『RHEINGOLD ラインゴールド』トーク付き特別試写会に稲葉友が登壇

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ファティ・アキン監督の最新作『RHEINGOLD ラインゴールド』(3月29日(金)公開)のトーク付き特別試写会が3月19日(火)に東京・シネアーツ試写室で開催され、俳優の稲葉友が登壇した。

学生時代にヒップホップにどっぷりハマっていたという稲葉。ひと足早く鑑賞した本作については「家族との絆の描かれ方が素晴らしく、紡がれた物語からXatarの圧倒的なバックボーンにのめり込み、その先で生まれた音楽に痺れました」とのコメントを寄せている。

そして「この作品はいろんな映画の要素が詰まっていた。音楽映画、伝記映画とくくってしまうものではなく、青春映画の要素もあれば、家族との関係が描かれる人間ドラマでもあるし、間違いなく音楽映画だし、ギャングスタが出てくる海外らしいカルチャーも反映されていて……こんな作りにできるんだ、と映画としての驚きがありました」と感想を語った。

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ドイツでは日本以上にヒップホップ人気が高く、本作の主人公・カターについてもドイツ人なら誰でも知っていると言われる。稲葉は主演映画『恋い焦れ歌え』でもラップを披露し、現在もヒップホップに日常的に親しんでいるが、本作で描かれるドイツのヒップホップについて「日本のヒップホップも昔に比べるとすごく盛り上がっていて、楽しい時代になってきたなと思うし、スターが着々と生まれているとは思うけれど、“生まれ育ってそこに辿り着く(ヒップホップに至る)文脈”が本作を観ていたら本当に強かった。日本のヒップホップはそういう相性がまだなかなか敵わないなと思いました」と考察。

「海外のヒップホップってどこまでも“俺の話”をする。でも、日本ってそこまで“俺の話”はしない。日本のいいところでもあるんですけど、どこか慎ましいんですよね。“俺の話はこう”と伝えまくっても良いのがヒップホップの良い所だと思うんです」と持論を展開した。

さらに、自身の音楽活動を発表しないのかと問われると、「リリックとかは書いていますけど……そんな出せないですよ!音楽は自由だけど…僕が外に出すのは自由じゃないというか(笑)」と笑いを交えながら答えた。

コメントでは、“家族の絆”について触れていた稲葉。今回のトークでも「家族の影響、下地があるっていう見せ方がうまい。ヒップホップの根底にピアノがあって、幼少期のピアノレッスンでお父さんは怒るけど、お母さんが習わせる。青年期になってケンカで勝つためにはジムに行く。音楽を学ぶためには音楽学校に行く。手順をちゃんと踏むんですよね。アウトサイダーなのに、母が惜しまなかったから成功する、という説得力があって、ただのワルの映画ではありませんでした」と語った。

稲葉自身の家族による影響を問われると、「家族の関係性って、ポジティブなことでも呪いみたいですよね。逃げられない。人に優しくしなきゃっていつも思っているけど、この場面で優しくしなくてもいいでしょ!?と思っても『優しくしなきゃいけない』て思っちゃったり……」と自信の経験談を踏まえて答えた。

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また、主人公カターを演じたドイツの若手スター、エミリオ・ザクラヤについて、稲葉は「キャスティング最高。凄く良いマッチの仕方をしていたと思います。遠い国の俳優はそう思いました(笑)。日本でもヒップホップ映画は最近作られていますよね。偉大なヒップホップアーティストも出てきてる。その役を演じたいとまでは思えないけど、貢献できたら、いつでもオーディションに行けるようにしています!こうしてイベントにお越しくださった方にも、準備しているっていうことを拡散してくださったら…!(笑)」と語っていた。

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ストーリー
イスラム革命により迫害された音楽家の両親にもとに生まれたジワ。最初の記憶は刑務所の中だ。数年後、父が有名な音楽家であることから保護され、ドイツのボンへ亡命する。9歳の時にジワはピアノを習い出す。10年後、父は愛人を作って家を出ていき、ジワは反発してピアノを弾かなくなる。その頃、歌がうまい友人・サミーと出会ってHIPHOPに興味を持つようになる。さらにストリートでのし上がるためにボクシングジムで鍛え、「Xatar(カター:クルド語で“危険”)」として有名になっていく。ラッパー・カナコンダやDJ・マエストロと出会い、音楽の楽しさを知っていくものの、クスリの密売容疑で捕まる。出所後、音楽マネジメントを学び始めるジワだが、稼ぎのために闇組織に入り、なんと金塊強盗を実行!ジワは8年の禁固刑が言い渡されたものの、見張りの目を盗んでレコーディングを行い、アルバムを完成させる。獄中から発売したアルバムはヒット、“ギャングスタ・ラッパー”として、さらに音楽プロデューサーとしても、その名を轟かせていく……。

『RHEINGOLD ラインゴールド』
出演:エミリオ・ザクラヤ、カルド・ラザーディ、モナ・ピルザダ、アルマン・カシャニ、フセイン・トップ、ソゴル・ファガーニ
監督・脚本:ファティ・アキン
撮影:ライナー・クラウスマン
編集:アンドリュー・バード
美術:ティム・パネン
音楽:ジワ・ハジャビ aka Xatar
オリジナル管弦楽曲:エグバル・ハジャビ
音楽監修:ピア・ホフマン
監修:マエストロ
セリフ監修:Xatar
140分/1.85:1/2K/Dolby Atmos/2022/ドイツ語、クルド語、トルコ語、オランダ語、英語、アラビア語/ドイツ・オランダ・モロッコ・メキシコ 日本語字幕:吉川美奈子
配給:ビターズ・エンド
(C)2022 bombero international GmbH & Co. KG / Palosanto Films Srl / Rai Cinema S.p.A / Lemming Film / corazón international GmbH & Co. KG / Warner Bros. Entertainment GmbH

公式サイト:www.bitters.co.jp/rheingold
公式X:@FatihAkin_movie

3月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿、
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショー!

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