トニー賞を総なめにした伝説の傑作ロングラン・ミュージカル3作品を上映する「松竹ブロードウェイシネマ2025秋」の第3弾として、『タイタニック』が11月28日より公開される。この度、『タイタニック』の本編が一部公開された。

ミュージカル「タイタニック」は、世界最大の豪華客船の処女航海を舞台にしたヒューマンドラマ。裕福な上流階級や夢を抱く若者、乗組員たちの人生や恋、絆が交錯する中、船は氷山に衝突。絶体絶命の状況で人々の勇気や愛、自己犠牲が描かれる。巨匠モーリー・イェストンが奏でる美しく壮大な音楽に、史実に基づいた真実のストーリーが紡がれていく。
1997年に公開された映画版『タイタニック』はレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット主演で描く恋愛中心の物語だったが、ミュージカル「タイタニック」は、乗客や乗組員それぞれの人生や葛藤を多角的に描き、巨匠モーリー・イェストンの生演奏と生身の演技で感情を直に体感できるのが魅力だ。
今回解禁されたのは、タイタニック号が出航するシーン。これまでにない豪華客船を任された船乗りたちの自信がみなぎる表情や、これからの旅にわくわくする夢と希望に満ちた乗客たちの表情が印象的。期待と希望に満ちたこの時、決してこの船に起こる悲劇を誰一人予想していないからこそ、これから起きる悲劇を知っている観客は切なさを感じるワンシーンだ。またこの曲は、タイタニック号が沈没する最後のシーンでも使われており、音楽から栄光と挫折を感じさせる素晴らしい演出を、是非、劇場で感じて頂きたい。

また映像では、公式アンバサダーの城田優が、ミュージカル「タイタニック」について魅力を語っている。
「この作品は、僕が日本で日本語上演されている舞台の中で唯一観た作品です。本作で作詞・作曲を手掛けたモーリー・イェストンさんとは、以前「ナイン」や「ファントム」でお会いしたことがあります。特に「ファントム」では、新たな演出のために曲を追加したいとお願いし、実際に楽譜を変えていただいたこともあります。偉人と呼んでも過言ではない方ですが、公私ともにお世話になっているので、モーリーさんの作品を拝見できるのは楽しみでした。映画版『タイタニック』は環境や身分の違いを乗り越えて純愛を描く印象が強いですが、ミュージカル版では、人間の儚さや強さ、脆さ、そしてタイタニック号への期待や希望が色濃く描かれています。乗員やプロデューサーたちの「絶対に沈まない」という自信や自負も、舞台の重要なテーマ。特に印象的なのは、舞台の最初と最後で同じ音楽が流れる点」と語る。

「同じ曲なのに、最初と最後では全く違った響きに感じられ、胸が締め付けられるような切なさを覚えています」と城田。タイタニック号が沈むまでの時間を丁寧に描く中で、モーリーの音楽は、悲しみや絶望のシーンでも少しポップなアレンジで奏でられ、観客に緩急を与えている。それでも最後にはやはり涙を誘う、胸にそっと寄り添う音楽が印象的だったという。

さらに、劇中には亡くなった方々の名前が並ぶパネルを背景に、夫を失った人や乗客自身の心情が語られるシーンもあり、観る者の胸を強く打たれたという。城田は「音楽が悲劇を少し和らげ、後世に伝える力を持たせている」と話す。ただ悲しい話で終わらせるのではなく、人間の愚かさや勇気、教訓を丁寧に織り込み、観客に深い余韻を残すのが本作の魅力だ。

城田は「人間って捨てたもんじゃないと思わせてくれる舞台です」と締めくくる。命をかけて職務を全うするバンドマンの姿や、若きベルボーイたちの存在も描かれ、悲劇でありながらも、どこか浄化されるような感覚が残る――この音楽と物語の力こそ、「タイタニック」の最大の魅力だと熱く語ってくれた。
さらに、日本上演時に主演(設計士のトーマス・アンドリュース)を演じた、俳優・加藤和樹から応援コメントが到着した。
加藤和樹 コメント
トム・サザーランド演出の名作「タイタニック」。
日本でも上演され、自分は2015年の初演・2018年の再演と設計士のトーマス・アンドリュース役で出演させていただきました。
トムならではの斬新で大胆かつ繊細な演出は開演前から観客を世界観に引き込み、没入させてくれます。
タイタニックと聞けば誰もが沈没した船というイメージはあると思いますが、
そこに乗船していた人々がどんな夢や希望を抱いて乗り込み、過ごし、
そしてどう生き延び、どんな思いで沈んでいったのかまでは想像できないでしょう。
悲劇の中の悲しみ、醜さだけではなく希望、愛、優しさを見出すことができます。
この素晴らしい作品はそれらを余すことなく体感できます。一人一人が、「生きている」。
そこに確かにあった、彼らの存在を感じてください。
ストーリー
1912年に起きたタイタニック号の沈没事故。出港から沈没までを描き、船の設計者トーマス・アンドリューズ、船長エドワード・スミス、船主J・ブルース・イズメイを中心に、豪華客船に乗り込んだ人々は、それぞれの夢や希望を抱えて旅を始めるが、氷山との衝突によって運命が大きく変わってしまう…。
『タイタニック』
作詞・作曲:モーリー・イェストン
監督&演出:トム・サザーランド
原作&脚本:ピーター・ストーン
出演:グラハム・ビックリー、マーティン・アランソン、ブリー・スミス、ジェームズ・ダーチ 他
原題:Titanic the Musical
英国/2023/ビスタ/135分/5.1ch/日本語字幕スーパー
(C)Pamela Raith
「松竹ブロードウェイシネマ秋2025」
・10月31日(金)~『エニシング・ゴーズ』
・11月14日(金)~『インディセント』
・11月28日(金)~『タイタニック』
配給:松竹
(C)BroadwayHD/松竹
https://broadwaycinema.jp/
1週間限定 全国順次限定公開!(※東劇のみ2週間限定)