インドで語り継がれた”知られざる歌”を巡る音楽ドキュメンタリー『あまねき旋律(しらべ)』10/6公開決定&予告編が解禁!

あまねき旋律(しらべ)

山形国際ドキュメンタリー映画祭・アジア千波万波部門で日本映画監督協会賞と奨励賞のW受賞したのを始め、世界各国の映画祭で人々を静かに深く魅了した音楽ドキュメンタリー『あまねき旋律(しらべ)』が10月6日(土)に公開決定。加えて、本作の予告編も解禁となった。

インド東北部、ミャンマー国境付近に位置するナガランド州。そこに広がる棚田には、いつも歌が響いている。村人たちは信じられないほど急な斜面に作られた棚田の準備、田植え、穀物の収穫と運搬といった作業を、“組(ムレ)”というグループごとに手作業で行っている。そして、その作業の間はいつも歌を歌う。

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この度、解禁された予告編では、その一部を垣間見ることができる。「私たちに怠けている時間はない」と復唱しながら急な棚田をの草を刈っている女性たちのグループ。猛々しい歌にあわせて、泥水を耕す男性のグループ。「リ」と呼ばれるこの歌は、一人が時に即興的に歌詞を紡ぎながら、それに集団が呼応して進行していく。体の動きにあわせるように歌われるその姿を見ると、彼らの労働と歌が切り離せない形で繋がっていることに気付くはずだ。

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そして、歌は労働のことだけが歌われるのではない。それは例えば幸せな時、「私たちは恋人に向けて恋の歌を歌う」とある女性は話す。続く場面では、「あなたがいないと私には何もない。一緒にいられれば、これ以上のことはない」と歌いながら女性たちが田植えをしている姿をみることができる。反面、「歌うどころか話すことさえ不可能だった」と話す男性。この地域は、1950年代からナガの独立運動を巡って激化したインド軍との長きに渡る銃撃戦が行われていた。古来から受け継がれ歌い継がれる歌は、半世紀に及ぶ独立闘争を越えて存在する。

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共同監督の、アヌシュカ・ミーナークシとイーシュワル・シュリクマールは、インドの南部出身。ナガランドに古くから伝わるこの音楽に魅了された彼らは、2011年より断続的にその地を訪れ、そこに生きる人々の生活と山々に広がる棚田の雄大な風景や季節の移り変わりをカメラに収めた。

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予告編の最後に女性が語る台詞が印象的だ。「もし、あなたがいなければ、真実の愛はみつけられない」という彼らの歌の一節を紹介し、それは「愛する人だけじゃなく、音楽についても言えるわ」と語る。人と共に生きることの大切と共に、彼らが音楽や歌うことをとても大事に思っていることがよく分かるエピソードだ。

山形国際ドキュメンタリ映画祭・アジア千波万波部門 奨励賞/日本映画監督協会賞

画像11作品タイトル:『あまねき旋律(しらべ)』
監督:アヌシュカ・ミーナークシ、イーシュワル・シュリクマール
原題:kho ki pa lu
英題:Up Down & Sideways
2017/インド/83分/チョークリ語/16:9/カラー
製作:ウ・ラ・ミ・リ プロジェクト
配給:ノンデライコ

公式サイト:amaneki-shirabe.com
コピーライト:(c) the u-ra-mi-li project

10月6日(土)よりポレポレ東中野にてロードショー!以降全国順次公開

 

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