matohuのアートドキュメンタリー『うつろいの時をまとう』第41回モントリオール国際芸術映画祭出品決定&本編映像解禁

うつろいの時をまとう

日本の美意識をコンセプトに独自のスタイルを発信し続けている服飾ブランドmatohu(まとふ)の創作を追ったドキュメンタリー映画『うつろいの時をまとう』(3月25日(土)公開)が、第41回モントリオール国際芸術映画祭のオフィシャルセレクションに出品され、ワールドプレミア上映されることが決定。あわせて本編映像の一部も解禁された。

モントリオール国際芸術映画祭は、カナダのモントリオールで毎年3月に開催される、今年で41回目を迎える歴史ある映画祭。過去には日本からは、本作へコメントを寄せた現代美術家・束芋による『tabi-imo: Tabaimo 2011-2017』(17)やファッションデザイナー ヨウジヤマモトの創作現場に迫る『ヨウジヤマモト~時空を超える黒~(Yohji Yamamoto: Rebel in Black)』(19)、建築家・安藤忠雄が日本の子どもたちの未来について語る『安藤忠雄 次世代へ告ぐ』(20)、今年に日本で劇場公開予定の『マゴーネ 土田康彦「運命の交差点」についての研究』(23)が出品されてきた。

監督を務める三宅流は、これまで実験的なドキュメンタリー映画の制作を発表する度に世界各国の映画祭で上映されてきたが、本映画祭への出品は今作が初。今回、オフィシャルセレクションへの選定を受け、三宅監督は「モントリオール国際芸術映画祭は40年以上続く、世界最大の芸術映画祭です。私は20年近く前からドキュメンタリーを製作し始め、作品が完成するたびに毎回この映画祭にエントリーし続けてきましたが、なかなか選ばれることができませんでした。今回ようやく作品が選ばれて念願がかない、感慨深いものがあります。商業ベースに乗りにくいアートドキュメンタリーですが、これを第一歩としてこの作品を世界に広げていくために頑張っていきたいと思います。」とコメントを寄せている。

本映画祭は3月14日から26日まで現地開催、3月24日から4月2日まではオンライン開催され、三宅監督は開催期間に現地入りする予定となっている。

あわせて解禁となった本編映像は、matohuのデザイナーである堀畑裕之関口真希子が、街を歩きながら、地面や壁、電柱といったコンクリートのひび割れやシミ、塗装が剥がれたがれた錆、あるいは表面が擦れた苔など、身の周りに溢れるささやかな美を拾い上げ、スマートフォンのカメラで収める場面。そういった日常の何気ないものから得た着想や気づきが、一着の服として昇華される様子、デザイナーの思考の流れが映し出されている。

この一連の場面では、日本人が焼物や骨董などの器に見られる微妙な濃淡やひび割れ、使い込まれた染みや擦れなどを愛でてきた古来からある美意識にmatohuが着目し、「無地の美」として発表してきたコンセプトの実践が表されており、一見、何もないように見えるところの中から無限のテクスチャーや色合いを見出す彼らの創作の哲学、日常のありふれたものの中から心を開いて美や豊かさを発見する視点を端的に見ることができる。

ストーリー
2020年1月。東京・青山のスパイラルホールで、服飾ブランドmatohuの8年間のコレクションをまとめた展覧会『日本の眼』が開催された。matohuは“日本の眼”というタイトルのもと、「かさね」「ふきよせ」「なごり」など日本古来の洗練された美意識を表す言葉をテーマに2010年から2018年までの各シーズン、全17章のコレクションを発表してきた。デザイナーの堀畑裕之は大学でドイツ哲学を、関口真希子は法律を学んでいたが手仕事や服作りへの思いからファッションの世界に飛び込む。堀畑はコム デ ギャルソン、関口はヨウジヤマモトでパタンナーとしてキャリアを積む。そして2005年にブランド「matohu」を立ち上げ、彼らは“長着”という独自のアイテムを考案した。着物の着心地や着方の自由さから着想を得ながら、今の生活に合わせた形で作り出されたモダンなデザインの服である。2018年、matohuは『日本の眼』最後のテーマとなる「なごり」コレクションの制作に取りかかり、伝統的な技術を持つ機屋や工房と協業しつつ、テキスタイルを作り上げていく。堀畑と関口はアトリエで激しい議論を繰り返しながら妥協することなくデザインを完成させ、そしてファッションショーの日を迎える。

作品タイトル:『うつろいの時をまとう』
出演:堀畑裕之、関口真希子/赤木明登、津村禮次郎、大高翔 ほか
監督:三宅流
撮影:加藤孝信
整音・音響効果:高木創
音楽:渋谷牧人
プロデューサー:藤田功一
2022年/日本/96分/カラー/DCP/5.1ch/バリアフリー上映対応
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
協力:一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構、PEACH
協賛:文化服装学院、株式会社トランスビュー
製作・配給:グループ現代

公式サイト:http://tokiwomatohu.com
公式Twitter:@tokiwomatohu
公式Instagram:@tokiwomatohu
公式Facebook:@gendaimatohu
コピーライト:(C)GROUP GENDAI FILMS CO., LTD.

2023年3月25日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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