『8時15分ヒロシマ 父から娘へ』公開決定 ― 美甘章子氏らコメント到着“被爆した父からの想いを次の世代へ引き継ぎたい”

1945年8月6日、世界で初めて広島に投下された原子爆弾を至近距離で被爆した父・進示さんの壮絶な体験を、娘である美甘章子(みかも あきこ)が、長い時間をかけて丹念に聞き取り、2013年英語で書籍化。
2014年日本語版「8時15分 ヒロシマで生き抜いて許す心」(講談社エディトリアル)を出版。
2020年にエグゼクティブ・プロデューサーとして、家族らの支援を受けながら、手弁当で映画化した『8時15分ヒロシマ 父から娘へ』が2021年夏に全国公開されることが決定した。

『8時15分ヒロシマ 父から娘へ』は、戦争の愚かさ、原爆の残酷さのみを声高に訴えるのではなく、その地獄の様な状況にあっても、生きることを諦めなかった父の想いと、その40年後に起こったある事件から導き出され、父から娘へしっかりと受け継がれた、世界の平和を叶えるための大切なメッセージを紐解いていく。
また本作は、ナッシュビル映画祭2020 観客賞受賞など世界的評価も高く、ハリウッド映画化への準備が進められている。

このたび、美甘氏のコメント共に、原爆投下の経緯に疑問を投げかけるドキュメンタリー「もうひとつのアメリカ史」をオリバー・ストーン監督と共同で脚本執筆したピーター・カズニック氏、「ぼけますから、よろしくお願いします」の信友直子監督がコメントを寄せられた。

コメント

美甘章子氏 コメント
本作は、私の父である美甘進示の被爆体験を聞き取り、2013年に英語で書籍化、2014年に2020年、日米の仲間たちの支援や世界各地の友人達の励ましを受けながら、家族総出で手弁当で映画化した作品です。
父の想いを娘である私が受け継ぎ、本作の撮影や書籍の編集などでも参加してくれた息子のアンドリューや娘の聖羅、またその子孫の世代にも伝えていきたい。戦争、原爆の悲惨さと逆境を乗り越えて生きていく人間の強さを、世界中の若い世代に知って欲しいと思い、本作を作りました。私は被爆2世の日本人であり、現在カリフォルニア州サンディエゴを拠点に臨床心理医として生活しています。アメリカで原爆をメインのテーマにした映画を制作するのは非常に困難であるからこそ、30代のアメリカ人制作チームを編成して挑戦しました。多くの外国人は、「原爆投下があったから戦争が終わった」と信じています。我々日本人でさえ、そう思っている人も多いでしょう。この映画を世界に発信することによって、ご覧になった方がそういった認識をもう一度みつめ直すきっかけになれば良いと思います。
父は、祖父から受け継いだ許す心があったからこそ戦後75年間も生きぬけたのかもしれません。その許す心によって、個人間から国際関係までの様々なレベルで起こっている葛藤や紛争を乗り越え、文化や信条の異なる人たちが手を取り合い、2度と核戦争で他の人が苦しむことがないようにという父の強い願いのもとに育てられた私は、それを世界に伝えることは自分の使命のように子供の頃から感じていました。父は昨年、2020年10月全米でオンライン初公開となったナッシュビル映画祭開催中に94歳の生涯に幕を下ろしました。

ピーター・カズニック氏(「オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史」共著者、アメリカン大学歴史学部教授)
広島で若くして体験した被爆の苦しみ、生きる勇気と力、そして許す心―
美甘章子氏が綴った自身の父の物語は、人の心を動かすだけではなく、戦争について、そしてそれに関わる全ての被害者についてより深く考えるきっかけになるだろう。
『8時15分ヒロシマ 父から娘へ』には私たちの人間性を引き出す大きなインパクトがあり、争いを非暴力的に解決する未来に、少しでも私たちを近づけてくれるよう願っている。
それが美甘進示氏の夢である。

信友直子(『ぼけますから、よろしくお願いします』監督)
いわゆる商業映画ではなく、被爆二世の彼女がご自身のお父さまの「あの日」からの過酷な人生を、娘として絶対に将来に伝えなければという使命感のもと、身銭を切って作った作品です。51分と短い作品ですが、圧倒されました。
彼女は高校時代から、私にとって憧れのカリスマでした。当時から私の何倍も深く世界を見ていた彼女のまなざしは、このお父さまに育てられたからだったのだと、思い知りました。
辛いシーンも多いですが、見終わった後に胸に溢れるのは、人間の尊厳と希望。ここからまた始めようという「立ち上がる人間の強さと美しさ」に心が震えます。
コロナ禍で先が見えず不安な今だからこそ、みなさんにぜひ見て、生きる力をもらってほしい映画です。

主な映画祭出品・受賞歴
広島国際映画祭2020 公式上映
ナッシュビル映画祭2020 公式上映
ナッシュビル映画祭2020 観客賞受賞
AASフィルムエキスポ 2021公式上映

ストーリー
1945年8月6日、第二次世界大戦中の広島は、普段と変わらない朝だった。
父の福一と共に建物疎開の準備をしていた19歳の美甘進示は、自宅の屋根に上って瓦を剥がしていた。その時、目をくらます激しい光が襲った。その”爆発する太陽”は一瞬にして進示を真っ暗闇の奈落の底に突き落とした。史上初めての原子爆弾は広島中を焼き尽くし、瞬く間に7万人以上の命を奪ったのだ。
真夏の炎天下、父と息子は想像を絶する苦痛の中、ひどく焼けただれた体を引きずって、救助を探し彷徨う。あたり一面息絶えた人々と呻き声で埋め尽くされ、救いの手はどこにも見当たらない。進示はあまりの激痛から解放されたい一心で、死にたいとすら願った。だが父・福一の力強い言葉に支えられ、進示は必死で前へ進む。しかし、父と離れ離れになった進示はひとりきりになり、毎日父が探し当ててくれるのを待っていた。
3ヶ月後なんとか退院できるまでに回復した進示は、父を探して自宅のあった場所に戻った。そこで燃え尽きた瓦礫の中から、ガラスは吹き飛び、高熱により針の影が文字盤に焼きついた父の懐中時計を見つける。全て焼き尽くされた広島で進示を家族や先祖と結びつけるものはそれしかなかった。
40年の月日が経ち、進示の平和への願いは形となってニューヨークにある国連本部に届く。しかし、その数年後ニューヨークを訪れた娘の章子は驚くべき事実を知る。日本中を駆け巡ったその知らせは、新たな恵みへと導く光となる―。

作品タイトル:『8時15分ヒロシマ 父から娘へ』
出演:田中壮太郎、ジョナサン・タニガキ、エディ・大野・トオル、美甘進示、美甘章子、ユーリ・チョウ、松坂龍馬、ニニ・レ・フュイン、アーサー・アクシス
監督: J.R. ヘッフェルフィンガー
エグゼクティブ・プロデューサー・原作著者:美甘章子
プロデューサー: ニニ・レ・フュイン
テーマ音楽 「アヴェ・マリア」 作曲:細川俊夫
原作本:「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」美甘章子著(講談社エディトリアル)
2020年/アメリカ/51分/シネスコ/5,1ch/原題:「8:15」
配給:新日本映画社

コピーライト:(C)815 Documentary, LLC

2021年夏 新宿・K’s cinema 広島・八丁座 ほか全国ロードショー

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