『夜を走る』初日来場者に松田洋子描き下ろしオリジナルステッカー配布決定!著名人コメント・パンフレット情報なども解禁

夜を走る
『夜を走る』オリジナルステッカー3枚組
illustrated by 松田洋子

佐向大監督最新作『夜を走る』(5月13日(金)よりテアトル新宿を皮切りに全国順次公開)の初日来場者プレゼントが、「赤い文化住宅の初子」「薫の秘話」「ママゴト」「父のなくしもの」などで知られる漫画家・松田洋子によるオリジナル・ステッカーに決定した。
あわせて、著名人からのコメントや、パンフレット舞台挨拶の情報も解禁された。

構想9年、完全オリジナル脚本で描かれる本作の舞台は、郊外のスクラップ工場。主人公はそこで働く二人の男だ。
ひとりは40歳を過ぎて独身、不器用な性格が災いして、上司から目の敵にされ取引先にも軽侮されながら、実家で暮らす秋本(足立智充)。ひとりは、そんな日常に飽き飽きしながらも、要領よく世の中をわたってきた谷口(玉置玲央)。
退屈で平穏だった二人の日常が、ある夜に起こった事件を境に、波乱に満ちた運命を辿るさまを、20名を超える個性豊かな登場人物、予想を次々に裏切る怒涛のサスペンスで描いた、破格のスケールの人間ドラマ。

ステッカーは、足立智充演じる「武蔵野金属」営業の秋本、玉置玲央演じる「武蔵野金属」職工の谷口、そして宇野祥平演じる“謎の集団”の美濃俣の3人が描き下ろされたもの。『夜を走る』の舞台と同じく、実家が工場という松田洋子が、作業用ヘルメットなどに貼られる安全ステッカーをパロディした、横4cm×縦8cmのステッカーが3枚セットになっている(数量限定、各劇場なくなり次第終了)。

また、A5フルカラー全96ページに及ぶ豪華なパンフレットが、公開劇場にて販売されることも明らかになった(税込1000円)。

中原昌也夏目知幸古谷田奈月木澤佐登志五所純子樋口泰人森直人結城秀勇による評論・コラムのほか、監督の佐向大、W主演の足立智充玉置玲央による鼎談、大杉漣さんの妻であり本作の企画・製作を手がけた大杉弘美によるエッセイ等が収録され、文字数は合計70,000字に及ぶ。

デザインは、銀杏BOYZ、cero、VIDEOTAPEMUSICなどのジャケットデザインのほか、雑誌「STUDIO VOICE」のアートディレクターを務めてきた坂脇慶が担当。また、坂脇慶による『夜を走る』新ビジュアル(パンフレット表紙)も完成した。

夜を走る

そして、テアトル新宿での公開初日、5月13日(土)には舞台挨拶も行われることも決定した。上映前の20:10より30分程度(映画本編開始は20:40~)、監督の佐向大のほか、主要キャストの足立智充玉置玲央菜 葉 菜玉井らん他が登壇予定となっている。
※登壇者は、変更となる可能性がございます。詳しくはテアトル新宿公式サイト(https://ttcg.jp/theatre_shinjuku/)をご確認ください。

なお、本作に寄せて菊地成孔七尾旅人VIDEOTAPEMUSIC大橋裕之宇野維正古田泰子廣瀬純、そしてステッカーを描き下ろした松田洋子から寄せられたコメントは以下の通り。

コメント一覧(敬称略)

『サウダーヂ』(11)、『ケンとカズ』(16)の流れ(5年飛び)を汲む<リアルヤンキー物+桁外れなイマジネーション作>の異色作にして力作。
<ダークサイド・オヴ・ドライブ・マイ・カー>とも言うべき斬新さで、車は洗車を済ませ、罪と救済の断崖を、リアルと狂気の一線を、地続きに走ってゆく。
菊地成孔(音楽家/文筆家)

とある地方都市。職場も、家庭も、卑小な裏切りに満ちている。出口の見えない閉塞感が極まっていく時、痙攣的な疾走が始まる。しかし福音は不完全にしか訪れず、日常の不穏は形を変えて温存される。我々の生のように。
こうした描写の根本にあるものが気になり同監督の『教誨師』を観てみたら、登場人物たち(死刑囚)の生をどこかで負いながら今作品『夜を走る』が存在している気がしてグッと来た。
七尾旅人(シンガーソングライター)

いつも癖で映画でも何でも先を読みながら観てしまうけど、全く読めないという喜び。
酒を飲みながら映画を観ることはほぼないのに、途中でどうしても飲みたくなって缶ビールを開けてしまった。
大橋裕之(漫画家)

町の底から響いてくるようなゴーッという低音。
それは分厚い雲の上を飛行機が通過する音か、国道を走るトラックの走行音か。もしくはどこか遠くの工場の音か、頭上にそびえる送電鉄塔から鳴っているのか。それとも吐き出し損ねた心の叫びか。
すっかりその存在に慣れてしまい、忘れかけていた郊外に鳴り響く様々な通奏低音が、スクリーンの向こうから爆音で再生される。
VIDEOTAPEMUSIC(ミュージシャン・映像作家)

うちの実家が地方の零細鉄工場だったんで
「鉄くずあるある」
「社長はゴルフの打ちっぱなしへ消えがち」
「こういう人いるいる!」
「そしてある日、本当に消える」
などと笑えないけど笑いながら見ました。
素人が揉め事に反社つかうの、やめた方がいいらしいですよ。
公的な所に頼んだ方が結局は安く済むみたいです。
松田洋子(漫画家)

好きな形容詞に”薄ら笑い”がある。素朴な菓子に感じる単純かつ繊細な優しい甘さに出会った時に進んで使っている。
この映画は、優柔不断な薄ら甘優しさをもった主人公の日常が、薄い言葉の解釈とステレオタイプな偏見に埋もれ、心の声さえも伝えられず、聞こえることもなく、自己意志なく変化させられている経過を見せつける。意識されぬ暴力を描いた恐ろしい作品です。
古田泰子(TOGAデザイナー)

車、郊外、工場、隠蔽、裏切り、信義、反社、カルト。
映画を映画らしく駆動させる要素が、一見行きき当たりばったりのようでいて、完璧に配置されている。
すべてが間違っていて、すべてが正しい。
宇野維正(映画ジャーナリスト)

「夜」とは、先行するショット内に後続するショットを発生させる原因が一切含まれていないことを意味する。
夜は、しかし、その背後から迫る「昼」の脅威につねに曝されている。昼を振り切り、夜を継続せよ。
登場人物たちが夜を走ることで、夜が走る。そして、我らが李徴、足立智充に震撼せよ。
廣瀬純(哲学者・批評家)

作品タイトル:『夜を走る』
出演:足立智充 玉置玲央
菜 葉 菜 高橋努 / 玉井らん 坂巻有紗 山本ロザ
信太昌之 杉山ひこひこ あらい汎 潟山セイキ 松永拓野 澤 純子 磯村アメリ
川瀬陽太 宇野祥平 / 松重 豊
脚本・監督:佐向 大
製作:大杉弘美 プロデューサー:村田信男、片山武志 撮影:渡邉寿岳 照明:水瀬貴寛 音響:弥栄裕樹 助監督:玉澤恭平 編集:脇本一美
撮影協力:武蔵野金属 制作協力:SS工房
製作:TOEKICK★12、クイーンズカンパニー、Takanoプロモーション、プロジェクト ドーン、マーメイドフィルム、パロマイン
2021年 / 日本 / カラー / シネスコ / 5.1ch / 125分
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム

公式サイト:http://mermaidfilms.co.jp/yoruwohashiru/
公式Twitter:https://twitter.com/yoruwohashiru
コピーライト:(c)2021『夜を走る』製作委員会

5月よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国順次公開

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