
原作は、永井紗耶子の小説「木挽町のあだ討ち」で、2023年に第169回直木賞・第36回山本周五郎賞をダブル受賞した傑作時代小説。芝居小屋を舞台に、仇討ちの裏に隠された真実を描く、極上の江戸ミステリー。
柄本は、仇討ち事件の真相を追う田舎侍・加瀬総一郎を演じ、渡辺は芝居小屋「森田座」で謀略を巡らせる立作者・篠田金治を演じる。監督・脚本は源孝志。
物語の発端となる、仇討ちを成した者・伊納菊之助を演じるのは、なにわ男子の長尾謙杜。今作では、父の仇討ちを見事に成し遂げた若侍として称えられるが、その裏には誰も知らない秘密を抱えており、凛々しくもどこか影を帯びた眼差しが、物語の鍵を握る重要な役どころ。
菊之助役のキャスティングについて本作の須藤泰司プロデューサーは、「長尾くんは、前回、ご一緒した『室町無頼』においてはワイルドな魅力全開でした。けれど本来の彼は男も魅入ってしまうほどの美少年。そして今回の菊之助は女性のような美しい容姿が必要な役。そこで、これはもう彼しかいないと思い立ち、連続オファーとなりました」と語り、長尾の持つ真っ直ぐで繊細な気質が、秘めた覚悟を抱く菊之助の姿と重なったと明かしている。
清左衛門を手にかけ、その息子(菊之助)によって仇討ちされる無法者で博徒の大男・作兵衛を演じるのは、北村一輝。須藤プロデューサーは作兵衛役について「北村さん演ずる作兵衛は本作最大のミステリー、善悪、二つの顔を見せます」とし、「とりわけ“悪”が強く出なければ、“善”が際立たない。そんな“悪”を演じて、北村さん以上に観客をスクリーンに引きずり込める役者はいない」とキャスティングの決め手を振り返っている。
森田座の内と外をつなぐ華やかな木戸芸者の一八(いっぱち)役には、瀬戸康史。舞台裏の仕掛け人として金治(渡辺)を支える森田座の立師・相良与三郎役には、滝藤賢一。女形で衣裳方の芳澤ほたる役には、高橋和也。小道具方の久蔵役を正名僕蔵、その妻・お与根役を本作が時代劇初出演となるイモトアヤコが演じている。
菊之助の父・伊納清左衛門役には、山口馬木也。その妻で、菊之助の母としての深い愛情を滲ませる伊納たえ役には、沢口靖子。めし屋「つるや」の看板娘・お三津役には、愛希れいか。さらに、遠山藩の新藩主・遠山安房守役には野村周平、その家老・滝川主馬役には石橋蓮司が扮し、若き藩主と老練な家老の対立を通して仇討ち事件の背後にある藩の思惑を浮かび上がらせることに。
須藤プロデューサーが「本作は『オリエント急行殺人事件』のようなフォーマットで、全員が主役のような物語。そのため、実力派の演者を揃える必要がありました。本作をご覧になれば、その見事なアンサンブルにご納得頂けると自負しております」と自信を覗かせる。
『木挽町のあだ討ち』は、2026年2月27日に公開。
ストーリー
ある雪の降る夜、芝居小屋のすぐそばで美しい若衆・菊之助による仇討ちが見事に成し遂げられた。その事件は多くの人々の目撃により美談として語られることとなる。1年半後、菊之助の縁者と名乗る侍・総一郎が「仇討ちの顛末を知りたい」と芝居小屋を訪れるが…。菊之助に関わった人々から事件の経緯を聞く中で徐々に明らかになっていく事実。果たして仇討ちの裏に隠されたその「秘密」とは。そこには、想像を超える展開が待ち受けていた――。
『木挽町のあだ討ち』
出演:柄本佑 渡辺謙 長尾謙杜 北村一輝 瀬戸康史 滝藤賢一 山口馬木也 愛希れいか イモトアヤコ 野村周平 高橋和也 正名僕蔵 石橋蓮司 沢口靖子
監督・脚本:源孝志
原作:永井紗耶子「木挽町のあだ討ち」(新潮社刊)
企画協力:新潮社
配給:東映
(C)2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 (C)2023 永井紗耶子/新潮社
https://kobikicho-movie.jp
2026年2月27日(金)全国公開
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