映画『バハールの涙』ノーベル平和賞受賞者、ナディア・ムラドさんと同じ境遇の女性たちの“真実”の物語―1/19(土)公開

バハールの涙

今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され話題を呼んだ映画『バハールの涙』が1月19日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開となる。奇しくも本作で描かれるのは、今年のノーベル平和賞受賞者、ナディア・ムラドさんと同じくイラクの少数派ヤズディ教徒の女性たちの物語だ。

「女に殺されると 天国へ行けない」と信じられている土地で戦う女性たち

今年のノーベル平和賞(日本時間11日未明授賞式)を受賞したナディア・ムラドさんは、紛争地域で性暴力の被害に遭った女性の支援と救済に尽力している人権活動家である。イラクのクルド人のなかでもさらに少数派であるヤズディ教徒であり、普通の女性であったナディアさんはある日突然、武装した男たちに襲われた。彼らはIS(イスラミックステート)の戦闘員だった。ISに拘束され性暴力を含む悲惨な仕打ちを受けたという。3ヶ月後、ナディアさんは隙を見て逃げ出すことに成功。しかし、既に彼女の家族の多くは亡くなり、運よく生き残った者も、ばらばらに暮らすことを余儀なくされていた。「もう二度と私のような過酷な運命に翻弄される人がいなくなるように」と、彼女はいま活動している。

映画『バハールの涙』の主人公バハールはナディアさんと同じく、ヤズディ教徒。人質にとられた息子を取り戻すため、そして「被害者でいるより戦いたい」という仲間の言葉に動かされ、バハールは女性武装部隊を結成し、最前線に身を投じる。バハールの人物像はエヴァ・ウッソン監督がイラクのクルド人自治区に行き、前線と難民キャンプで取材し、実際にそこで出会った女性たちの証言から構築されたものである。ナディアさんのような壮絶な体験をした女性たちは多く存在する。勇気をもってISに立ち向かう彼女たちの声を、ウッソン監督はバハールを始めとする女性戦闘員たちの姿に込めて描きだした。
ナディアさんの苛酷な体験談は、自伝として日本でも翻訳刊行され(『THE LAST GIRL―イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―』/東洋館出版社刊)、ノーベル賞授賞式を前に注目が高まっている。
映画で描かれるバハールの生き様、ISに屈せず自らの尊厳のために戦う道を選んだ勇敢な女性たちの物語は、ナディアさんのメッセージをあらためて実感させるものであり、12月10日(日本時間11日未明)のノーベル賞授賞式を前に、まさに今、見るべき映画であると言えるだろう。

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ストーリー
女弁護士のバハールは愛する夫と息子と幸せに暮らしていた。しかし、ある日クルド人自治区の故郷の町でISの襲撃を受け、平穏な生活は断ち切られてしまう。男性は皆殺され、女性たちは性的奴隷として売買を繰り返され、少年たちはIS戦闘員の育成校に強制的に入れられた。バハールは人質にとられた息子を取り戻すため、そして「被害者でいるより戦いたい」という仲間の言葉に動かされ、女性武装部隊“太陽の女たち”を結成、銃を手に取り、最前線でISと戦う日々を送っていた―

作品タイトル:『バハールの涙』
出演:ゴルシフテ・ファラハニ『パターソン』『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、エマニュエル・ベルコ『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』
監督・脚本:エヴァ・ウッソン 『青い欲動』
2018年/フランス・ベルギー・ジョージア・スイス合作/111分
原題:Les filles du soleil(Girls of the Sun)
配給協力:REGENTS
配給:コムストック・グループ+ツイン

公式サイト:bahar-movie.com
コピーライト:(c)2018 – Maneki Films – Wild Bunch – Arches Films – Gapbusters – 20 Steps Productions – RTBF (Television belge) /

1月19日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー

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