映画『宵闇真珠』C・ドイル監督インタビュー&アンジェラ・ユン、オダギリジョーのコメントが到着―12/15(土)公開

宵闇真珠
『ブエノスアイレス』『恋する惑星』など、映画史に燦然と輝く傑作を多数撮ってきた世界的撮影監督クリストファー・ドイルが監督を務めた『宵闇真珠』が12月15日(土)に公開となる。
本作は、香港の片隅にある漁村を舞台に村を訪れた異邦人との出会いにより、世界を知る少女の物語。映画史に燦然と輝く傑作を多数撮ってきた世界的撮影監督クリストファー・ドイル(以下、C・ドイル)が監督を務めている(共同監督:ジェニー・シュン)。ヒロインの少女役を演じるのは、次世代を担うアジアンビューティー、アンジェラ・ユン。そして、少女と出会う異邦人役に、ワールドワイドに活躍する実力派オダギリジョー。この度、C・ドイルのインタビュー、彼について語るオダギリジョー、アンジェラ・ユンのコメントが到着した。

本作で撮影監督を務めたC・ドイルは、何年間も待って出会った逸材と評するアンジェラ・ユンについて、「ライトやカメラで女優を美しく撮る、そうすることで彼女達を祝福するのが私の仕事です。それは自分にとってひとつの愛情表現で、セックスよりも素晴らしい(笑)。ほかの女優たちと同じようにアンジェラとの間には信頼関係があって、それは日常生活で得られるものとは全然違う関係でした。私が女優を愛することで、彼女の気持ちが私に伝わって、それを映像で表すことができるんです」と独自の理論を語った。

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今回、共同監督としても参加したC・ドイルは演出について、オダギリジョーやアンジェラ・ユンに極力演技をしないように演出したと語った後に、「特別なエネルギーを持っていて、歌舞伎役者のような大きい演技はしなくても、ただそこにいるだけで映画になってしまう役者がいます。そういう役者と、良い空間、良いストーリーがあれば映画になる。」と二人を評価。

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良い空間といえば、映画の舞台となった漁村<大澳>からはすごく刺激を受けたと語り、次のように続けた。「自分にとって空間はとても重要です。私は映画の撮影技術をちゃんと勉強したことはありませんが、いろんな国を旅して、その土地や空間からエネルギーや物語を感じるという経験を積んできました。カメラの技術というよりは、その場所のエネルギー、“気”みたいなものを感じることがすごく大切なんです。映画というのはエネルギーをシェアするものであって、技術的なものではないと思います」

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さらに、これから映画を観る日本の観客に向け、「誰もが〈本当の自分をわかってほしい〉という願いを持っています。すべての女性の心の中に、この物語の少女がいるんじゃないでしょうか。青年は少女のことを〈君は特別だ〉と言って去ってしまいますが、それは彼女がとり残されて一人になるということではなく、しっかり自分と向き合えるようになるということなのです。そして、それがすごく難しいことだということを、この映画を観て感じて欲しいですね」と真剣な表情を見せた。

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そんなC・ドイルについて、オダギリジョーは「僕たちの世代からすると、ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルって避けては通れない存在なんですよね。1990年代の映画の象徴というか、彼等の映画から本当にたくさんの刺激や影響を受けました。クリス(C・ドイル)の現場は、即興的なものやハプニングも含めて何でも受け入れて楽しむような、とっても自由で創造性豊かな現場でした」とコメント。

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アンジェラ・ユンは「私は台本に従って演技をするだけですが、C・ドイル監督はライティングについて試行錯誤を繰り返していました。例えば、どの紙が最も光を効果的に映し出し最高の結果を出すか、様々な紙にライトを当てて確かめるんです。私にとって、そんな現場は初めてでした」とコメントした。

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クリストファー・ドイル インタビュー 2018.8.30都内某所
「この映画は〈見る〉ことについての映画なんです。」

―ジェニー・シュンが書いた物語のどんなところに惹かれたのでしょう。
「ジェニーが自分の心に忠実に書いた作品で、それがとても気に入ったんです。長い間、彼女は香港から離れてアメリカで暮らしていて、香港に戻ってきて香港を再発見した。それが彼女にとっての大事なことでした。自分にとって大事なものに対して忠実に作品を作る人に私は敬意を払っているし、いつもそういう人と一緒に仕事をしたいと思っています。自分が信じているものに忠実でれば、それがどんなことであっても他の人も共感できるはずだから」

―ジェニーとはどのようにして、共同作業をしたのでしょうか。
「準備はすべて彼女がやってくれました。自分が若い監督とやる時は、まず彼らがアイデアを持っていて、彼らとコミュニケートしていくなかで自然に映画が生まれます。とても自由な現場でした」

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―アンジェラ・ユンはいかがでした?
「ライトやカメラで女優を美しく撮る、そうすることで彼女達を祝福するのが私の仕事です。それは自分にとってひとつの愛情表現で、セックスよりも素晴らしい(笑)。ほかの女優たちと同じようにアンジェラとの間には信頼関係があって、それは日常生活で得られるものとは全然違う関係でした。私が女優を愛することで、彼女の気持ちが私に伝わって、それを映像で表すことができるんです」

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―アンジェラにもオダギリさんにも、極力演技をしないように演出されたそうですね。それはどうしてなのでしょうか。
「映画はキャスティングがとても重要です。特別なエネルギーを持っていて、歌舞伎役者のような大きい演技はしなくても、ただそこにいるだけで映画になってしまう役者がいます。そういう役者と、良い空間、良いストーリーがあれば映画になる。そういう意味で、映画はすごくシンプルなものなんです」

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―「良い空間」といえば、物語の舞台になった漁村大澳の風景も印象的でした。
「大澳からは、すごく刺激を受けました。自分にとって空間はとても重要です。私は映画の撮影技術をちゃんと勉強したことはありませんが、いろんな国を旅して、その土地や空間からエネルギーや物語を感じるという経験を積んできました。カメラの技術というよりは、その場所のエネルギー、“気”みたいなものを感じることがすごく大切なんです。映画というのはエネルギーをシェアするものであって、技術的なものではないと思います」

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―劇中では、カメラオブスクラやピンホールカメラなど「見る」というイメージが散りばめられていますね。
「この映画は〈見る〉ことについての映画なんです。よそから来たハンサムな異邦人が、少女の本質を見抜く。別世界から来た人であるからこそ、彼女の本当の姿が見ることができるんです。それが少女に自信を与えて、彼女は自分を肯定できるようになる。この映画は、観客に〈他の人と違うのは素晴らしいことなんだよ〉と伝えているんです。今の世の中、香港でも日本でも〈他の人と違うから素晴らしい〉と言われて、それを素直に受け入れられる若者は少ないかもしれません。でも、オダギリさんが演じたような素敵な人物から、〈他の人と違うから素晴らしい〉と言われると嬉しいんじゃないでしょうか(笑)」

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―そうですね(笑)。確かにそれは自信に繋がると思います。
「誰もが〈本当の自分をわかってほしい〉という願いを持っています。すべての女性の心の中に、この物語の少女がいるんじゃないでしょうか。青年は少女のことを〈君は特別だ〉と言って去ってしまいますが、それは彼女がとり残されて一人になるということではなく、しっかり自分と向き合えるようになるということなのです。そして、それがすごく難しいことだということを、この映画を観て感じて欲しいですね」

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ストーリー
陽に当たることのできない少女、どこからともなくやってきた異邦の男。それは、本当の居場所、本当の自分に気づかせてくれた唯一無二の出会い。
香港最後の漁村、珠(じゅ)明(めい)村。幼少時から日光にあたるとやせ細って死んでしまう病気だと言い聞かせられ、太陽から肌を隠して生活する16歳の少女は、透き通るような白い肌の持ち主。村人たちからは「幽霊」と呼ばれ、気味悪がられている。日没後、肌を露出し、お気に入りの音楽をお気に入りの場所で楽しむことが、少女にとって唯一孤独を癒やす手段だった。ある日、どこからともなくやってきた異邦の男と出会った少女は、今まで知ることのなかった自身のルーツに触れていくことになるのだが・・・・

作品タイトル:『宵闇真珠』
出演:オダギリジョー アンジェラ・ユ
監督:ジェニー・シュン
監督&撮影:クリストファー・ドイル(『エンドレス・ポエトリー』)
原題:白色女孩
英題:THE WHITE GIRL/2017年/香港・マレーシア・日本/広東語・北京語・英語・日本語/日本語字幕:神部明世/97分/カラー/ビスタ/5.1ch/映倫G
配給:キノフィルムズ/木下グループ

公式サイト:https://yoiyami-shinju.com/
コピーライト:(c)Pica Pica Media

12月15日(土)、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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