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ジェシー・アイゼンバーグ初監督作『僕らの世界が交わるまで』ジュリアン・ムーアのテキストインタビュー&本編映像が解禁!

僕らの世界が交わるまで

映画『僕らの世界が交わるまで』(1月19日(金)公開)より、エヴリン役のジュリアン・ムーアのインタビューテキストと本編映像が解禁された。

2022年サンダンス映画祭でのワールドプレミア上映を経て、第75回カンヌ国際映画祭批評家週間のオープニング作品に選出された本作は、『ソーシャル・ネットワーク』(10)でアカデミー賞(R)主演男優賞にノミネートされた経歴を持つ俳優、ジェシー・アイゼンバーグの初長編監督作品。

製作は、『ラ・ラ・ランド』(16)でアカデミー賞(R)主演女優賞を獲得したエマ・ストーンが、夫であるデイヴ・マッカリーと共に設立した映画/TV制作会社「フルート・ツリー」。本作が初製作映画となる。さらに、『ムーンライト』(16)『ミッドサマー』(19)などを世に送りだし、映画ファンから絶大な人気を誇り、オスカー常連となっている映画会社「A24」も製作・北米配給を手掛ける本作は、珠玉のヒューマンドラマである。

DVシェルターを運営し、社会奉仕に身を捧げる母エヴリンと、オンラインミュージシャンとしてお金を稼ぐことに夢中な息子ジギー。正反対に見える母子のぶつかり合い、理想と現実の食い違いを描いた本作で、アカデミー賞(R)・BAFTA賞・エミー賞の各主演女優賞を受賞、三大映画祭であるベルリン・ベネチア・カンヌ国際映画祭で最優秀演技賞を受賞した経歴をもつ俳優、ジュリアン・ムーアがエヴリンを演じた。

エヴリンにとってジギーは、自分が期待していた人物とは真逆の息子だ。社会問題や人を救うことに興味を持たず、お金儲けのことばかり考えているジギーはエヴリンにとって排除すべき人物とも言える。自分を失望させ、混乱させ、さらに後ろめたい気持ちにまでさせる人を、家族として愛そうとするとはどういうことなのか──。

ジュリアンはジェシー監督がこの闇の深い部分に突き進み、探求していることを高く評価している。「母と息子は意欲的で、それぞれ自分の世界に浸って生きようとし、意図を読み違える傾向がある。そしてふたりは互いの意図をことごとく読み違えるの。エヴリンは人に多くを要求するタイプの人であり、ジギーにかなり厳しく接していると思う。だけど彼女は、彼に世の中について教えてきたにもかかわらず、彼が自分と同じように世の中に向き合おうとしないことで、常に息子からの強い抵抗を感じている。衝突をくり返し、まったく理解し合えないエヴリンとジギーだけど、その根底には多くの共通点がある。その部分に観客が気づけるように描いたジェシーの手腕をすばらしいと思う」

ジュリアンは脚本を読んだだけでこの役が自分に向いているとわかったと話す。「人間味あふれる感動的な物語であると同時に、面白さもあると気づいたの。何よりエヴリンのすばらしい変人ぶりに魅了されたわ。たちまち彼女のことが大好きになった。それは彼女が変わっているからだけでなく、映画の中で彼女のような人を見たことがなかったからでもあるの。エヴリンは私とはまったくかけ離れた人間だけど、彼女のことを理解できた。多くの人々がそれぞれの人生で彼女のような人に見覚えがあると思う」

そんなエヴリンの「変人」な部分をとらえた本編映像を解禁。エヴリンの運営するDVシェルターでの一幕。あるスタッフの誕生日を同僚たちが祝っているところに訪れるエヴリン。「一緒に祝って」と声をかけられるが、エヴリンは硬い表情でシェルター利用者からのクレームを伝える。楽しげだった空気が一変し気まずい空気が流れるなか、エヴリンが取り繕うようにお祝いの言葉をかけるが、同僚との間に漂う微妙な空気はぬぐえないままになってしまう──。

エヴリンの仕事に対する倫理観についても意見を交わしたというジェシー監督とジュリアン。2人はエヴリンが仕事を愛していると考える一方で、打ち込みすぎて職場で交わされる楽しいやりとりが苦手なのではないかと考えた。

ジェシー監督は「エヴリンの度を越した真面目さは他人との付き合いを難しくしてしまう」と言う。本シーンで、仲間の誕生日を祝う同僚たちに静かにするよう注意せずにいられないエヴリンについて「自分たちの周りに多くの痛みがあるなかで、そのことにまったく頓着せずに喜びが存在していることに彼女は思い悩んでいるのだと思う。こういったことに心の中で折り合いがつけられないんだ」とジェシー監督は語る。

数々の映画作品に出演してきたジュリアン・ムーアが映画の中で見たことがなかったと語るエヴリン。既視感を覚えること間違いなしの人間味あふれるキャラクターが織りなす、誰にとっても身近な“親子”の物語。身悶えするような共感にあふれた一作を、ぜひ劇場で見届けてほしい。

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