【映画感想】Netflixアニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』スタジオコロリド渾身の青春ファンタジー映画が誕生!

泣きたい私は猫をかぶる第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞作『ペンギン・ハイウェイ』で賞賛の声を浴びたアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」。新進気鋭のクリエイターがあつまる注目のスタジオが手掛けた、長編アニメーション映画第2弾作品『泣きたい私は猫をかぶる』が、Netflixにて6月18日(木)より全世界独占配信となる。

監督は、「美少女戦士セーラームーン」「おジャ魔女どれみ」など90年代アニメを支えてきた、日本アニメ界の重鎮・佐藤順一と、スタジオジブリを経て現在はスタジオコロリドにて数多くのCMや映像作品に参加、本作で長編監督デビューを飾る柴山智隆。トップクリエイターと新世代の注目すべきクリエイターがダブル監督としてタッグを組んだ。

脚本は、日本中が涙した大ヒット作『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や、『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』、ほか自身が監督を務めた『さよならの朝に約束の花をかざろう』など確かな描写力で定評のある脚本家・岡田麿里

声の出演は、実力派女優でありながらアニメファンを公言、声優へのリスペクトも強いことで知られ、これまで『借りぐらしのアリエッティ』『風立ちぬ』などの話題作にも出演している志田未来と、「東京喰種トーキョーグール」「ダイヤのA」「鬼滅の刃」など人気アニメ作品に多数出演、声優界で絶大な人気を誇る花江夏樹が、多感で繊細な中学2年生のムゲと日之出をダブル主演で務める。また主人公・ムゲを「猫」世界へと導く謎のお面屋・猫店主に山寺宏一、ムゲと日之出の担任教師におぎやはぎの小木博明、さらにクラスメイト役に寿美菜子小野賢章ら実力派がそろった。

そして本作の主題歌は音楽シーンで大注目のヨルシカが担当。メロディアスかつエモーショナルな音楽性と、まるで小説を読んでいるかのように綿密に築き上げられた世界観でリスナーたちを釘付けにしており、先ごろオリコンが発表した『2020年 ネクストブレイクランキング』で世代別10代・20代で2位を記録、「第34回日本ゴールドディスク大賞」でベスト5・ニューアーティストを受賞するなど話題の2人組バンド。書下ろしとなる主題歌「花に亡霊」は本作の世界観を音楽で表現しており、物語をより深くより鮮やかに紡いでいる。

泣きたい私は猫をかぶる

終始涙が止まらないーノスタルジック全開の青春ファンタジー!

『ペンギン・ハイウェイ』では少年の奇想天外な冒険と成長を描いたスタジオコロリドの長編アニメーション第二弾となる『泣きたい私は猫をかぶる』。本作は、かぶると猫に変身できるお面というファンタジーな設定でありながら、主人公の抱える人間関係は少々複雑であり、単なる青春ファンタジーとは一線を画している。それぞれが地に足のついた丁寧な人物描写がされていて、登場人物それぞれにスッと感情移入できる。

また全編通して光を使った表現も非常に豊か。湿気のこもる夏の強い日差し、風でキラキラと揺れる木漏れ日、幻想的な花火、物憂げに垂れる月明かりなど、作画の綺麗さと相まって学生時代の夏にタイムスリップしたような不思議な感覚に何度も陥った。

泣きたい私は猫をかぶる

主人公・笹木美代は、自由奔放な発言や行動が目立つちょっと変わった女の子。クラスメイトの日之出への熱烈な大好きアピールは毎回冷たくあしらわれ、親友からも周囲からも呆れられている。それでも全く気にする様子がないのは、日之出の優しい素顔を知っているから・・・彼女は、ひょんなことからかぶると猫に変身できるお面を手に入れ、猫の<太郎>として日之出から愛情を一身に受けているのだ。次第に太郎としてではなく人間の美代として日之出に寄り添いたいと行動を起こすが、それが最悪な結果を招いてしまう・・。

猫になることで、大好きな人に優しい笑顔を向けられ、触れることができ、大好きだと言ってもらえるなんて、恋する乙女にとってはたまらないシチュエーション。日之出の普段とのギャップにも胸がキュンとなり、何よりも太郎が可愛すぎて、猫好きならまずメロメロになること間違いない。

泣きたい私は猫をかぶる

泣きたい私は猫をかぶる

美代は、小学生の頃に母親が突然家を出て行ったことで、周囲に対して自分の感情を抑え“笑顔で蓋”をするようになってしまった。

本編で、美代にとって周囲のどうでもいい人間が<カカシ>となるシーンが何度かある。追い込まれてしまうことで、本当に大事なものがどんどん見えなくなってしまう負のループに陥ってしまうこと、自分が大事にしているもの、興味があるもの以外全て無意味で無駄に思えた若かりし頃の自身と少し重なって、切なくなった。

本当にこの作品では、主人公だけでなく登場人物のほぼ全てに共感してしまい、おそらく泣かせるシーンではないところでも懐かしさで終始涙がボロボロと止まらなかった。

誰にも本当の自分をさらけ出せない美代、自分を抑え込み素直になれない日之出、美代を理解しようと必死に寄り添おうとするが笑顔で拒絶される継母、美代が傷つかないように日之出に食ってかかる親友の頼子-。

誰しもきっと一度は経験したであろう疎外感や孤独が丁寧に切り取られていて、ノスタルジックに浸ることができる。

泣きたい私は猫をかぶる

日常を切り取ったかのような青春ドラマから一変、後半は猫の猫による猫のための世界「猫島」での出来事を巡った壮大なファンタジーに一気に切り替わる。そこには、様々な理由で人間をやめ、猫として暮らすことを決めた元人間たちがたくさん暮らしている場所。猫とは言え元は人間なので、皆気ままに生きているようで、非常に人間くささが溢れているのが面白い。

ずっと自分の気持ちに蓋をしてきた美代と、素直に自分を表現できなかった日之出が「猫島」に来ることで気付かされる感情に、これまた涙が止まらない。

泣きたい私は猫をかぶる

私の中で、間違いなく2020年を代表する映画の一つとなった本作。

自分なんかと卑下になったり、誰にも必要とされていないと落ち込んだりすることは、思春期に限らずとも付き纏う。孤独な気持ちに拍車がかかりそうになる今の状況だからこそ、自分を支えてくれる大切な人が誰かをこの作品は気づかせてくれるだろう。

是非、本作をあなたにとって大切な人や家族と一緒に見て頂きたい。

ストーリー
私はあなたの力になりたい。好きって言われたい―
笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった…。
それは、猫の姿になって大好きな日之出に会いにいくこと。
実はムゲは、ある夏祭りの夜お面屋にいた猫の店主から、「かぶると猫へと姿を変えることができる」という不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。
普段はクールに振舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、いつしか太郎は日之出の支えになっていた。≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには近づけるふたりの関係。ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。
猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。
ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、≪人間≫を捨て≪猫≫として生きるよう迫られる…
このままずっと、あなたのそばにいたい。でも、≪私≫に戻ることができなくなる――
自分が誰に支えられているのか。大切なものに気がつくとき、二人の世界が変わり始める。

作品タイトル:Netflixアニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』
出演:志田未来・花江夏樹
小木博明・山寺宏一
監督:佐藤順一・柴山智隆
脚本:岡田麿里
主題歌:「花に亡霊」ヨルシカ(ユニバーサルJ)
企画:ツインエンジン
制作:スタジオコロリド
製作:「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

公式サイト:nakineko-movie.com
公式Twitter:@nakineko_movie
公式Instagram:@nakineko_movie
#泣きたい私は猫をかぶる #泣き猫
コピーライト:(C) 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

2020年6月18日(木)Netflixにて全世界独占配信

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