映画『キムズビデオ』の公開日が8月8日に決定。予告編とポスタービジュアル、場面写真が解禁された。

本作は、アメリカ・ニューヨークに実在したシネフィルの聖地、レンタルビデオショップ「キムズビデオ」の5万5000本にも上るビデオ・コレクションの行方を巡るドキュメンタリー映画。
サンダンス映画祭でワールドプレミアされた後、トライベッカ映画祭など計61の映画祭で上映され、シッチェス映画祭・ドキュメンタリー部門の最優秀作品賞をはじめ、計7つの賞を受賞するなど、世界中の映画祭を席巻。
今回公開された予告編は、「キムズビデオ」をめぐる、数々の逸話と熱狂から始まる。世界最高のレアビデオ・コレクションを求め、会員数は25万人に膨れ上がった。その中には若き日のコーエン兄弟の姿もあり、600ドルの延滞金を滞納したという逸話も本編に登場する。トッド・フィリップス(『ジョーカー』『ハングオーバー』)、アレックス・ロス・ペリー(『ハースメル』)、ショーン・プライス・ウィリアムズ(『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』)ら、今や名を馳せる監督たちが店員として働き、パブロ・ベルヘル監督も連日通い詰め、自作『ロボット・ドリームズ』で主人公たちが「キムズビデオ」でレンタルした『オズの魔法使い』を鑑賞するシーンも盛り込まれている。

ビデオ・コレクションの入手ルートも、世界各地の映画祭や各国大使館経由など、大手レンタルビデオショップには真似のできない独自のものだったため、秘宝が埋もれている秘密基地のようだった。このビデオ・コレクションの中には、市場に出回っていない違法コピーの海賊版やレア物も多数含まれ、それがまた会員たちを興奮させていた。ジャン=リュック・ゴダールの作品群をめぐっては、ゴダール本人からレンタル差し止め通告が届き、ついにはFBIに押収されるなど、語り継がれる伝説が多数。
また、「キムズビデオ」の創業者である韓国系移民のキム・ヨンマンは、正体不明の伝説の男。クエンティン・タランティーノ監督との交友関係も噂されたが、真相は謎だ。
しかし、ビデオレンタル時代の終焉とともに、2008年に惜しまれつつ閉店。「キムズビデオ」の会員だったデイヴィッド・レッドモン(=本作の監督)が、そのコレクションがその後どうなったのか捜索すると、ニューヨークから遥か遠いイタリア・シチリア島のサレーミ市に移設されていることが判明。レッドモンがシチリア島に出向くと、ビデオテープにとってはあまりにも劣悪なホコリだらけの湿った所蔵庫で放置されていることが発覚。そこでレッドモンは唯一無二なレアビデオ・コレクションを救い出すことを決意。サレーミ市長やその取り巻きたち、現地の警察、その陰で暗躍するマフィアらの追跡を敢行。さらに、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の巨匠たちの“精霊”を召喚し、架空の映画撮影を装いながら前代未聞の奪還作戦を決行する。
完成したポスタービジュアルは、象徴的な「VHSテープ」を大胆にフィーチャー。カートリッジから飛び出す磁気テープ、そして正面と背面ラベルには創業者キム・ヨンマンの肖像がレイアウトされ、“[映画]を取り返せ!”という魂の叫びを体現する仕上がりだ。
また、前売券の発売も決定。VHSテープと同サイズの大きさで、財布にも入らなければ、ポケットにも入らない、前代未聞の特製前売券が、7月11日より劇場窓口にて限定1,000枚で販売される。さらに、公開初日8月8日に、「本編字幕版VHS」の発売も決定した。完全限定生産450本、紙ジャケット仕様となっている。販売劇場は、以下のとおり。
「本編字幕版VHS」販売劇場
ヒューマントラストシネマ有楽町/渋谷ホワイトシネクイント/テアトル梅田/UPLINK京都/ミッドランドスクエア シネマ/元町映画館/サツゲキ


また、場面写真も一挙解禁。「キムズビデオ」の店内やシチリアの廃れた所蔵庫、映画の精霊たちが現れる奪還シーンなど、本作の魅力を象徴する印象的なカットだ。












本編に登場する映画たち ※順不同
『ゴッドファーザー』 フランシス・フォード・コッポラ
『カンバセーション…盗聴…』 フランシス・フォード・コッポラ
『キング・オブ・コメディ』 マーティン・スコセッシ
『グッドフェローズ』 マーティン・スコセッシ
『ゴダールの映画史』 ジャン=リュック・ゴダール
『ブルーベルベット』 デイヴィッド・リンチ
『鏡』 アンドレイ・タルコフスキー
『市民ケーン』 オーソン・ウェルズ
『甘い生活』 フェデリコ・フェリーニ
『友だちのうちはどこ?』 アッバス・キアロスタミ
『欲望』 ミケランジェロ・アントニオーニ
『救命士』 マーティン・スコセッシ
『犬ヶ島』 ウェス・アンダーソン
『アルゴ』 ベン・アフレック
『ロシュフォールの恋人たち』 ジャック・ドゥミ
『ミッドナイトクロス』 ブライアン・デ・パルマ
『ポルターガイスト』 トビー・フーパー
『パーマネント・バケーション』 ジム・ジャームッシュ
『ツイン・ピークス』 デイヴィッド・リンチ
『スラッカー』 リチャード・リンクレイター
『自転車泥棒』 ヴィットリオ・デ・シーカ
『ザ・キープ』 マイケル・マン
『パリ、テキサス』 ヴィム・ヴェンダース
『ビデオドローム』 デヴィッド・クローネンバーグ
『アンソニーのハッピー・モーテル』 ウェス・アンダーソン
ほか全56作品
『キムズビデオ』
出演:キム・ヨンマン(主人公)
ショーン・プライス・ウィリアムズ(キムズビデオ元従業員)
アレックス・ロス・ペリー(キムズビデオ元従業員)
ディエゴ・ムラーカ(この地区の自治体の警察署長)
エンリコ・ティロッタ(キムズビデオの管理人/ミュージシャン)
ヴィットリオ・ズカルビ(かつてのサレーミ市長 2008~2012年)
ジュゼッペ・ジャンマリナーロ(マフィアとの繋がりが疑われる謎の人物)
レオパルド・ファルコ(マフィア撲滅委員会 会長)
ドミニコ・ヴェヌーティ(サレーミ市長)
原題:Kim’s Video
監督、編集:アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン
撮影:デイヴィッド・レッドモン
録音:デイヴィッド・レッドモン、マチュー・デボルド
共同編集:マーク・ベッカー
音響:アグネス・ライカート、マルセイユ・ミックス・ア・ロット
製作:アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン、デボラ&デイル・スミス、レベッカ・タバスキー、フランチェスコ・ガラヴォッティ
アメリカ/2023年/英語、イタリア語、韓国語/87分/カラー/5.1ch/16:9
提供:ミュート、ラビットハウス
共同配給:ラビットハウス、ミュート
(C)Carnivalesque Films 2023
https://kims-video.com/
8月8日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開