
泥棒を生業とする親子が警察から逃げるために紛れ込んだ障がい者施設のサマーキャンプで出会うのは、個性豊かな入所者たち。親子は彼らと触れ合いにぎやかなひと夏を過ごすうちに、宝石やお金よりも大切なものを見つけていく。
フランスで2024年年間興行収入ランキングNo.1、1080万人動員(フランス国民の7人に1人)、公開から7週連続No.1、公開初日の動員数はフランス映画史上歴代2位の記録を打ち立てた注目作だ。


配役の決め手については、「募集の際に特に条件は設けず、どんな障がいも排除せず、ただ“個性”がある人を探していました。そして、彼ら同士の相性が良く、最高のチームを作れることが必要だったんです」と語り、約50人の候補者と実際に会い最終的に11人のアマチュア俳優を起用した。

その後の脚本には実際に演者本人の趣味や個性が強く反映された。例えばフランスの国民的歌手・ダリダの熱狂的ファンであるアルノーは映画の中でも常にダリダグッズを身に着け、腕にはダリダのタトゥーが入っていたり、仮装が好きなボリスは劇中で様々な自前の衣装に着替え自慢のワードローブを披露するなど、オリジナリティが詰まった魅力的なキャラクター達を作り上げた。

さらに脚本だけでなく、撮影中も一人ひとりにあった演出を探りベストな撮影方法を見つけていったという。イヤホンを通してセリフを伝えたり、隣でアルテュスが読んだセリフを繰り返してもらったりとさまざま。現場では常時カメラが回っている状態で、本番ではない時間も彼らが起こす奇跡の瞬間を取り逃さないよう万全の準備がされていた。本編では現場で偶然に生まれたアドリブも多々組み込まれ、物語をさらに生き生きと輝かせている。

そして、予告編のナレーションを務めている杏から、本作へのコメントが到着した。
杏 コメント
フランス映画ならでは!?のギリギリの笑い。
笑いは国境を超えてボーダーレスに届きます。
観終わった後は、みんなが愛おしくなりました!
みんなが誰かの特別な存在。
たとえ居場所がなかったとしても、きっとどこかにある!と思わせてくれる作品でした。









ストーリー
宝石店に泥棒に入ったパウロ(アルテュス)とその父親(クロヴィス・コルニアック)。警察の追跡から逃げるふたりは、ひょんなことから障がい者とその介助者になりすまし、障がいのある若者たちのサマーキャンプに身を隠すことに。とりどりの個性を持つ彼らとの笑顔にあふれたドタバタでにぎやかな日々は、やがてふたりの心をやさしく解きほぐしていく。しかし、そんなゆかいな逃避行も長くは続かず……果たして、泥棒親子の運命はそして、彼らが見つけた本当の宝物とは――