飽和潜水士の実話を映画化した『ラスト・ブレス』(9月26日公開)より、メイキング映像とメイキングスチール、各界著名人からの推薦コメントが公開された。

本作は、究極の悪夢というべきシチュエーションにひとり取り残されたダイバーの運命と、彼を救うべく極限の救出劇に挑む人々を描くサバイバル・スリラー。ウディ・ハレルソン、シム・リウ、フィン・コールが出演し、深海で過酷な作業に挑む飽和潜水士を演じている。監督はこれまでBBCやナショナル ジオグラフィックで活躍してきたドキュメンタリー作家のアレックス・パーキンソン。2012年に起こった潜水事故の信じがたい実話を、『ゼロ・グラビティ』を彷彿とさせる没入感とスケールで描き出した。
メイキング映像は、水中撮影のプロフェッショナルでもあるアレックス・パーキンソン監督が、撮影の舞台裏を60秒で語る内容となっている。まず最初に明かされたのは、水中撮影の舞台裏。本作の水中シーンはマルタ島にある「マルタ・フィルム・スタジオ」で撮影が行われた。同スタジオは水中の特殊効果に長けた世界的に有名なスタジオで『ジュラシック・ワールド/復活の大地』や『キャプテン・フィリップス』、『ワールド・ウォーZ』などの撮影が行われた場所として知られている。

監督はリアルな海を再現するために、スタジオの屋外にある直径100メートル、水深11メートルほどのタンクに海水を入れ、巨大な深海のセットを作ったそうで、わざわざ海水を使用することで深海の粒子を再現するまでこだわった。さらには、撮影は深夜から3週間かけて夜通し撮影することで、暗く孤独な海底のリアリティを徹底的に再現した。

こうして入念に準備されたセットで撮影された水中シーンは、地上で撮影されたものをCGで水中に見せるような技術は一切使用されず、すべてキャストやスタッフが実際に潜水しながら撮影された。監督によれば、潜水士を演じたシム・リウやフィン・コールは、ほとんどスタント無しで水中での演技に臨んだそう。
さらに、公開に先駆け、いち早く本作を鑑賞した各界の著名人総勢13名から、本作への絶賛コメントも到着。ゲームクリエイターである小島秀夫は「スーパー・パワーを持たない、カンフーもしないシム・リウが、生身の格好良さを出していた」と本作におけるシム・リウの演技を大絶賛。また、「海猿」や「トッキュー!!」など海上保安庁を舞台にした漫画の原作・原案を多く手掛けてる作家の小森陽一も「ここで描かれていることは真実だ。海の物語がすべて詰まっているといっても過言ではない」と本作のリアリティを称賛している。
また、日本で活動する現役のダイバーや海女、元飽和潜水士など、本作の題材に精通するプロフェッショナルたちからもコメントが到着。さらに、『呪怨』シリーズなどで知られるホラー監督の清水崇や、映画好きで知られるフリーアナウンサーの武田真一らからもコメントが寄せられた。
コメント一覧(五十音順・敬称略)
ISO(ライター)
深い海の底に独り取り残され、10分後には酸欠が迫る極限の状況。想像するだけで身震いする恐怖のなか、生きたい者と助けたい者の命への執着が交差する。ハリウッド映画の真骨頂ともいえるヒロイックな物語、その面白さと感動をこれほど無駄なく堪能できる作品はなかなかお目にかかれない。
加藤よしき(ライター)
深海に取り残され、残る酸素はあと10分だけ。
詰んだ! でも海のプロは諦めない!
難易度最凶の“人命イライラ棒”を見届けてください。
サバイバル映画の新たな名作……あ、ただし閉所恐怖症の人はご注意を!
小島秀夫(ゲームクリエイター)
海底パイプラインを修復する潜水事故に基づく奇跡の物語。始終、閉塞感と酸欠感を、緊張感を持って描く。リスクを顧みず、命懸けで仲間を生還させようとする誰もがみんな格好いい。何度も号泣してしまった。誰にも知られていないが、世界の何処かでは“危険”を承知で作業を続けている影の英雄たちがいる。ウディ・ハレルソンも良かったが、スーパー・パワーを持たない、カンフーもしないシム・リウが、生身の格好良さを出していた。

小森陽一(作家・マンガ原作者)
先月、潜水士を志す高校生の物語を書き上げたばかりだ。
彼等にこの作品を薦めていいものかどうか、正直なところ迷っている。
ここで描かれていることは真実だ。
なんの忖度もしてくれない自然という現実、
仲間を思い、決して諦めない人間の尊さ。
海の物語がすべて詰まっているといっても過言ではない。
サメ映画ルーキー(日本サメ映画学会会長)
サメという捕食者が姿を見せずとも、海の底には深淵の悪夢が広がっている。だが人類はなおも闇に抗い、力を尽くし、最後の一瞬まで戦い続ける。そこに光が差すことを信じて。
清水崇(映画監督)
普段、意識しない“死”は
実は常日頃からすぐ目の前にある。
本作は潜水士の実話だが、
そんな当たり前の事を改めて意識し、
“生”を謳歌しようと思わされる
緊迫の90分……

杉山すぴ豊(アメキャラ系ライター)
青く広いはずの海がダークな迷宮に!クライマックスは思わず「急いで」と声が出てしまいました。
胸がおしつぶれそうな緊迫感と胸に響くシム・リウの活躍!冷たい海底でくりひろげられる熱いドラマです!
武田真一(フリーアナウンサー)
冷たい漆黒の深海。ひと呼吸ごとに確実に死へ近づく絶望感。「必ず助ける」という約束は守られるのか。緊迫した救出劇のリアリティは、飽和潜水という技術の奥深さや、そこに従事する人々への深いリスペクトによって裏打ちされている。ひとりの命を救うために奮闘した人々、そしてパーキンソン監督をはじめ製作陣の真摯な姿勢に、胸が熱くなる映画だ。
人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
凄まじい緊迫感。僅かなミスすら許されない繊細な作業で救助を試みる様は手が震えるほど恐ろしいが、それでも決して諦めまいと戦う姿はあまりにも格好良い。絶望と希望が押し合い圧し合いしてどちらに転ぶか、祈りながら観る映画。

橋本昭夫(元飽和潜水士・日本サルヴェージ株式会社所属)
職業として飽和潜水を行う者として、本作のリアリティに息を呑みました。極限状況の中、深海での孤独 、仲間との絆、そして生還への執念。技術は進化しましたが、仲間を信じ、決して諦めない人間の精神力の強さは変わらない。
藤織ジュン(可愛すぎない海女(北限の海女))
プロの仕事をするカッコ良さを感じる作品でした。
死と直結する事故の後、誰もパニックにならず、冷静に対処する姿に感動しました。
ダイバーたちにも当たり前に家族がいて、飽和潜水士の誇りと危険な仕事をすることへの葛藤にも心を打たれました。
村田清臣(80歳現役ダイバー、日本水難救済会、静岡地区水難救済会、会長)
私にとって非常に素晴らしい物語でした。私も長年水難救助ダイビングを行なって居ます。
ウネリの中で潜水士が救助中ダイビングベルから力だけに頼らずウネリを利用して上がれと助言していたリーダーの言葉さすがです。私も救助中に波やウネリを利用して要救助者を船に収容した経験もあり感動したシーンの一つでした。知床の遊覧船沈没事故を思い出しました。
ワタリ119(芸人)
絶対に体験することのないような状況で次第に緊迫感に飲まれ、観てる自分も息をするのを忘れ、海底にいる主人公の追体験をしてるような映画でした。
普通なら諦める状況の中最後まで生きるため、そして仲間たちはクリスを助けるため、全員が最善をつくしあがく、他のチームが祈り続けて見守るシーンには涙が込み上げてきました。
ストーリー
潜水支援船のタロス号が北海でガス・パイプラインの補修を行うため、スコットランドのアバディーン港から出航した。ところがベテランのダンカン(ウディ・ハレルソン)、プロ意識の強いデイヴ(シム・リウ)、若手のクリス(フィン・コール)という3人の飽和潜水士が、水深91メートルの海底で作業を行っている最中、タロス号のコンピュータ・システムが異常をきたす非常事態が発生。制御不能となったタロス号が荒波に流されたことで、命綱が切れたクリスは深海に投げ出されてしまう。クリスの潜水服に装備された緊急ボンベの酸素は、わずか10分しかもたない。海底の潜水ベルにとどまったダンカンとデイヴ、タロス号の乗組員はあらゆる手を尽くしてクリスの救助を試みるが、それはあまりにも絶望的な時間との闘いだった……。
『ラスト・ブレス』
出演:ウディ・ハレルソン、シム・リウ、フィン・コール、クリフ・カーティス
監督:アレックス・パーキンソン
原作:ドキュメンタリー『ラスト・ブレス』(メットフィルム)
脚本:ミッチェル・ラフォーチュン、アレックス・パーキンソン&デヴィッド・ブルックス
2025年|米・英|英語|93分|カラー|5.1ch|シネマスコープ|原題:Last Breath|字幕翻訳:大西公子|映倫区分:G
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
(C) LB 2023 Limited
lastbreath.jp
9月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
関連記事
■ 深海の生々しい音を360°再現『ラスト・ブレス』“極限潜水”立体音響予告篇解禁
■ “地球上で最も危険な職業”飽和潜水士の実話を映画化『ラスト・ブレス』9月公開決定、予告編解禁