアは大人の階段を上り始める。思春期真っただ中のジーニアと、既に自立した女性としてたくましく生きるアメーリアの2人が、互いの姿に自分の未来/過去を映しながら、徐々に惹かれ合っていく――。
この度解禁された本予告編では、「あのころはいつもお祭りだった。」という原作の書き出しとともに、夏の午後の湖畔にジーニア(イーレ・ヴィアネッロ)と友人たちが集う中、アメーリア(ディーヴァ・カッセル)が彼女らの前に初めて姿を現す印象的な出会いのシーンから幕を開ける。洋裁店で健気に働くジーニアと、画家のモデルとして生計を立てる年上のアメーリア。対照的な2人は街で再会を果たし、やがて交流が始まっていく。アメーリアに導かれるまま、ジーニアはまだ見ぬアーティストたちの世界へ足を踏み入れ、刺激に満ちた日々に胸を躍らせていく。
「軽薄な男たちといるより 女同士の方がいい」というアメーリア、彼女との付き合いを快く思わない兄、アトリエで出会った画家の青年たち。変わりゆく日常に夢中になるあまり、ジーニアは仕事が手につかなくなり、「もう何も分からない」と自分自身の輪郭を見失っていく。それでも「あなたといる、私が好き」というコピーが示すように、青春の輝きと痛みが瑞々しく切り取られている。
あわせて解禁されたポスタービジュアルは、先日解禁したティザービジュアルをベースにブラッシュアップされたもの。ジーニアとアメーリアの2人が草原に寝転び、視線を交わす印象的なシーンが切り取られている。
そして、本作の場面写真10点も新たに解禁。盗んだ自転車で街を駆け抜けるアメーリアとジーニア、職場の洋裁店で制服に身を包み働くジーニア、画家の前で自分の身体を晒し堂々とポーズを取るアメーリアの姿など、時代を映す衣装や小道具に彩られながら、2人の関係性やそれぞれの暮らしぶりが静かに映し出された印象的なシーンが並ぶ。





ジーニア役を演じるのは、アリーチェ・ロルヴァケルの監督デビュー作『天空のからだ』(11)で主演を務めて以来、彼女の作品に欠かせない存在となったイーレ・ヴィアネッロ。『墓泥棒と失われた女神』(24)でのジョシュ・オコナー演じる主人公の恋人役も記憶に新しい。その繊細で等身大の演技は、本作でも瑞々しく発揮されており、制服姿で働く佇まいや、アメーリアと無邪気に笑い合う一瞬一瞬に、彼女の確かな表現力が息づいている。
一方、アメーリアを演じたのは、注目の新星ディーヴァ・カッセル。モニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルを両親に持ち、14歳でドルチェ&ガッバーナのキャンペーンモデルに起用されたのを皮切りに、ディオールやカルティエといったトップブランドの顔として、その美貌と存在感で早くから注目を集めてきた。今年4月には、世界遺産・東寺で開催されたディオールの2025年フォールコレクションのために来日している。本作で本格的な女優デビューを果たした彼女は、モデルとして培った表現力を武器に、自由奔放でカリスマ的なアメーリア像を鮮やかに体現。さらに、配信中のNetflixリミテッドシリーズ「山猫」では、ルキノ・ヴィスコンティの名作映画でクラウディア・カルディナーレが演じた役を再演し、大きな注目を集めた。




また、本作のムビチケ前売券(オンライン)が、本日5月30日からは1,600円(税込)にて発売される。購入者にはオリジナルスマホ壁紙が配布される。
『美しい夏』
出演:イーレ・ヴィアネッロ、ディーヴァ・カッセル
監督・脚本:ラウラ・ルケッティ
原作:「美しい夏」チェーザレ・パヴェーゼ作 河島英昭訳(岩波書店)
2023/イタリア/イタリア語・フランス語/111分/カラー/2.39:1/5.1
原題:La Bella Estate 英題:The Beautiful Summer
字幕:増子操 字幕監修:関口英子
提供:日本イタリア映画社
後援:イタリア大使館
特別協力:イタリア文化会館
配給:ミモザフィルムズ
(C)2023 Kino Produzioni, 9.99 Films
https://mimosafilms.com/labellaestate/
8月1日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開