
2024年のサンダンス映画祭で上映され話題となり、米映画批評サイトのロッテントマトでは98%(批評家)の評価を記録した本作は、オレオレ詐欺に立ち向かうおばあちゃんを描く物語。
主人公のテルマと同じく、90歳を超えても現役のリポーターとして活躍する東海林。登壇後、おなじみの「現場の東海林です!」という挨拶で会場を沸かせ、「映画のトークショーは初めて。緊張するから事件の取材の方がいいわ」とジョークを言い、会場の笑いを誘った。
映画の感想を聞かれると、「テルマに負けた!テルマは凄いんですよ。映画というよりも現実のテルマさんの暮らしを見ているようで。ワンシーンごとに目を凝らして観るところが沢山ありました。自分の生活と比べると、アメリカの補聴器ってかっこいいなーとか、シニアでもパソコン使えるんだーとか。そういったところに励まされましたし、人生ってこうやっていくと何年も生きていけるのかなって、限りなく生きていきたいと思いました。皆さんが見守ってくれれば、100歳はいけるかな」と熱く語った。

本作で主演を務めたジューン・スキッブは、撮影当時93歳。ほとんどのスタントを自らこなしている部分については、「ベッドのシーンがありましたけど、あそこから落ちると大変ですよ。家具を支えにして立ち上がるから。テルマさんはすっと立ち上がっていて凄かった」とコメント。
テルマが冒険に出るきっかけとなったオレオレ詐欺については、「日本でもオレオレ詐欺ってしょうちゅうかかってくる。給湯器見せてくださいとか、流し台換えた方がいいですよとか。でも人相を見て詐欺だなと分かります。これは取材経験ですね」と、実体験をレポーターとしての経験を踏まえながら明かしてくれた。
また、好きなシーンについては「テルマとお孫さんが会話しているシーンでの気遣いが優しいなと思いました。孫とただベンチに座って喋っているだけでグッときましたね」と振り返った。
そして、テルマがやっていたようなアクションを挑戦するなら?という質問には「スクーターに乗りたい。乗れる自信はないけど、杖をついて歩くより良さそう。でも銃撃戦は銃が重そうだし、ピストルは撃ったことないから緊張するし、あれはできないわね」と改めてテルマの凄さに言及した。
そんな東海林は、自身の元気の秘訣について「90歳になった途端、フリーになった。何でもやっていいんじゃないかなっていうことと、誰かに何を言われてもいいやって凄く気持ちが楽になった。そうしたら、若い恋人ができました。推し活です!」と最近話題の推し活について言及。「好きな人ができたら、アイラブユーと伝えるのよ。若いバンドマンに、ライン聞いて、アイラブユーって送ったら、アイラブユートゥーって返ってきたの。これで沢山の若いボーイフレンドができました。立ち止まってちゃ先に行かない。どうせ先が長くないのなら、言っておきたいことを全部言うのよ」と観客に語りかけた。
また、イベントの前日に91歳の誕生日を迎えた東海林に、サプライズで花束の贈呈が行われると「うわー!」と大喜び。ガッツポーズで「ありがとうございます!」と笑顔を見せた。
そして、抱負を聞かれると「テルマの映画を観てから、もうちょっと真剣に生きようとか、色んなことを考えるようになりました。日常生活を振り返って、筋力つけなきゃいけないなとか、色んなものを見に行かなきゃ、勉強しなきゃとか。ただ座ってNetflix見るだけじゃなくて、外へ出て行って、皆さんと話したい。皆様が楽しみにこの映画をご覧になって、それぞれの感想が集められると他の方が、映画見ようかなって思うわ」と語った。
最後は、これから映画を観る観客に向けて「すっごい力をもらえます!受け取って帰ってください」と力強く伝えた。

『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』は6月6日公開。
『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』
出演:ジューン・スキッブ、フレッド・ヘッキンジャー、リチャード・ラウンドトゥリー、パーカー・ポージー、クラーク・グレッグ、マルコム・マクダウェル
監督・脚本:ジョシュ・マーゴリン
2024年/アメリカ・スイス/英語/99分/シネスコ/5.1ch/カラー/原題:Thelma/日本語字幕:種市譲二
配給:パルコ ユニバーサル映画
(C) Courtesy of Universal Pictures
https://www.universalpictures.jp/micro/thelma
6月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー