ヴィスコンティ監督幻の名作「異邦人 デジタル復元版」3/5より緊急公開決定!本邦初公開となるイタリア語バージョンで復活

ノーベル賞作家アルベール・カミュの大ベストセラー「異邦人」。本作は、現代人の生活感情の中に潜む不条理の意識を巧みに描いて大反響を巻き起こした。イタリア映画界の至宝ルキノ・ヴィスコンティ監督は早くからこの20世紀文学の傑作の映画化を志し、長年の構想の末に最高のスタッフ・キャストを集結させ、1967年に完成した。

この度、その幻の名作が『異邦人 デジタル復元版』として3月5日(金)新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサにて緊急公開されることが決定した。

難解な主人公ムルソー役は、フェデリコ・フェリーニ監督「甘い生活」「8 1/2」や、本年リヴァイバル上映されたヴィッドリオ・デ・シーカ監督「ひまわり」他、数え切れぬほどの代表作を持つマルチェロ・マストロヤンニ。恋人役には、ヌーベルバーグの旗手・ジャン=リュック・ゴダール監督作品「気狂いピエロ」のアンナ・カリーナ。2019年12月に惜しくも逝去したが、わが国ではすぐに旧作の特集上映が組まれたほどの熱狂的ファンが数多く存在する。

ルキノ・ヴィスコンティ監督は「イノセント」発表後の1976年3月に逝去、公開となる2021年3月は、没後45年を迎えるが、その作品群は世代を超え映画ファンに愛され、今もなお繰り返しリヴァイバル上映され続け、ミニシアターの人気番組として定番化している。

長編8作目となる本作は英語版で1968年9月公開。大きな反響を呼んだものの、それ以降は1970年代に短縮日本語吹き替え版がTV放映されたが、複雑な権利関係・散逸してしまった映像原版等々様々な理由でVHSはおろかソフト化されることもなく、ヴィスコンティ特集等の限定上映以外は長期に渡り鑑賞する機会が皆無であり、まさに映画ファン垂涎の作品となっていたが、遂に今回各映像素材を最新技術によってデジタル復元化し、上映実現となった。

カミュの原作が発表された年は奇しくもヴィスコンティ監督デビュー作「郵便配達は二度ベルを鳴らす」と同じ1942年であり、早くから映画化の希望をカミュ(1960年没)に直接伝えていたという。本作の主人公の不条理な言動は、クイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞とも類似しており、元ネタとしても有名。また未曾有のコロナ禍の現在を予期していたかのような、伝染病の恐ろしさを描いたもう一つの代表作「ペスト」は、現在全世界で特大ベストセラーを記録している。

ストーリー
第二次大戦前のアルジェ、会社員のムルソーは母の訃報を受け取る。遺体安置所で彼は遺体と対面もせず、埋葬の場でも涙を見せなかった。
その翌日、偶然再会したマリーと海水浴に行き、映画を見て一夜を共にしたが、その後友人とトラブルに巻き込まれ、預かったピストルでアラブ人を射殺してしまう。

作品タイトル:『異邦人 デジタル復元版』
出演:マルチェロ・マストロヤンニ「ひまわり」「昨日今日明日」「ひきしお」
アンナ・カリーナ「気狂いピエロ」 「女と男のいる舗道」 「アンナ」
ベルナール・ブリエ「北ホテル」「レ・ミゼラブル」「女たちのテーブル」
ブルーノ・クレメル「メグレ警視(テレビシリーズ)」「ゴダールのマリア」
監督:ルキノ・ヴィスコンティ「ベニスに死す」「家族の肖像」「山猫」
製作:ディノ・デ・ラウレンティス「道」「天地創造」「戦争と平和」
原作:アルベール・カミュ「ペスト」 1957年ノーベル文学賞 受賞
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ「自転車泥棒」「山猫」「黒い瞳」
エマニュエル・ロブレ、ジョルジュ・コンション
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ「ひまわり」「フェリーニのローマ」「オール・ザット・ジャズ」
音楽:ピエロ・ピッチオーニ「華やかな魔女たち」「芽ばえ」「白い婚礼」
原題: LO STRANIERO
1967年 イタリア/フランス映画 104分 カラー イタリア語 ヴィスタサイズ DCP

日本初公開:1968年9月
キネマ旬報ベストテン 第8位/スクリーン誌ベストテン 第9位
          
配給:ジェットリンク  
配給協力:ラビットハウス  

公式サイト:http://ihoujin-movie.jp/
コピーライト:(C) Films Sans Frontieres  

2021年3月5日(金)新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサにて公開決定

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