三宅唱監督最新作『ワイルドツアー』植物採取を行う10代の若者達が「新しい種」を求め成長する青春作―3/30(土)劇場公開

ワイルドツアー昨年公開された『きみの鳥はうたえる』が話題となった三宅唱監督の最新作『ワイルドツアー』が、2019年3月30日(土)より劇場公開決定。2月8日から24日に開催される第11回恵比寿映像祭ではプレミア上映も行われる。

本作は、先日公開が発表された染谷将太が監督を務めた短編映画『ブランク』と同様、山口情報芸術センター[YCAM]が実施する映画制作プロジェクト「YCAM Film Factory(ワイカム・フィルム・ファクトリー)」によって制作された作品の第四弾。監督は『Playback』(2012)、『THE COCKPIT』(2014)など意欲的な作品群を発表し、昨年公開された『きみの鳥はうたえる』も話題の三宅唱。YCAMの研究開発チーム・YCAMインターラボと協働し、約8カ月間の滞在制作の中で、作り上げた作品だ。

舞台は山口県山口市。実際にYCAMでおこなっている、採取した植物のDNAを解析し植物図鑑を作るワークショップを物語の出発点におき、そこで出会った10代の若者たちが、山や海へ「新しい種」を求めて探索しながら、自然と共に成長していく物語。
出演者は、ほぼ演技経験の無い10代の中高生たちが参加。監督と出演者が一緒になって脚本や演出を考えながら撮影を重ねてきた。フィクション作品でありながら、時に彼らのナマの成長の記録も映し出された、どこにもない珠玉の青春映画が完成した。今回、公開決定にあわせて解禁されたメインビジュアルには、メインキャストの3人が降りしきる雨の中、YCAMの敷地内に並んで立っているポートレイトが採用されている。撮影は写真家のホンマタカシが務めている。

三宅監督 コメント

YCAM Film Factoryのボス杉原氏から「最終的に映画でなくてもかまわない」という緊張感あるオファーを受けた。「なぜわざわざ映画をつくるのか」というゼロからの問い直しだ。滞在制作中、映画以前からある演劇やダンス、また地域での芸術教育プラグラム、そしてSFのような最先端テクノロジーやバイオラボに囲まれ、なぜ芸術(施設)が人生や社会に必要なのかを日々模索しているYCAMスタッフらと共に、映画の役割を探った。まずは日々のあれこれを記録するビデオダイアリーの手法から出発し、それをインスタレーション作品「ワールドツアー」として再構成しながら、ある時、僕らにはやっぱり物語や劇も必要だと気づいた。それを教えてくれたのは地元の中高生たちだ。21世紀うまれの彼らと山や海や街角でなにかを発見したり、セリフを作ったり、何度も演じたりしながら、ようやく映画を発見できた気がした。 高校受験やら将来やら恋やら、人生の岐路に立って日々真剣に生きている彼らの姿は野生の動植物のように格好いい。リアルとかナチュラルでは収まらない、人間やこの社会の「ワイルド」な部分を捉えたいと思った。ぜひ彼らと「発見のよろこび」を共有してほしい。

監督・脚本・編集 三宅唱(みやけ・しょう)
1984年生まれ。北海道札幌市出身。09年に短編『スパイの舌』(08)が第5回シネアスト・オーガニゼーション・イン・大阪(CO2)エキシビション・オープンコンペ部門にて最優秀賞を受賞。初長編作品『やくたたず』(10)を発表後、12年に劇場公開第1作『Playback』を監督。同作は第65回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正 式出品され、話題を呼んだ。14年には、音楽ドキュメンタリー『THE COCKPIT』を発表。17年には、時代劇専門チャンネル・日本映画専門チャンネルのオリジナル作品『密使と番人』で初の時代劇に挑戦。18年には、佐藤泰志原作の映画化作品『きみの鳥はうたえる』を発表。その他の作品に、ビデオダイアリー「無言日記」シリーズ(14 ~)、建築家・鈴木了二との共同監督作品『物質試行58 A RETURN OF BRUNO TAUT 2016』(16)などがある。

その他の上映情報

第11回恵比寿映像祭での上映が決定
アートと映像の国際フェスティバルとして2009年から続く恵比寿映像祭に『ワイルドツアー』が招聘され上映される。会期中、同プロジェクトで制作した三宅唱+YCAMによるインスタレーション作品「ワールドツアー」も合わせて公開。

公式サイト:www.ebizo.com

三宅唱監督作品『ワイルドツアー』
2019年2月20日(水)18:30 ~、24日(日)15:00 ~ 要チケット
会場:東京都写真美術館 1F ホール

三宅唱+YCAM「ワールドツアー」
2019年2月8日(金)~2月24日(日)10:00 ~ 20:00 入場無料
会場:日仏会館 ギャラリー

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山、海、10代、植物、初恋―
「ワイルドな」成長の記録が繊細に映し出された青春映画

ストーリー
ここは山口県山口市にあるアートセンター。大学1 年生の中園うめは、「山口のDNA図鑑」というワークショップにファシリテーター(進行役)として参加している。参加者は、これから、自分たちが暮らす街の様々な場所を歩きまわり、どんな植物が生えているのかを調べていく。ウメは中学3年生のタケとシュンを連れ、「新しい種」を求めて近くの森を探索することに…。

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作品タイトル:『ワイルドツアー』
出演:伊藤帆乃花、安光隆太郎、栗林大輔ほか
監督・脚本・撮影・編集:三宅唱
音楽:Hi’Spec
プロデューサー:杉原永純(YCAM)
リサーチ・照明:高原文江(YCAM)
録音:戸根広太郎、安藤充人(YCAM)
整音:弥栄裕樹
メインビジュアル撮影:ホンマタカシ
ワークショップ制作・監修:YCAM バイオ・リサーチ・プロジェクト
製作:山口情報芸術センター[YCAM]
YCAM Film Factory vol.4
主催: 山口市、公益財団法人山口市文化振興財団
後援: 山口市教育委員会
助成:平成30年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業
共同開発:YCAM
InterLab企画制作: 山口情報芸術センター[YCAM]
2018年/67分/カラー/Stereo/
宣伝・配給:岩井秀世

コピーライト:(c)  Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]

3月30日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー!

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