映画『遠い山なみの光』のティザーポスターが解禁された。また、本作の原作者カズオ・イシグロ、石川慶監督、そして主演の広瀬すず、共演の吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和が、本日より開幕する第78回カンヌ国際映画祭に参加することが発表された。

今回、同映画祭「ある視点」部門に正式出品された本作は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロ氏の記念すべき長編デビュー作を、日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめとする多くの受賞歴を持つ石川慶監督が映像化。1950年代の長崎と1980年代のイギリスという二つの時代、そして三人の女性の記憶の中に隠された〈嘘〉と真実を描くヒューマンミステリーだ。
日本人の母とイギリス人の父を持ち、ロンドンで暮らすニキ。大学を中退し作家を目指す彼女は、自著執筆のため、異父姉の死以来足が遠のいていた、母が一人で暮らす郊外の実家を訪れる。母の悦子は、長崎で原爆を経験し、戦後イギリスに渡ってきていたが、ニキは母の過去を何一つ聞いたことがない。夫と長女を亡くし、想い出の詰まった家で一人暮らしていた悦子は、ニキと数日間を共にする中で、最近よく見るという、ある「夢」について語り始める。それはまだ悦子が長崎で暮らしていた頃に知り合った、とある女性と、その幼い娘の夢だった―。
広瀬すずが主人公・悦子を演じるのをはじめ、悦子が長崎にいた頃に出会う、謎めいた女性であり幼い娘と暮らす佐知子には二階堂ふみ、そして長崎を離れ、イギリスで暮らす1980年代の悦子には吉田羊。





さらに、悦子の夫で、傷痍軍人の二郎役を松下洸平、二郎の父であり、かつて悦子が勤務していた学校の校長でもある緒方役には三浦友和。そのほか、日本パートには柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜(子役)が出演。イギリスパートで悦子の娘ニキ役を演じるのは、オーディションで選ばれたカミラ・アイコ。



あわせて解禁されたティザーポスターの中央には、広瀬演じる悦子が、清廉な美しさをたたえこちらを見つめる姿が。その上に二階堂演じる佐知子が憂いを含んだ笑顔、そして、一番下には長崎を離れイギリスで暮らす、吉田演じる悦子が花を愛でている姿が捉えられている。“「私」がついた嘘”というコピーが添えられたポスターは、そこに秘められた〈嘘〉と真実が静かに示唆され、物語のミステリアスさを感じさせる。
本作は日本・イギリス・ポーランド合作の3か国共同製作となっており、ポストプロダクションをポーランドで行うなど、ポーランド国立映画大学で映画を学んだ石川監督にとっては、まさに原点回帰ともなる特別な作品と言えそうだ。
『遠い山なみの光』は9月5日より公開。
『遠い山なみの光』
出演:広瀬すず 二階堂ふみ 吉田羊 カミラ・アイコ 柴田理恵 渡辺大知 鈴木碧桜 松下洸平 三浦友和
原作:「遠い山なみの光」カズオ・イシグロ/小野寺健訳(ハヤカワ文庫)
監督・脚本・編集:石川慶『ある男』
製作幹事:U-NEXT
制作プロダクション:分福/ザフール
共同制作:Number 9 Films、Lava Films
助成:JLOX+ ⽂化庁 PFI
配給:ギャガ
(C)2025 A Pale View of HIlls Film Partners
公式サイト:https://gaga.ne.jp/yamanami/
公式X:@apaleview2025
9月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
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