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映画『滑走路』11/20(金)公開記念!オリジナリティが光る短歌原作映画3選 ―SNS世代に馴染む、”心を伝える31文字”

滑走路

夭折の歌人・萩原慎一郎の遺作となった歌集を原作とした映画『滑走路』が11月20日(金)より全国公開となる。あふれる才能を遺し、突然この世を去った歌人・萩原慎一郎による「歌集 滑走路」。あとがきを入稿した翌月、32歳の若さで命を絶ち、デビュー作にして遺作となった一冊の歌集が映画化された。

短歌と言われると、なんとなく「難しそう」「ハードルが高い」といったイメージを持つ人もいるかもしれないが、実は、今まさに若者の間で“短歌ブーム”が沸き起こっている。

新宿・歌舞伎町で生きるホストたちの短歌「ホスト万葉集」が今年7月に発刊され、テレビや雑誌がこぞって取り上げ注目を集めた。さらに先週11月7日(土)に放送された「世界一受けたい授業」には歌人の俵万智が登場、恋愛やトレンドを気軽に短歌で表現する現代短歌の魅力を紹介し話題となったばかり。SNSの限られた文字数で日常の出来事や関心のあることを発信することに慣れているZ世代との親和性が高く、1000年以上も前から受け継がれてきた文学である短歌が“心”を伝えるツールとして活用されているのだ。

本作の公開を記念し、本ページでは、そんな短歌集が原作となった映画をご紹介。五・七・五・七・七の31文字からオリジナルストーリーを紡ぎあげ、創造性と個性が光る名作ばかりとなっている。

ご紹介するのは、どれも短歌のエッセンスを巧みに取り入れており、短歌好きはもちろん、短歌を知らない人でも興味を持ってしまいそうな3作品。映画で短歌の世界を味わったら、自分自身のオリジナル短歌を詠んでみては。

 

目次

『滑走路』11月20日(金)公開

滑走路いじめや非正規雇用など、自らの経験をテーマに短歌を発表し続けた萩原の初の歌集にして遺作となった「滑走路」。苦難の中、それでも生きる希望を歌った295首は、作者と同じように苦悩を抱える人へのエールとして、多くの共感を呼び話題に。新聞やTVでも次々と取り上げられ、初版500部、自費出版がメインの歌集において、累計8刷30,500部と異例のヒットを記録した。苦難の中、それでも生きる希望を託した歌は、多くの共感を集め、異例のベストセラーに。

原作歌集をモチーフにオリジナルストーリーとして紡がれる物語は、非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族― 現代を生きる若い世代の誰もが抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出している。

数々の話題作に出演する水川あさみが扮する翠(みどり)、実力派俳優として活躍目覚ましい浅香航大扮する若手官僚・鷹野(たかの)、そして新人・寄川歌太が扮する中学二年生の学級委員長。それぞれ“心の叫び”を抱えて生きる3人の人生が、やがて交錯していく―。

滑走路

ストーリー
厚生労働省で働く若手官僚の鷹野は、激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ追及を受けた鷹野は、そのリストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の真相を探り始める。30代に差し掛かり、将来的なキャリアと社会不安なに悩まされていた切り絵作家の翠。子供を欲する自身の想いを自覚しつつも、高校の美術教師である夫との関係性に違和感を感じていた。幼馴染を助けたことをきかけにいじめの標的になってしまった中学二年生の学級委員長。シングルマザーの母に心配をかけまいと、1人で問題を抱え込んでいた。それぞれに“心の叫び”を抱えた三人の人生が交錯したとき、言葉の力は時を超え、曇り空の中にやがて一筋の希望の光が差し込む――。

 

『ひかりの歌』(2019)

歌人の枡野紘一と映画監督の杉田協士が、映画化を前提に開催した短歌コンテストを開催。「光」をテーマにした1200首のなかから選出された4首の短歌を原作とし制作された長編映画。短歌からイメージを膨らませ4章のストーリーを展開。孤独を感じながら生きる4人の主人公あたたかく包み込む、ささやかな光のありかを描き出している。

ストーリー
都内近郊に住む4人の女性、詩織、雪子、今日子、幸子は、それぞれ誰かを思う気持ちを抱えながら、それを伝えられずに日々の生活をつづけている。旅に出てしまう同僚、他界した父親、閉店が近いアルバイト先の仲間、長い年月行方知れずの夫のことを思いながら、彼女たちは次の一歩を踏みだしていく――。

 

『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(1988)

タイトルからも分かるとおり、現代歌人の代表格である俵万智の言わずと知れたベストセラー歌集「サラダ記念日」を原作にした『男はつらいよ』シリーズの第40作目。当時ブームとなった歌集をモチーフに、いつもの寅次郎の恋愛模様が展開され、シリーズの中でも文学の香りが漂う一作。三田寛子扮するマドンナ・由紀が短歌に凝っているという設定で、寅次郎が早稲田大学で講義を受ける場面があるなど、随所に句が引用意外にも歌集の世界を反映した内容が多々みられる。

ストーリー
舞台は信州・小諸。駅前で老婆キクエと知り合った寅次郎はそのまま家に泊めてもらうことに。翌朝、医師・美人女医の真知子が、キクエを病院に入院させるためにやってきた。重病のキクエは、寅次郎の説得でなんとか入院。寅次郎は御礼にと家招待された真知子の家で、彼女の姪・由紀と一緒に夕食をとった。東京に戻っても真知子のことが忘れられない寅次郎は、満男の大学受験の下見とかこつけ、由紀が通う早稲田大学を訪ねることに――。


作品タイトル:『滑走路』
出演:水川あさみ 浅香航大 寄川歌太
木下渓 池田優斗 吉村界人 染谷将太
水橋研二 坂井真紀
監督:大庭功睦
脚本:桑村さや香
原作:萩原慎一郎「歌集 滑走路」(角川文化振興財団/KADOKAWA 刊)
主題歌:Sano ibuki「紙飛行機」(EMI Records / UNIVERSAL MUSIC)
撮影:川野由加里
照明:中村晋平
録音:西正義
装飾:小林宙央
音楽:永島友美子
編集:松山圭介
VFX:田中貴志
助監督:桜井智弘
制作担当:赤間俊秀
製作:「滑走路」製作委員会、埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ
制作プロダクション:角川大映スタジオ、デジタルSKIPステーション
配給:KADOKAWA
PG12

公式サイト:kassouro-movie.jp
公式Twitter:@kassouro_movie
コピーライト:(C)2020「滑走路」製作委員会

11月20日(金)、全国ロードショー

 

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