柴咲コウ主演の映画『兄を持ち運べるサイズに』の本編映像が公開された。

本作は作家・村井理子氏が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」をもとに、中野量太が脚本・監督を務め映画化。絶縁状態にあった実の兄の突然の訃報から始まる家族のてんてこまいな4日間の物語を描く。
柴咲が演じるのは、幼い頃からマイペースで自分勝手な兄に振り回されてきた妹・村井理子役。家族を振り回す原因となる“ダメな兄ちゃん”役をオダギリジョーが、兄の元妻・加奈子役を満島ひかりが演じる。
公開された映像は、兄の遺品整理のため、三人が宮城県・多賀城市にある兄のアパートを訪れるシーン。兄が暮らしていたゴミ屋敷化した部屋で、理子、加奈子、満里奈(青山姫乃)が黙々と遺品を整理していると、「私がいる…」と、満里奈の震えるような声が響く。彼女の視線の先にあったのは、壁に貼られた幼い頃の満里奈の写真だった。

声に気付いた理子と加奈子が近付くと、壁には他にも、兄、加奈子、満里奈、息子・良一(味元耀大)の4人が写った家族写真や、幼い頃の兄と理子が笑顔で両親と写っている写真、さらに幼少期の兄と理子の2ショット写真など、兄が家族を思い続けていたことが伝わる写真たちが次々と映し出される。

その写真を見つめながら理子は、「自分で壊したくせに…」と、小さく呟く。その表情には、長年抱えてきた兄へのわだかまりが、ふとほどけていくような気配がにじんでいる。兄が大切にしていた家族の記憶を目にした三人は、それぞれ胸の奥に抱えていた兄への思いを静かに受け止めていく。映像はその後、三人が兄の車で葬儀場に向かう姿で締めくくられる。
ストーリー
理子の元に突然かかってきた警察からの電話。
何年も会っていない兄が、死んだという知らせだった。
発見したのは、兄と住んでいた息子の良一だという。
「早く、兄を持ち運べるサイズにしてしまおう」
東北へと向かった理子は、警察署で7年ぶりに兄の元嫁・加奈子とその娘の満里奈と再会する。
兄たちが住んでいたゴミ屋敷と化しているアパートを片付けていた3人が見つけたのは、壁に貼られた家族写真。
子供時代の兄と理子が写ったもの、兄・加奈子・満里奈・良一の兄が作った家族のもの…
同じように迷惑をかけられたはずの加奈子は、兄の後始末をしながら悪口を言いつづける理子に言う。
「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」
もう一度、家族を想いなおす、4人のてんてこまいな4日間が始まったー。
『兄を持ち運べるサイズに』
出演:柴咲コウ オダギリジョー 満島ひかり 青山姫乃 味元耀大
原作:「兄の終い」村井理子(CEメディアハウス刊)
脚本・監督:中野量太
制作プロダクション:ブリッジヘッド/パイプライン
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
(C)2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
https://www.culture-pub.jp/ani-movie/
11月28日(金)TOHOシネマズ日比谷他、全国ロードショー