『キャンドルスティック』の米倉強太監督と、藤井道人監督とのスペシャル対談が実現

『キャンドルスティック』の米倉強太監督と、彼が「影響を受けた監督」と語る藤井道人とのスペシャル対談が公開された。

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(左から)米倉強太監督、藤井道人監督

本作は、元「MEN’S NON-NO」専属モデルであり、GUCCIやユニクロなどの広告映像を手がけてきた映像作家・米倉の長編映画デビュー作。舞台は令和初日、2019年5月7日。日本の金融システムが最も脆弱となるその日、世界を股にかけたろくでなしたちが大金を巡り仕掛ける前代未聞のマネーゲームが幕を開ける。元・天才ホワイトハッカーの野原(阿部寛)が考案した“AIを騙す”計画に、FXトレーダーの杏子(菜々緒)ら10人の男女が世界を股にかけ、大金を手に入れるため、前代未聞のミッションに挑むマネーサスペンス。

米倉が影響を受けたのが、『新聞記者』『余命10年』『青春18×2 君へと続く道』などを手がけ、「第48回日本アカデミー賞」で最優秀監督賞を受賞した藤井。ともに30代の2人は、デビュー時の経験や映画製作における哲学を語り合った。

米倉が長編映画に挑むきっかけとなったのは、パリでの展示で出会ったプロデューサー・小椋悟のひと声だった。初期段階では、中国の「元」が日本の「円」を飲み込むという、よりスケールの大きな構想だったという。撮影は難航を極め、阿部寛が出演を決めたのはクランクインの約4カ月前。台湾やイランのキャストが未確定のまま、相手役のいないシーンでは、阿部はストイックに演じ切り「現場の緊張感を支えてくれた」(米倉)。

そんな状況で始まった作品の監督に抜擢された米倉に対して、藤井は「もし自分がこの企画でデビューしていたら、きっと無理だった。それくらい大変そうな企画ですよね」と驚きつつ、自信のデビュー作『オー!ファーザー』での経験を回顧。「当初は右も左もわからず苦しんで、その後は一度自主映画に戻った」と語り、米倉の苦労に思いを馳せた。

『新聞記者』などを通じて“社会派”のイメージも強い藤井だが、自身は「インディーズという概念はもはや精神的なもの」と語る。全スタッフが責任感を持って作品に向き合うことが「真のインディーズ」だという。藤井は「メジャー作品でも連帯感を持てる現場づくりが必要」とし「自主映画のような熱量が、大作現場にも求められる時代になっている」と語った。米倉は『キャンドルスティック』では自主映画から共に歩んできたスタッフと制作することができたと言い「全員が“自分事”として作品に取り組めた」と振り返るとともに自信をのぞかせた。

藤井は「メジャーとインディーズの境界は曖昧になっているが、現実問題としてインディーズでは食べていけない」と警鐘を鳴らす。「精神性ではインディーズでも、経済的にはメジャーの枠組みでやる必要がある」と語り、生活とクオリティの両立を強く意識しているという。デビュー作後に一時インディーズに戻った経験も踏まえ、「プロデュース力や宣伝との連携も、監督の重要な仕事」とも述べた。

米倉は「藤井監督の作品は“伝える力”に優れている」とし、『新聞記者』のモンタージュに感銘を受けたという。藤井はその力の源について「自主映画時代に鍛えられた」「伝わるかどうかは常に自分が一番厳しく見る」と語った。藤井のこだわりに感銘を受けたという米倉は、藤井の現場をいつか見学したいと希望。藤井も「『キャンドルスティック』が米倉監督の映画人生の始まりになる。賛否は必ずあるが、変化に負けず続けてほしい」と熱いエールを送った。

映画『キャンドルスティック』は7月4日公開。

『キャンドルスティック』
出演:阿部寛、菜々緒、アリッサ・チア、サヘル・ローズ、津田健次郎、リン・ボーホン、YOUNG DAIS、マフティ・ホセイン・シルディ、デイヴィッド・リッジス、タン・ヨンシュイ
原作:川村徹彦「損切り:FXシミュレーション・サクセスストーリー」
監督:米倉強太
脚本・チーフプロデューサー:小椋悟
エンディングテーマ曲:「I need you」 DUAL
製作:ジャズフィルム、ジャズインベストメント
協力:晶澈科技股份有限公司/台北101/美陸達股份有限公司
2025/日本
配給:ティ・ジョイ
(C)2025CANDLESTICK PARTNERS
candlestick.jp

7月4日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー

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