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『aftersun/アフターサン』に杉咲花、三宅唱監督らのコメント到着!シャーロット・ウェルズのメッセージ映像も

aftersun/アフターサン

『aftersun/アフターサン』(5月26日(金)公開)に、日本の映画監督や俳優の杉咲花らが寄せた推奨コメントと、本作が初長編監督となったシャーロット・ウェルズからのメッセージ動画が解禁された。

11歳のソフィが父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった彼女の視点で綴る本作。2022年カンヌ国際映画祭・批評家週間での上映を皮切りに評判を呼び、話題作を次々と手掛けるスタジオ・A24が北米配給権を獲得。昨年末には複数の海外メディアが<ベストムービー>に挙げ、毎年映画ファンが注目するオバマ元大統領のお気に入り映画にも選出されるなど、本年度を代表する1本となった。

監督・脚本は、瑞々しい感性で長編デビューを飾った、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。ソフィ役には半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオ。愛情深くも繊細な父親カラムには、ドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが抜擢され、アカデミー賞(R)主演男優賞ノミネートを果たした。

また、A24製作、第89回アカデミー賞(R)作品賞など3冠に輝いた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスが脚本に惚れこみ、プロデューサーに名乗りを上げている。

多くを語らず、ミニマリスティックな演出で観る者に深い余韻をもたらす本作は、誰しもの心の片隅に存在する、大切なひととの大切な記憶を揺り起こす。陽光注ぐ海辺、アフターサン(日焼け後)クリームの香り、大きな波音、そして今も残るカラムの手の感覚……。クイーン&デヴィッド・ボウイ「アンダー・プレッシャー」、ブラー「テンダー」等のヒットソングに彩られながら、まばゆさとヒリヒリとした痛みを焼きつける一編だ。

この度、推奨コメントを寄せた日本映画の新時代を担う映画監督たちは、現在35歳のシャーロット・ウェルズ監督と同年代。『あのこは貴族』の岨手由貴子や、映像だけでなく写真に映し出すその世界観にも若い世代のファンが多い枝優花、ドラマに映画、監督に脚本家と幅広く活躍する松本花奈は、父と娘の過ごす最後のひと夏に感じる愛おしさや煌めきに言及。

「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018」で準グランプリを獲得し、黒木華・柄本佑のW主演で映画化した『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の堀江貴大は、ポール・メスカルの眼の演技を絶賛。また、昨年公開の『ケイコ 目を澄ませて』で国内の映画祭・賞レースで話題をさらった三宅唱は、「まるで鮮烈な短編小説」と本作の魅力を表現している。

さらに俳優の杉咲花や、藤岡弘、の娘で女優の天翔愛もコメントを綴っている。

そしてシャーロット・ウェルズ監督が日本の観客に向け、自らの幼少期の思い出を反映した本作が「特別な1本」であると語るメッセージ映像もお見逃しなく。

目次

コメント一覧(順不同・敬称略)

瞬きする間、世界はどんな姿をしているのだろう。
体温に触れたポラロイドがじとりと顔を出すように
まばゆいかけらを集めて、私も記憶の海を泳ぎたい。
――杉咲 花(俳優)

幼い時は親に素直に遊んでもらい、ただ楽しくて当たり前だった日常が、
大人になるといつのまにか消えかけている。
その時はなにも分からなかったけど、その日常が実は自分にとってとても大切で、
愛おしい時間であったのだと気付かされました。
初めて感じた淡い想い。
無邪気な嬉しさが感覚と共に蘇り、心にあたたかいものが溢れました。
――天翔 愛(女優)

娘らしく父らしく、ましてや女らしく男らしくするなんて耐え難い。
そんなかつての親子の時間をわかりやすい思い出話に整理してしまうなんてあり得ない。
そのかわりこの映画は、眩しすぎる空や暗すぎる海を忘れない。
水中のように不安定なこの世界の明滅から目を逸らさない。
そして、驚くほど繊細で多様な色で編まれている世界を見逃さない。
まるで鮮烈な短編小説のよう。
――三宅 唱(映画監督)

大人になった主人公が思い出す眩い夏は、
時折、重く苦しい澱のようなものに、ちりちりと侵食される。
それでも、悲しみで補正されたはずの時間が、永遠のように輝いている。
隣から聞こえる寝息が、退屈な午後が、涙が出るほど愛おしい。
――岨手 由貴子(映画監督)

30歳の父が抱える闇を、11歳の娘・ソフィが理解することはできない。
もちろん、父を闇から救うことだってできない。
たとえ家族であれども、その人の苦しみはその人自身にしか分からないのだから。
だけど、ビデオカメラが捉えたソフィと父の一夏の煌めきは、確かにそこに在った。
それだけでもう十分じゃないか、と思えたのだ。
――松本 花奈(映画監督)

幼い頃に父と過ごしたほんの少し日常とはちがう特別な時間。
でもなんてことのない些細な時間。
大人になってもあの瞬間にふと救われることがあって
そんなかけがえのない煌めきが詰まっている映画。
何度も思い返したくなる愛しい記憶たち。
――枝 優花(映画監督・写真家)

ポール・メスカル演じる父親の「何かを考えている顔」は、
わかりそうでわからない、なんの意味にも落ち着かない途轍もなく良い顔だ。
その顔は、「何を考えているのか知りたい」と他者の心を想像する眼差しによってこそ輝きを放つ。
それは、大人になってホームビデオの映像を見返す娘の眼差しであり、私たち観客の眼差しだ。
――堀江 貴大(映画監督)

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