【レポート】映画『再会の奈良』1/29(土)奈良県先行公開記念舞台挨拶にエグゼクティブプロデューサー河瀨直美が登壇!

映画『再会の奈良』(2月4日(金)より全国順次公開)の先行公開を記念して、舞台となった奈良県のシネマサンシャイン大和郡山にて、本作のエグゼクティブプロデューサーを務めた映画監督の河瀨直美氏が登壇し、本作の製作を手掛けた背景や想いを語った。

映画『再会の奈良』奈良県先行公開記念舞台挨拶 概要

●日時:1月29日(土)14:25~15:00 ※12:30の回上映後
●会場:シネマサンシャイン大和郡山 シネマ5
●ゲスト:河瀨直美(『再会の奈良』エグゼクティブプロデューサー・映画作家)
●MC:枡崎徹

河瀨直美氏(以下:河瀨)が登壇するや「このご時世の中、足をお運び頂きありがとうございます。最後のテレサ・テンさんの歌にも込められているように、別れながらも同じ道や未来を歩んでいくんだというポンフェイ監督のメッセージや想いを改めて感じました。」と会場の客席に向かって感謝を述べ、「なら国際映画祭で『再会の奈良』が観客賞を受賞したことでポンフェイ監督に就任が決まり、プロジェクトが始まりました。中国と日本の懸け橋になりたいという彼の想いがこの作品には込められていたと思います。30代のポンフェイ監督が奈良県御所市で、沢山の方々の支援によってこの作品を作れたことは、なら国際映画祭としても感無量です。奈良がこんなにも美しく、温かい人々がいる街なんだということが世界に発信されたのではないかと思っています。」と挨拶をすると、鑑賞後の会場からは大きな拍手が贈られた。

中国のジャ・ジャンク―監督とともにエグゼクティブプロデューサーとして本作に関わったことについて、河瀨は「古くから付き合いがありますが、ジャ・ジャンクー自身も中国国内で小さな映画祭を企画していて、若い監督にチャンスを与える活動をしています。若い監督が映画を作ることやお金を集めることは、とても困難なことです。わたし自身もなら国際映画祭で、将来の映画文化を担う若手育成の取り組みをしていたので、いつか一緒に誰かをプロデュースしたいねと話していました。そうした時にポンフェイ監督が本作で観客賞を受けたことがきっかけで、NARAtiveの監督に就任した時、すぐにジャ・ジャンクーに連絡をしました。本作は、ジャ・ジャンクーが中国で資金を集め、日本では私が資金集めをしました。彼はライバルでもあり、親しい友人でもあります。」と語った。

印象的なエピソードを聞かれた際に、河瀨が、ポンフェイ監督が本作でサプライズ出演していることを明かすと、上映後の会場からは驚きの声があがった。「あのシーンって実は、中国人同士がやりとりしているシーンなんです!言葉を必要としないでユーモアのある撮影ができる。それがポンフェイなんです!だから、ある時期から一切撮影には口出しをしないようにしました。私は、國村隼さんのキャスティングをしたり、永瀬くんにも友情出演してもらったりとプロデュース業に専念させて頂きました。」と述べた。

この日、撮影場所にもなった御所市から沢山のお客様が来場されている中、河瀨は「日中国交正常化50周年という節目で残留孤児について描くことはとても繊細な事で、ポンフェイ監督と、奈良に住んでいる残留孤児の方々にたくさん取材しました。少し難しいと感じてしまうテーマですが、歴史的背景をポップなアニメで表現するなど、優れた素晴らしい表現をしてくれました。」と述べた。

NARAtiveの次回作について聞かれた河瀨は、「次回は川上村です!」と発表すると客席からは大きな拍手が上がった。「初めて学生部門から20代の監督が決まりました。林業が盛んな山村地域ですが、日本の林業が衰退していく中で、未来へ繋げたい、続けていきたいという切実な想いが込められています。」と意気込みを語る。

さらにこの日、ポンフェイ監督からビデオメッセージもあり、メッセージを受けた河瀨は「コロナ禍の時代に生きたみんなと共に、次の人たちに大事なことを渡していきたい。日中国交正常化50年の節目にこの作品を皆様に届けられることは、意味のあることだなと思います。」と熱く語り舞台挨拶を締めくくった。

ストーリー
2005年、中国から陳ばあちゃんが、孫娘のような存在のシャオザーを頼って一人奈良にやって来る。中国残留孤児の養女・麗華を1994年に日本に帰したが、数年前から連絡が途絶え心配して探しに来たというのだ。麗華探しを始めた2人の前に、ほんの偶然の出会いでしかなかったはずの一雄が、元警察官だったという理由で麗華探しを手伝うと申し出る。奈良・御所を舞台に、言葉の壁を越えて不思議な縁で結ばれた3人のおかしくも心温まる旅が始まる。異国の地での新たな出会いを通して、果たして陳ばあちゃんは愛する娘との再会を果たせるのか――。

作品タイトル:『再会の奈良』
出演:國村隼、ウー・イエンシュー、イン・ズー、秋山真太郎、永瀬正敏
脚本・監督:ポンフェイ
エグゼクティブプロデューサー:河瀨直美、ジャ・ジャンクー
撮影:リャオ・ペンロン 音楽:鈴木慶一 編集:チェン・ボーウェン
照明:斎藤徹 録音:森英司 美術:塩川節子
共同製作:21インコーポレーション
中国、日本 / 2020 / 99分 / カラー / 日本語・中国語 / DCP / 1:1.85/ Dolby 5.1 英題:Tracing Her Shadow 中題:又見奈良
後援:奈良県御所市
配給:ミモザフィルムズ

公式サイト:https://saikainonara.com/
公式Twitter:https://twitter.com/saikainonara
公式Facebook:https://www.facebook.com/saikainonara
コピーライト:(c) 2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)

【奈良県先行】 シネマサンシャイン大和郡山、ユナイテッド・シネマ橿原にて上映中!
2022年2月4日(金)よりシネ・リーブル梅田、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

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河瀨直美×ジャ・ジャンクーがプロデュース、國村隼主演で中国残留孤児の家族の絆描く日中合作映画『再会の奈良』2月公開

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