【レポート】『ライトハウス』ロバート・エガース監督がオンライン登壇「自分の経験を元に、悪い方向に想像力を働かせた」

ライトハウス

『ムーンライト』『ミッドサマー』のA24が製作、2020年のアカデミー賞撮影賞ノミネートほか世界中の映画賞を席巻した『ライトハウス』(7月9日(⾦)公開)の“七夕プレミア上映会”が実施され、ロバート・エガース監督がオンラインで登壇した。

謎めいた孤島にやって来た“2人の灯台守”たちが外界から遮断され、徐々に狂気と幻想に侵されていく――人間の極限状態を恐ろしくも美しい映像で描いた本作。
監督を務めるのは、長編デビュー作『ウィッチ』がサンダンス映画祭で圧倒的高評価を受け、一躍スター監督へと躍進したハリウッド屈指の才能、ロバート・エガース。そして、少しずつ狂気の世界に足を踏み入れていく2人の灯台守を演じるのは最新シリーズの『バットマン』の主演に決定し、2020年に公開し大ヒットしたクリストファー・ノーラン監督『TENET テネット』で人気が爆発したロバート・パティンソンと、言わずとしれた世界の名優ウィレム・デフォーがW主演を務めている。

『ライトハウス』七夕プレミア上映会

■日時:7/7(水)20:25-20:50(18:30回上映後)
■会場:渋谷ホワイトシネクイント
■オンライン登壇者:ロバート・エガース監督

ロバート・エガース監督のオンライン登壇は、満席となった108名の観客の熱気とともにスタート。「今日は劇場にお越し頂いてありがとうございます。満席ということで非常に嬉しく思っています。みなさんご覧いただいてどうでしたでしょうか?待ったかいがあったと思って頂けると嬉しいのですが…」と少し緊張気味の監督の挨拶のあと、事前にSNSで一般の方達から募集された質問に監督がその場でひとつづつ答えていく、という形式で始まった。

「監督から見たウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの魅力はどんなところなのか?また何か印象的に残っている撮影秘話があったら教えてください」という質問に対しては、「彼らは恐れを知らず、どんな状況でも完全にコミットしてくれた」と感謝し、デフォーが演じた“熟練の灯台守”、そしてパティンソンが演じた“元木こりの新米灯台守”というある種な独特な言葉遣いや雰囲気が必要な人物像に対して「2人はまるで競争のように身につけ、最初はなかなか習得できなかったパティンソンも最終的にはパーフェクトにマスター」クルーから絶賛されたことを明かした。

ほか「作中では極限状態になった2人が追い詰められていく様が巧みに描かれていますが、その独特のセリフや構造などはどのように思いつかれたのでしょうか?」という問いには過去自身がNYのインディーシーンで作品を撮っていたときの過酷な労働環境「仲が良くないクルーと同じ部屋を何週間、あるいは何ヶ月もシェアしなければならない、という経験」を元に、さらにそこから「悪い方向に想像力を働かせていった」と監督ならではの手法を語った。

そして「ここを撮影できてよかったというシーンはありますか?」という質問に対しては「パティンソンが人魚を見つけるシーンがあるんですが、その撮影はすごくストレスが多かったんですよね」と振り返り、「本作の撮影地のノバスコシアの潮流がとても早いんです。だから、人魚役の女優をストレッチャーに載せて移動させるのですが、人魚のコスチュームっていうのが非常に重くて。そして、女優自身で歩けないので、ストレッチャーで移動させるのですけど、彼女を撮影場所に配置して、その後カメラをセットアップしてそれで何テイクも撮っているわけなんです。でも潮が早いのでどんどんどんどん波が近づいてきてしまう。だから慌ててまた彼女を動かして。。っていう、非常にストレスが多かったシーンなのですがどうにか撮れました」と実際の悪天候と風土をあえて利用した撮影だった事による過酷な撮影の裏話を明かした。

最後「現在世界の状況によりご自宅にいることが増えたと思うのですが、どのように過ごされていましたか?」という質問に対しては「私には趣味がないので仕事をしているのですが(笑)、映画に能動的に関わっていない時は読書をしたり映画を見たり音楽を聞いたり、また映画につながることをしています」と答えた後、2歳になる自身の息子のおもちゃをこっそり「息子が寝た後に組み立ててみて遊んだりしてたこともある」とユニークな一面も覗かせた。

ライトハウス

イントロダクション
1801年にイギリス・ウェールズで実際に起きた事件がベースになっている本作。より人間の感情を際立たせることのできるモノクロームの映像や、サイレント映画からトーキーへの移行期に隆盛した正方形に近い画面サイズにこだわったことで“シネマティックな映像美”も実現。そのこだわりと美しさによってアカデミー賞撮影賞にノミネートされるなど世界的評価も獲得、緊迫感を増大させるこだわり抜いた音響も評判を呼び、カンヌ国際映画祭監督週間でのプレミア上映では大喝采で迎え入れられた。

ストーリー
1890年代、ニューイングランドの孤島に二人の灯台守がやって来る。彼らにはこれから四週間に渡って、灯台と島の管理を行う仕事が任されていた。だが、年かさのベテラン、トーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と未経験の若者イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)は、そりが合わずに初日から衝突を繰り返す。険悪な雰囲気の中、やってきた嵐のせいで二人は島に閉じ込められてしまう……。

作品タイトル:『ライトハウス』
出演:ウィレム・デフォー『永遠の門 ゴッホの見た未来』、ロバート・パティンソン『TENETテネット』
監督:ロバート・エガース『ウィッチ』
脚本:ロバート・エガース/マックス・エガース
撮影:ジュリアン・ブラシュケ『ウィッチ』
製作:A24
2019年/アメリカ/英語/1:1.19/モノクロ/109分/5.1ch/日本語字幕:松浦美奈
原題:The Lighthouse
提供:トランスフォーマー、Filmarks
配給・宣伝:トランスフォーマー

公式サイト:transformer.co.jp/m/thelighthouse/
公式Twitter:@TheLighthouseJP
コピーライト:(C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

7/9(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー!

 

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