『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』グスタフ・クリムトとは一体、何者だったのか?本編動画の一部を特別公開!

『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』がシネスイッチ銀座ほかにて公開中だ。本作は、19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトとエゴン・シーレの没後100年となる2018年に製作された注目の美術ドキュメンタリー。豊富な映像資料で、クリムトとシーレが生きた19世紀末ウィーンに花開いたサロン文化と、彼らの愛と官能性に満ちた絵画をつまびらかに見せつける。その精密な絵画の世界は、我々見るものを、いつしかウィーンの世紀末にいざなってゆく。

4月23日より7月10日まで東京都美術館にて開催されている「クリムト展 ウィーンと日本 1900」の特別タイアップ企画でもある本作は、映画と展覧会を併せて楽しむこともできる。さらに日本語ナレーションを俳優の柄本佑が担当。海外ドキュメンタリー映画のナレーションは初めてとなる柄本の参加も話題の作品だ。鑑賞後の来場者からは「映画を観て、背景を理解してから展覧会に行けば、展覧会の理解がより深まる」などの感想があがっている。

そしてこの度、本作の本編動画が解禁となった。

今回、解禁された本編動画では、柄本佑が吹き替えを担当しているイタリア人俳優ロレンツォ・リケルミーの案内で、「グスタフ・クリムトとは一体何者だったのか?」という部分にフォーカスしたシーンが切り取られている。その貧しい生い立ちから、洗練されたウィーン社交界で上流階級の女性たちと関係を築くようになるまで、彼がどのような術を使ってのし上っていったかが、貴重な資料とともに語られる。特に、動画後半では、彼の死後、親密な関係をもっていた多くの女性たちが「クリムトの子を授かっている」と法廷に訴えがあったことなど、当時のウィーンを騒がせたゴシップも語られ、クリムトの人となりがうかがえる。

グスタフ・クリムトとは?
世紀末ウィーンを代表する画家。ウィーンの工芸美術学校に学ぶ。初期にはアカデミックな作風で才能を認められ、劇場の壁画装飾などで名を馳せる。1897年に保守的なウィーンの画壇から離脱し、「ウィーン分離派」を結成。自ら初代会長として分離派会館を中心に多くの展覧会を開催しながら、新しい造形表現を追求した。同世代の芸術家らと共に、絵画、彫刻、建築、工芸の融合を目指す総合芸術を志向する。エゴン・シーレら次世代の画家達にも多大な影響を与えた。

「ユディト」の絵 (c)Belvedere, Wien, Photo: Johannes Stoll

イントロダクション
世紀末のウィーンで起きた思想の変革。
クリムトとシーレが与えた影響とは?

「時代には芸術を、芸術には自由を」

これはグスタフ・クリムトを中心に結成された芸術家グループ「分離派」が、1898年に自ら建てた展示施設の分離派会館(セセッション館)の入り口に金文字で掲げたモットーである。

19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンでクリムトとエゴン・シーレは人間の不安や恐れ、エロスを描いた新しい絵画の手法を通じて、それまでの絵画とは異なる革新的な芸術作品を次々と生み出していった。金箔を多用し、妖艶で死の香りを漂わせるファム・ファタルを多く手掛けたクリムト。ねじ曲がった体躯と苦悶に満ちた表情で克服できない傷みを描いたシーレ。異端なテーマは精神医学者ジークムント・フロイトが辿り着いた精神分析の誕生と時を同じくして起こった。それと同時に、音楽、建築、文学にも新しい概念が見出され、女性たちはコルセットを脱ぎ捨て、自立を主張し始める。封建的なウィーンで抑えられていた人々の衝動は一気に爆発したかのように社会秩序を揺り動かし、自我の深い本質への対峙の始まりとなったのだ。

日本でも展覧会の開催で注目される
世紀末ウィーンを、一流陣が新たな視点で解説。
本作ではクリムトやシーレの傑作を所蔵するウィーンを代表するアルベルティーナ美術館、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、美術史美術館、分離派会館、レオポルド美術館、ウィーン博物館、ジークムント・フロイト博物館を巡りながら、ウィーンの黄金時代の始まりと終わりを解説する。コメンテーターはノーベル生理学・医学賞受賞者のエリック・カンデル、大学で美術史を専攻した女優でモデル、そしてケンブリッジ大学で美術史を修めた女優兼モデルのリリー・コール、世界的ピアニストのルドルフ・ブッフビンダー 、美術史家のジェーン・カリアなど各界で活躍する一流の芸術家や歴史家たちだ。ナビゲイターはNetflixドラマ「マルコ・ポーロ」シリーズ(14~16)の主演で知られるイタリアの新進気鋭の俳優ロレンツォ・リケルミー。日本語ナレーションは『きみの鳥はうたえる』(18)などでキネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、毎日映画コンクール男優主演賞に輝いた若手実力派俳優の柄本佑が担当する。

日本では今年4月から「クリムト展 ウィーンと日本 1900」などが開催され、多くの美術ファンが詰めかけている。なぜ今も、クリムトとシーレの作品がウィーンから遠く離れた日本でも人々を魅了するのか。名画に隠されたウィーンのカオスを多角的に目撃できる美術史ドキュメンタリー。ついに開幕!

作品タイトル:『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』

出演:ロレンツォ・リケルミー、リリー・コール
監督:ミシェル・マリー
脚本:マリアナ・マレリ
英語題:KLIMT & SCHIELE EROS AND PSYCHE
2018年/イタリア/イタリア語、ドイツ語、英語/カラー/90分/ドキュメンタリー
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム
配給:彩プロ

6月より、シネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開中!
クリムト展 ウィーンと日本1900』東京都美術館で開催!(4/23-7/10)


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