是枝裕和監督や西川美和監督の監督助手を務めてきた、映像制作集団分福の孫明雅(そんみょんあ)監督の長編デビュー作『トロフィー』の韓国公開が決定。併せて、新たに梨里花、原田花埜、禾本珠彩の出演が明らかになった。

主人公は在日コリアンの14歳の少女・ソヒ。朝鮮学校に通い、部活で朝鮮舞踊に打ち込む日々を送っている。ある日、日本学校との交流会で日本人の未来とK-POP好きという共通点で仲良くなり、ソヒは少しずつ外の世界と繋がりを持っていく。そんな中、ふたりは推しのK-POPアイドルのライブチケット代を稼ぐために、ソヒの家にある不用品をフリマサイトで売ることに。そこで意外にも高値で売れたのは、朝鮮学校の校長である父・サンジュが持っていた一枚の北朝鮮のCDだった。それに味をしめたソヒたちは、サンジュが祖国・北朝鮮から授与された”勲章”までも売ってしまうー。
SNSを中心に韓国でも大きな話題を呼んだ本作。在日コリアンの少女の揺れる日常を描いたストーリーラインに関心が集まるとともに、日本と朝鮮のあいだで揺れる心情を映し出すように、ハングルの要素を織り込んだ日本語タイトルロゴについても「デザインが秀逸」「コンセプトまで美しい」といった評価が相次ぎ、ビジュアルと物語の両面から注目を集めた。
韓国での配給を担当するATNINEFILMは、ヨーロッパ映画をはじめ、世界の主要映画祭で高く評価された作品や話題のインディペンデント作品、そして日本映画を含むアジアの注目作などを韓国に紹介してきた配給会社。これまで日本作品では『すばらしき世界』や『せかいのおきく』、『旅と日々』などを手がけ、国際的な評価を受ける作品群を継続的に送り出してきた実績がある。この度、ATNINEFILMと孫監督から韓国公開に寄せてコメントも到着した。(本記事下に掲載)
この度明らかになったキャスト陣が演じるのは、主人公・ソヒを取り巻く登場人物たち。梨里花が演じるのは、ソヒと“K-POP好き”という共通点から距離を縮めていく日本人の友人・未来役。本作では、無邪気さの奥にある繊細な感情を丁寧に扱いながら、ソヒが抱えるものをわかろうとする未来をまっすぐに体現している。

原田が演じるのは、ソヒとともに汗を流し、切磋琢磨する朝鮮舞踊部の部員・リョニ役。本作が映画初出演となる原田は、約10ヶ月に及ぶ舞踊の稽古を経て、身体に刻み込まれた所作とともに、リョニという存在を凛としなやかに演じ上げた。

そして禾本が演じるのは、同じく朝鮮舞踊部の一員・エスギ役。本作では、舞踊部の明るい空気を支える一人として、確かな身体性と芯のある存在感で作品に奥行きをもたらしている。


ATNINEFILM コメント
初めて〈トロフィー〉を観た日、エンディングクレジットが流れる間、しばらく席を立つことができませんでした。
主人公ソヒが積み重ねてきた感情の余韻が、長いあいだ胸に残り続けました。
〈トロフィー〉は在日コリアンというテーマを扱った作品ですが、この映画が本当に語りかけているのは、もっと身近で普遍的なことです。何かになりたいという切実な想い、言葉よりも待つことで娘をそっと見守り続ける父親、ともに汗を流しながらお互いを信じ、背中を押し合う仲間たちのぬくもり。そのすべてが、国境も歴史も超えて、静かに、しかし深く胸に響きます。
ATNINEFILMはこれまで、難しいテーマを持つ映画が韓国の観客と真摯に出会い、つながっていけるよう紹介し続けてきました。〈トロフィー〉を初めて観た瞬間、この映画をぜひ韓国の観客に届けたいと思いました。その願いが、ついに現実となりました。ソヒの光が、多くの人々の日常に小さな勇気として染み渡っていくよう、ATNINEFILMがこれまで積み重ねてきたすべての経験を生かして、この作品を韓国の観客にしっかりとお届けします。



孫監督 コメント
日本からの初報が、海を超えて韓国まで広がり、たくさんの方々が関心を寄せて下さっていることに興奮しています。
この作品を楽しみにしている方がいると思うだけで、企画立ち上げからの長い苦労が報われるような気がします。
企画当初から、在日コリアンだけの話に閉じない作品を目指してきました。在日に限らず、誰もが経験しうる家族や友人との関係を描いたつもりです。作品が韓国はもちろん、東京や大阪、広島など、日本全国の劇場での公開も続々と決まっているので、是非足を運んで頂けると嬉しいです。



『トロフィー』
出演:恒那 梨里花 原田花埜 禾本珠彩 千就 ちすん 笠松将 市川実和子 井浦新
監督・脚本:孫明雅
音楽:Yonrimog
撮影:山崎裕
製作:紀伊宗之
プロデューサー:小出大樹
ラインプロデューサー:村岡伸一郎
企画:分福
制作プロダクション:K2 Pictures Production
製作・配給:K2 Pictures
(C)2026 K2 Pictures
https://k2pic.com/film/trophy/
7月10日(金)よりテアトル新宿ほか順次全国公開