イタリアを舞台にアミール・ナデリが描く、黒澤明の精神を受け継ぐ傑作映画『山〈モンテ〉』予告編映像解禁―2/9(土)公開

山〈モンテ〉
アップリンク吉祥寺にて公開となるアミール・ナデリ監督『山〈モンテ〉』の公開日が2月9日(土)に決定。加えて、本作の予告編が解禁された。

現代イラン映画の巨匠、アミール・ナデリが日本で撮影した『CUT』(11)に続き、選んだ舞台はイタリア。ナデリ監督がミケランジェロなどのイタリア彫刻にインスピレーションを受け、制作した作品が『山〈モンテ〉』だ。
この度、解禁された予告編には、岩山に光を遮られ、光が差さずに作物が育たない不毛の地で暮らすアゴスティーノと妻のニーナ、息子のジョヴァンニたちの苦しみに満ちた生活が冒頭から中盤にかけて描かれている。
この村を「死の世界」と皆は呼び、次々に村人たちが去っていく中、アゴスティーノたちは、祖先や亡き妹の墓があるこの地を離れようとしない。彼らは神に祈りを捧げ、必死に働くが、その祈りはむなしく届かない。さらには、異端者として、町の人々から迫害され、家族は離れ離れになってしまう。
そして、遂にアゴスティーノは神に祈ることを止め、自らの手で山を崩そうと、鍬を手にする。アゴスティーノが岩山に打ち付ける鍬の音と彷徨が山々に響く。果たして、彼は山〈モンテ〉を突き崩すことができるのか―!?

予告編の中では、アミール・ナデリ監督の「これは黒澤明の精神から生まれた映画だ」というコメントが引用されている。絶望的な環境にいながらも、決してあきらめずに生き抜こうとする姿は、確かにナデリ監督が敬愛する黒澤明映画に登場する人物から引き継がれたものだろう。実際に企画の当初、本作は日本で撮影することを予定していたという。ただ、イメージする岩山が日本には存在せず、イタリアを舞台に変更したとのことだ。
一見、荒唐無稽とも思われかねない物語を、重厚なカメラワークと拘りぬいた色彩設定とサウンドデザインで、映画表現を極北まで押し広げた本作。本編への期待がますます高まるところだ。

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作品タイトル:『山〈モンテ〉』
出演:アンドレア・サルトレッティ、クラウディア・ポテンツァ、ザッカーリア・ザンゲッリーニ、セバスティアン・エイサス、アンナ・ボナイウート
監督・脚本・編集・音響:アミール・ナデリ
製作:カルロ・ヒンターマン/ジェラルド・パニチ/リノ・シアレッタ/エリック・ニアリ
撮影:ロベルト・チマッティ
美術:ダニエレ・フラベッティ
衣装:モニカ・トラッポリーニ
装飾:ララ・シキック
録音:ジャンフランコ・トルトラ
VFX:佐藤文郎
(英題:MOUNTAIN原題:MONTE)
2016/107分/伊・米・仏/イタリア語/シネマスコープ/5.1ch
配給:ニコニコフィルム

公式サイト:monte-movie.com
コピーライト:(c)2016 Citrullo International, Zivago Media, Cineric, Ciné-sud Promotion. Licensed by TVCO. All rights reserved.

2019年2月9日(土)より、アップリンク吉祥寺にて公開!以降全国順次

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