【レポート】『ラジオ・コバニ』公開記念イベントでラジオDJの秀島史香さん・武村貴世子さんが「ラジオの力」について語る

ラジオ・コバニ

アップリンク渋谷、ポレポレ東中野にて大ヒット公開中の映画『ラジオ・コバニ』の公開を記念し、22日(火)アップリンク渋谷ではラジオDJの秀島史香さんと武村貴世子さんをゲストに迎え、トークイベントが開催された。

映画『ラジオ・コバニ』公開記念イベント 概要

日時:2018年5月22日(火)19:30の回上映後
会場:アップリンク渋谷(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階)
ゲスト:秀島史香さん(ラジオDJ、ナレーター)、武村貴世子さん(ラジオDJ、国連UNHCR協会広報委員)

22日(火)のアップリンク渋谷で行われた公開記念イベントでは、ディロバンと同じく大学在学時にラジオDJを始め、デビューの同期であり、かねてより親交の深いという秀島史香さんと武村貴世子さんが登壇。ラジオDJから見た本作の感想とともに、人々へ発信を続ける「ラジオの力」について語り合った。

感想を聞かれると秀島さんは「びっくりしたし、ショッキングだった。同じラジオDJとして、まず言葉を届けたいという思いから始まるラジオがあるということに衝撃を受けました」とコメント。震災時にニュース出しをしなければならない状況について触れた武村さんは、「リスナーから、“君の情報は僕たちの命につながっている”という声がよせられたのを思い出しました。そういった大変な状況の時に、どういう言葉で伝えようかと悩みます」と話すと、秀島さんは「そういう時、“言葉が見つからないとはこのことか”と、思い知らされます。ライフラインは大切で、人の命を救うものだから正確な情報が必要ではあるけど、一定期間を過ぎると情報だけではなくなってくるのを感じます。ラジオの本来のパワーってそれだけではないんですよね」とラジオの力について解説。
武村さんは「ラジオが、いつも通りの日常を放送してくれたことに救われたという声をよく聞きます。難民支援の活動に関わってきたなかでよく考えるのですが、人は生命を維持するライフラインだけではなく、そこに<希望>がないと生きられない。『ラジオ・コバニ』では紛争で傷ついた街にラジオという日常が戻ってきたことが希望だと思った」と解説。さらに映画でディロバンが発言する“幸せな一日にしましょう”というセリフについて「映画のメッセージとして忘れてはいけないし、とても大事で責任のある言葉。ラジオDJとしてこの言葉を伝えていきたいと思います」と語気を強めた。

最後に秀島さんは「いつも通りの日常がある。いつも通りの声がある。それはかけがえのないこと。ラジオは見えないからこそ強い。そして、まだまだ世の中は知らないことばかり。その中で知ることはとても大切。意識も変わるし、視点も変わる。スルーするのは簡単ですが、現実を知ることで、人生も幅広く変わっていくものだと思います。この映画をきっかけに、いろいろ知れましたし、ラジオの良さも再認識させられました」と締めくくった。

画像01秀島史香(ひでしま・ふみか)
ラジオDJ、ナレーター。茅ヶ崎市出身。1997年、慶應義塾大学在学中に「FUNKY JAMS 802」でDJデビュー。これまで、J-WAVE、NHKなどで番組を担当。現在、Fm yokohama「SHONAN by the Sea」他に出演。テレビ、映画、CMなどのナレーション、機内放送、美術館音声ガイドなど多岐にわたり活動中。著書「いい空気を一瞬でつくる誰とでも会話がはずむ42の法則」(朝日新聞出版)が好評発売中。
公式サイト http://fmbird.jp/dj/fumika_hideshima/

武村貴世子(たけむら・きよこ)

ラジオDJ、国連UNHCR協会広報委員。東京都新宿区出身。1997年、「FUNKY JAMS 802」でDJデビュー。これまで、Fm yokohama、FM-FUJIなどで番組を担当。現在、練馬放送インターネットラジオ「Voice of Heart」に出演。国連UNHCR協会広報委員として、難民支援を始め、社会貢献活動にも積極的に取り組む。2016年にヨルダンにある難民キャンプを訪問。ヨルダン市内で生活をする都市難民の家族とも交流し、シリアへの思いを深める。

 

ISとの戦闘で瓦礫と化したシリア北部の街・コバニで
手作りのラジオ局をはじめる大学生のディロバン。
ラジオから聞こえる彼女の「おはよう」が、今日も街に復興の息吹を届ける―。

トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街コバニは、2014年9月から過激派組織「イスラム国」(IS)の占領下となるも、クルド人民防衛隊(YPG)による激しい迎撃と連合軍の空爆支援により、2015年1月に解放された。人々はコバニに戻って来たが、数カ月にわたる戦闘で街の大半が瓦礫と化してしまった。そんな中、20歳の大学生ディロバンは、友人とラジオ局を立ち上げ、ラジオ番組「おはよう コバニ」の放送をはじめる。
生き残った人々や、戦士、詩人などの声を届ける彼女の番組は、街を再建して未来を築こうとする人々に希望と連帯感をもたらす。監督は、自身もクルド人のラベー・ドスキー。地雷や戦車を越えコバニに赴き戦地での撮影を敢行、クルド人兵士によるIS兵士の尋問にも立ち会った。本作を、戦死したクルド人兵士の姉に捧げている。

作品タイトル:『ラジオ・コバニ』
監督・脚本:ラベー・ドスキー
(2016年/オランダ/69分/クルド語/2.39:1/カラー/ステレオ/DCP)
字幕翻訳:額賀深雪
字幕監修:ワッカス・チョーラク
配給:アップリンク

公式サイト:http://www.uplink.co.jp/kobani/

アップリンク渋谷、ポレポレ東中野ほか絶賛公開中

記事提供:映画・ドラマニュース

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