映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』の初日舞台挨拶が6月27日、ユナイテッド・シネマ豊洲にて実施され、綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也、三池崇史監督が登壇した。

本作は、第6回新潮ドキュメント賞を受賞した、福田ますみのルポルタージュを映画化。
20年前、日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件。報道をきっかけに、担当教諭は「史上最悪の殺人教師」と呼ばれ、停職処分になる。児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展。しかし、法廷は薮下の完全否認から幕を開けるのであった。
この日、スクリーン後方の扉からサプライズで登場した綾野、柴咲、亀梨。3人は大きな歓声に包まれながらステージに向かい、到着したステージで三池監督と合流。4人がラインナップすると、改めて大きな拍手が沸き起こった。
まず、主人公の小学校教諭・薮下誠一を演じた綾野が「今日を迎えることができて、とても嬉しいです。これだけの多くの方にこの作品を選んでいただけて、心から感謝申し上げます」と、本作への思いと公開初日を迎えた喜びを語ると、客席からは温かい拍手が。

続いて、息子への体罰を主張する保護者・氷室律子役の柴咲は「昨年の撮影時から一年を経て、ようやく公開できることをとても嬉しく思っています」と作品に込めた想いを含め挨拶。

週刊誌記者・鳴海三千彦役の亀梨は「これから観ていただくにあたって、より作品に入り込んでいただけるような時間を過ごせればと思います。今日は楽しんで帰ってください」と、場内の空気を和ませた。
そして三池監督が「今日は本当にありがとうございます。作品も含めて、最後まで楽しんでいってください」と挨拶し、完成した作品をいよいよ届けられる喜びを率直に語った。

そしてこの日、会場では各界の著名人から本作へ寄せられたコメントが紹介された。綾野の渾身の演技、三池監督の挑戦的な演出に対し、映画監督の藤井道人は「綾野剛という俳優の全てが、この映画を形作る。トップシーンのバックショットから、ラストシーンの瞳まで、薮下誠一という男のたゆたう感情を全身全霊で演じ切っている。剛さん、すごいよ!三池監督もすごい!!2025年、絶対に観て欲しい映画に出会えました」と熱のこもった言葉を寄せ、これを受けた綾野は「照れますね(笑)たくさんの方に届く作品を作っている藤井さんに評価いただけて、ただただ嬉しいです」と感謝と共に胸の内を明かしていた。
また、映画監督の白石和彌や、作家の染井為人といった著名人たちからのコメントも次々に紹介され、柴咲は「嬉しいですね。出演オファーお待ちしております!(笑)」、亀梨は「(本作は)近くに存在しているテーマだなと僕自身も感じていました。素敵なコメントをありがとうございます」と語った。そして、縁の深い俳優・窪田正孝からのコメントに対して、三池監督は「彼の目から見ても楽しんでもらえて嬉しいです」と感慨深げに語った。
ここで、MCからキャスト陣に、「“でっちあげ、気になっているけど怖そうで観に行くのを迷っている”という声もあるが、それでも観てほしいポイントは?」という問いが投げかけられると、綾野は「映画も出逢いの一つだと思っています。いろんな一秒を体感できるというのが醍醐味。新たな再発見ができる作品になっているので、まだ見ぬ一秒に出逢いにきていただけると幸いです」、柴咲は「私は物事をはっきり言うタイプですが、律子を演じて、自分にも日和っている部分があると気づきました。自分たちが何を根拠に情報を判断しているのか考える、いいきっかけになる作品だと思います」、亀梨は「まずは出逢っていただきたいです。人の強さや弱さが描かれていて、人間関係などの景色がクリアに見えてくる作品です。僕たちの本気度を受け取っていただきたいです」と、それぞれが作品への熱意を込めて回答。

また、事前のインタビューで「すべての登場人物のなかに少なくともひとつは『あぁ、わかるな』と腑に落ちる点がある」とコメントしていた三池監督に対して、あらためてMCから「薮下・律子・鳴海、それぞれのどこに共感できたか?」という具体的な質問が及ぶと、三池監督は「登場人物は、それぞれ自分の人生を自分なりに一生懸命に生きているんです。優柔不断な面を持っている善良な薮下には、特に共感できます」と、キャラクターの人物像に込めたリアリティと、自身が共鳴したポイントについて語った。
さらに、綾野が「劇中で描かれているのは、それぞれの一面でしかありません。その人をどう生きるか、それぞれの一面をちゃんと振り切るというのを大切にして演じました」、亀梨が「出てくるキャラクターがみんな人間らしくて、その立場、その職業の正義の掲げ方があると感じました。ちょっとしたかけ違いで、こういう事態になる…というゾクっとする感覚がありました」と述べ、柴咲が「私(律子)の目の奥を見てください!」といたずらにほほ笑むと、登壇者全員で「この大スクリーンで、律子の凍るような目を見たい!」と盛り上がる一幕も。

イベントの最後には、これから映画を観る観客に向け、亀梨が「観る前の自分には戻れないです!生きるということに対して気づきがもらえる映画なので、たくさんの方に共有していただき、輪が広がってくれたら嬉しいです」、柴咲が「黒だと思っていたのが白だということもある。この作品から、想像力を培う大切さを学びました。観てくださるみなさんにも、そこを捉えていただけたら嬉しいです」と呼びかけた。
そして綾野が、「本作は、ジェットコースターのようなスピード感にワクワクするエンタメ作品です。劇中で起こっていることに、ただ楽しんでいただけたら嬉しいです。楽しめば楽しむほど、答え合わせができる。持ち帰っていただいた時に、初めて育っていく。総合芸術を、最後まで楽しんでください」とメッセージを送った。
続いて、全国のライブビューイング会場に向け、全員でカメラに向かってサインを書きフォトセッションへ。最後はMCの掛け声に合わせ、キャスト・監督・観客が一体となって、「映画でっちあげ!」「本日公開!」のコールと同時にキャノン砲が発射され、舞台挨拶は幕を閉じた。




ストーリー
2003年
小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は、保護者・氷室律子(柴咲コウ)に児童・氷室拓翔への体罰で告発された。体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。
これを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)が“実名報道”に踏み切る。過激な言葉で飾られた記事は、瞬く間に世の中を震撼させ、薮下はマスコミの標的となった。誹謗中傷、裏切り、停職、壊れていく日常。次から次へと底なしの絶望が薮下をすり潰していく。
一方、律子を擁護する声は多く、“550人もの大弁護団”が結成され、前代未聞の民事訴訟へと発展。誰もが律子側の勝利を切望し、確信していたのだが、法廷で薮下の口から語られたのは―「すべて事実無根の“でっちあげ”」だという完全否認だった。
これは真実に基づく、真実を疑う物語。
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
出演:綾野剛 柴咲コウ 亀梨和也 大倉孝二 迫田孝也 木村文乃 光石研 北村一輝 小林薫
監督:三池崇史
原作:福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)
脚本:森ハヤシ
音楽:遠藤浩二
主題歌:キタニタツヤ「なくしもの」(Sony Music Labels Inc.)
制作プロダクション:東映東京撮影所 OLM
制作協力:楽映舎
配給:東映
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会
detchiagemovie.jp
絶賛上映中
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