
上田唯士、10才、小学4年生。両親と三人家族、おなかが空いたらごはんを食べる、いたってふつうの男の子。最近、同じクラスの三宅心愛が気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を挙げる彼女に近づこうと頑張るが、心愛はクラスの問題児、橋本陽斗に惹かれている様子。そんな三人が始めた“環境活動“は、思わぬ方向に転がり出して――。
『そこのみにて光輝く』(14)『きみはいい子』(15)の呉美保と高田亮のコンビが三たび手を組んだ本作は、シリアスなサスペンスからラブコメディまで幅広く手がける高田が、「ずっと前から書きたいと思っていた」という子ども同士の人間ドラマ。自身のまわりで目にする生身の子どもたちの姿に魅了され、小学校への取材を重ね、オリジナルのストーリーを書き上げた。
一方、呉監督も「ありのままの子どもを思いっきり描きたい」という思いを長年温めていた。昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で9年ぶりとなる長編映画を発表し、国内外で高く評価された呉監督だが、出産・育児を経てブランクを経験したことも事実。仕事や子育てに追われる中で、「子どもも大人も、共に楽しめる映画」を作ることへの情熱を強くしていた。
自らも親となった監督と脚本家の二人が、今の日本に生きる子どもたちと、彼らと同じ時間に向き合う大人たちにフォーカスした本作は、「ありそうでなかった子ども映画」となって誕生した。
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主人公の唯士を演じるのは、映画『LOVE LIFE』(22/深田晃司監督)や『アンダーカレント』(23/今泉力哉監督)、ドラマ「それでも俺は、妻としたい」(25/足立紳監督)などに出演する嶋田鉄太。呉監督の作品には『ぼくが生きてる、ふたつの世界』に続く出演となり、平凡な小学生の日常に訪れた刺激的な冒険の日々をまっすぐに演じきった。
唯士が恋心のようなものを抱く、大人びた同級生の心愛に抜擢された瑠璃は、本作で初めての本格的な芝居ながらも、物語を牽引する強い存在感を披露している。二人と一緒に“環境活動”を始める陽斗は、土曜ドラマ「3000万」(NHK)や日曜劇場「VIVANT」(TBS)に出演し、映画の公開待機作も多く控える味元耀大が演じた。
メインの3人に加え、彼らのクラスメイト役は全てオーディションで選ばれ、ワークショップを通して共通の時を過ごしながら、呉監督と共にそれぞれのキャラクターを創り上げていった。
さらに、唯士の母親・恵子を演じるのは、蒼井優。唯士の担任教師・浅井役には風間俊介。また心愛の母親・冬役を瀧内公美が演じている。



9月5日(金)テアトル梅田ほか 全国公開