『CLOSE/クロース』 竹宮惠子、辛酸なめ子ら人気漫画家からのイラスト&著名人からのコメント到着!本編映像も解禁

第75回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、第95回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされるなど各国の映画賞で47受賞104ノミネートを果たした話題作『CLOSE/クロース』(7月14日(金)公開)の本編映像が解禁され、併せて漫画家・イラストレーターからイラストと、各界著名人からのコメントが到着した。

本作の主人公は、花き農家の息子で活発なレオと少し引っ込み思案だが音楽の才能豊かな幼馴染のレミ。性格は違えど、24時間365日ともに過ごしてきた2人は兄弟のような関係だ。13歳になり中学校に入学する2人。しかし親密過ぎる関係をクラスメイトに指摘され、周囲を気にしたレオはレミと距離を置くようになっていくが…。

今回解禁となった映像は、ルーカス・ドン監督がお気に入りのシーンの一つとして挙げる【お絵描き】のシーン。真剣な表情で絵を描き進めるレオ。時折見せるレオの真剣な眼差しに、少し照れた顔を見せるレミ。互いに微笑み合いながら、「いい出来だ」とレオが見せたレミの似顔絵のひどさに、大爆笑する可愛い場面となっている。

本作で初めての演技に挑戦したというレオ役エデンとレミ役グスタフのキャスティングについて監督のルーカス・ドンは「キャスティングの過程ではたくさんの子供たちに会いました。その中から40人を選び、ペアになってオーディションをしてもらいました。いくつかの素晴らしいペアがありましたが、エデンとグスタフのペアでの演技を見た時に、彼らには特別な繋がりがあることに気づきました。彼らは感情を没入させるシーンの後でも、そこからすぐに抜け出すことが出来ます。子供のようでありながらも、成熟ぶりを見せながら役に挑んでいたのです。素晴らしいペアでした」と明かす。

ルーカス・ドンが見つけた天才子役は、前半の子供らしい無邪気さが光るシーンと後半の関係が崩れはじめ感情的になっていくシーンを見事に演じ分けている。また子供らしい部屋の装飾と真っ赤な壁が印象的なレミの部屋は、二人が演技をしやすいように極力照明など機材を省き、本当にレオやレミが暮らしているかのようなリアルな空間を作り上げた。監督は細かいセットやロケ地にもこだわりを見せており、本作の注目ポイントとなっている。

イラスト&コメント(敬称略)

CLOSE/クロース
イラスト:竹宮惠子

少年たちの瑞々しい時期を、彼らの体を使ってリアルに表現すること。映像を見た瞬間、懐かしくそれを思い出した。
彼らはまだ未分化の、言葉にできない思いに初めて触れ、訳を話すこともままならずに行動が先んじる。子供だった頃、人はみなそういう経験をして無垢の岸辺を離れるのだ。痛ましいけれど純粋なこの時。
竹宮惠子(漫画家・日本マンガ学会会長)

CLOSE/クロース
イラスト:辛酸なめ子

思春期に、急に疎遠になった子の淋しげな瞳や、去っていった友だちに思い悩んだ自分の姿が走馬灯のようによぎりました。誰にもインナーレオとインナーレミは存在しているのです。
辛酸なめ子(漫画家、コラムニスト)

CLOSE/クロース
イラスト:今日マチ子

悲しみや怒り、寄る辺ない気持ちを目の表情だけでこんなにも語ることができるとは。
ぴったりくっついていた子どもから個々の大人へ、狭間の季節を走り抜けていく姿が痛々しくも美しい。
今日マチ子(漫画家)

CLOSE/クロース
イラスト:マキヒロチ

いつも通りの彼の背中と変わっていってしまう彼の背中はどうしてこんなにも違って見えるのだろうと痛々しくて目を逸らしてしまった。人はふと入ってきたノイズに心惑わされてしまう。成長しなくていいよ、急がなくていいよ、とそれぞれの気持ちに寄り添ってしまった。
マキヒロチ(漫画家)

CLOSE/クロース
イラスト:たけもとあかる

子供時代のはじけるような楽しさや残酷さ、小さな肩では支えきれない罪悪感。射しこむ光や揺れる草花が本当に綺麗で、胸がつまります。
たけもとあかる(イラストレーター)

CLOSE/クロース
イラスト:D[di:] mai kuwahara

3つの衝撃

1つめ、主演2人がボッティチェルリが描いた天使かよと見まごうトンデモない美少年ズ。

2つめ、主演boysが2人とも、演技が自然すぎて、切なさが倍増。

3つめ、早い段階で起こる悲痛な事件。

実を言うと、観終わったあと、かなりモヤモヤした。1週間くらい、ずっと、頭の端でこの映画のことばかり考えていたように思う。やたらと“痕”が残る一本だった。
D[di:] mai kuwahara(美術作家/イラストレーター)

著名人コメント(順不同・敬称略)

疾走する宝石の様な二人の少年。大人になる前の繊細で神聖な距離感。その無垢な友情が犯す、残酷な結末。この儚い別れは、永遠に我々の近く(クロース)に、美しい結晶となって居座り続けるだろう。
小島秀夫(ゲームクリエイター)

誰かにとっての些細なことは、誰かにとっての重大なことであったり、人にはそれぞれの思いがある。思いは時に残酷だ。「泣かなくてもいいのに」と、レオがレミに言い放つ。ふたりの思いがすれ違う瞬間があまりにも切なくて苦しくて、これは映画なのだと自分自身に言い聞かせるのに、必死でした。
呉美保(映画監督)

もしも私が“あなた”だったら、レオのことを許せないかもしれません。
だけどレオも一生、自分を許せないのでしょう。
だからあなたは、あの子を抱きしめたのですか。
ふたりをからかったり、名前をつけたがったあの子たちも
レミのことを絶対に忘れないで、と願ってやまない。
もちろん、私たちも。
ふくだももこ(映画監督、小説家)

2人だけの世界が
社会に触れた瞬間、歪になり
胸のざわめきを鎮めようと
正しいとされる形にはまろうとし
みるみると掌からこぼれ落ちていくものに気付けず
振り向いたときには、もう戻れない。
駆け抜け続けた、あの花畑のなかに残ったものを
私たちはどう眼差すべきか
枝優花(映画監督・写真家)

「永遠を壊したのは、僕」というけれど、その僕を形成してるのはなんだろうか。我々の視線は時に他者をも塗りつぶす。ただ一緒にいたいから一緒にいた。それでいいじゃん。そこに私たちの視線が介在する隙間など本来はないはずなのに。
喪失の連鎖を断ち切るために、この映画と対話をしなければいけない。
金子由里奈(映画監督)

親密な、なかよしという意味の『クロース』というタイトルが痛切な悲しみとともに迫ってくる。デビュー作となる主演ふたりの少年の出色の透明感と胸を締めつける目の演技に注目を。人の心の一番やわらかい深みにそっと触れてくる優しい名作です。
石田衣良(小説家)

無邪気な季節は過ぎ去ってしまう。こどもの心をズタズタに切り裂いて、あっという間に、なにごともなかったみたいに。あの悲しみ、成長することの痛みと喪失。男の子たちはこんなふうになにも語らないまま、心を閉ざして、大人になっていくのかな。
山内マリコ(小説家)

あらゆる感情が伝わってくるその繊細な瞳から目が離せなくなりました。ラストカットはもう圧巻です。
前田敦子(俳優)

少年たちの横顔で語られる繊細な心の動きが、
真っ直ぐにこちらを射る眼差しが、
美しいから切なくて、ぎゅっと胸が締め付けられた。
大切な人だった、大好きだった、だから一緒にいたかった。その関係に名前など、必要なかったはずなのに。
宇垣美里(フリーアナウンサー・女優)

ショットに映る全てが必要材料。
一見やりすぎかなと思える色彩も全て計算されているんだなと観終わると納得。触れ合い、ぶつかり、すれ違い、的確に動かされた少年たち。悲しいとき、嬉しいとき、人間ってどんな表情をする?
私は、この二人の顔が正解だと思った。どうにもならない思春期を表すためのお手本のような作品。
玉城ティナ(女優)

どうしていいか分からない。
知らない感情、受け止めきれないパワー。
胸の奥にじんわりと重く留まり続ける何か。
この気持ちを言葉に表そうとすることすら、許されない気がする。
ただ、逸らすことの出来ない瞳が目の前にあって、その瞳が光る度に、私は深いため息を吐いた。
松本穂香(女優)

彼らの痛みが、まだ言葉まで届かないうちに言葉を通り越して、外に流れ出していくさまを見た。自分の記憶や目の前の相手と覚悟を持って寄り添い合わないと、こういう純度の高いものは映せないと思う。
ここにある「親密さ」、名前をつけないその繋がり自体に、これほどまでに実感と愛のこもったまなざしを向けること。
この強さと真っ当な誠意に心から敬意を表したい。
河合優実(女優)

あの花畑の奥に、私の心が置き去りになっている。スクリーンいっぱいの刹那を、祈るように見つめることしかできなかった。名前のない親密さを、名づけようとすることの惨さ。それは花ざかりの美しい野原を、突如刈りとることに似ていた。君は悪くないよ。
小川紗良(文筆家・映像作家・俳優)

瞳の美しさに胸がざわめいた、光の表現力を巧みに操る奇跡的な映画。
人が根源的に持ち得た感覚をまざまざと甦らせてくれた。
瀧本幹也(写真家・撮影監督)

辛くて辛くて何度も観るのをやめようとしては、その行方を追いたくて最後まで見届けた。
二人の少年の気持ちが苦しいほど分かるのは、自分も小学生の頃、同じように友人との間柄を他者によって台無しにされた経験があるから。
まだ名前のない関係を社会は無邪気なふりをして残酷に切り分けるし、自分でも分からない理由で大切な人を傷つけてしまったりもする。
これは、そうやって誰かが密かに抱えている切実な痛みを分かち合おうとする映画だ。観終わったとき心の中に響いていたのは、煌めく光の中で花畑を駆け抜ける少年たちの無垢な笑い声だった。
濱田英明(写真家)

親しさは、おたがいのあいだで発明し、維持してゆくものだ。レオとレミも、ていねいにたがいの親しさを育ててきた。それを壊すことなど、ほかの誰にもできない。しかし、喪失が起こる。親しい存在を失うということ、その喪失を劇的に描かないでくれたことに感謝する。深い苦しみをその深さのままで描きえた稀有な映画だ。
岩川ありさ(早稲田大学文学学術院准教授)

雑味がない二人だけの琥珀糖のような関係は、
悪気のない言葉の爪楊枝で刺した瞬間、簡単に崩れてしまう。

かけがえのない関係に慣れきってしまって、
一番大切な人を一番傷つけてしまう人間は、いくつになっても難しい。
酒村ゆっけ、(酒テロクリエイター)

ずっと昔に忘れ去ろうとした心の奥底にある感情をえぐり出して包み込む、傷ついた心と後悔に寄り添ってくれる言葉にできないほど美しい傑作。
Diz(映画アクティビスト)

ストーリー
花き農家の息子のレオと幼馴染のレミ。昼は花畑や田園を走り回り、夜は寄り添って寝そべる。24時間365日ともに時間を過ごしてきた2人は親友以上で兄弟のような関係だった。13歳になる2人は同じ中学校に入学する。入学初日、ぴったりとくっついて座る2人をみたクラスメイトは「付き合ってるの?」と質問を投げかける。「親友だから当然だ」とむきになるレオ。その後もいじられるレオは、徐々にレミから距離を置くようになる。ある朝、レミを避けるように一人で登校するレオ。毎日一緒に登下校をしていたにも関わらず、自分を置いて先に登校したことに傷つくレミ。2人はその場で大喧嘩に。その後、レミを気にかけるレオだったが、仲直りすることができず時間だけが過ぎていったある日、課外授業にレミの姿はなかった。心ここにあらずのレオは、授業の終わりに衝撃的な事実を告げられる。それは、レミとの突然の別れだった。移ろいゆく季節のなか、自責の念にかられるレオは、誰にも打ち明けられない想いを抱えていた…。

作品タイトル:『CLOSE/クロース』
出演:エデン・ダンブリン、グスタフ・ドゥ・ワエル、エミリー・ドゥケンヌ
監督:ルーカス・ドン(『Girl/ガール』)
脚本:ルーカス・ドン、アンジェロ・タイセンス
2022年|ベルギー・オランダ・フランス|104分|ヨーロピアンビスタ|5.1ch|原題:Close|字幕翻訳:横井和子|G
提供:クロックワークス 東北新社
配給:クロックワークス/STAR CHANNEL MOVIES

公式サイト:https://closemovie.jp/
公式Twitter:@closemovie_jp
公式Instagram:@closemovie_jp
コピーライト:(C) Menuet / Diaphana Films / Topkapi Films / Versus Production 2022

7月14日(金)より全国公開

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