『トリとロキタ』揺るぎない二人の“友情”が垣間見える本編映像解禁!ダルデンヌ兄弟の論集も発売決定 ―本日3/31公開

トリとロキタ

2度のパルムドール大賞受賞をはじめ、世界中で100賞以上もの映画賞を受賞しているベルギーの名匠 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』(本日3月31日(金)より公開中)より、本編映像が初解禁された。

少年トリと少女ロキタはアフリカからベルギーへ流れ着いたふたりの偽姉弟。ドラッグの運び屋をしているが、ビザを得るため、さらに危険な仕事に手を染める。
新天地を目指す途中で出会ったふたりを追い詰めるのは麻薬か、闇組織か、それとも……。

1999年『ロゼッタ』、2003年『ある子供』、2011年『少年と自転車』……各年代に傑作を生みだしてきたダルデンヌ兄弟が20年代に生み出した新たな傑作『トリとロキタ』。原点回帰ともいえる、BGMなし、演技未経験の主演俳優、無駄のない作劇と演出と完璧なカメラワークにより、シンプルなストーリーにとてつもない強度を与え、第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を見事受賞した。

今回解禁されたのは、ロキタが、既にビザが発行されているトリの姉と偽ってビザを取得するために、面接の練習をしているシーン。

映画冒頭での面接ではロキタは面接官の質問に対し、上手く答えられずにパニック発作を起こしてしまった。「養護施設で弟を見分けた方法は?」という質問に、ロキタは「2011年生まれで、不吉な力のある子を捜した」答えるが、「いや、もっと限定したほうがいい。生まれた月まで言おう」と、より具体的に答えられるようストイックに練習を繰り返す。

移民の子供たちは18歳になってもビザがないと正規の職に就けず、強制送還させられてしまうが、ロキタはもう17歳。“家事ヘルパーになってトリと一緒に暮らす”という夢があり、その夢を叶えるためにも必死に面接の練習をする。

映像の最後には、トリが機転を利かせ「引っかけ問題。養護施設の庭に木はあった?」と質問。「覚えていない」と答えるロキタに「よかった。木も庭もない」とトリが返すと、思わず二人からは笑顔が溢れ、束の間の幸せな空間が流れる。観ていると、つい頬が緩んでしまうような微笑ましい映像だ。

トリとロキタ

ダルデンヌ監督の作品は撮影前に長期間のリハーサルを必ず行うが、本作のリハーサル期間は約5週間。主役のふたりは演技未経験のため、実際に演じたこともなければお互いのことを全く知らない状況から始まった。

本作のリハーサルで最も時間を割いたことに関して、ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督は、「私たちが強制するのではなく、あくまでも自然にふたりの“友情”を引き出す必要がありました。リハーサル当初、彼らはカメラに向かって喋ることさえ躊躇して、初めは何も言えませんでしたが、時間が経つにつれて冗談を言ったり、自ら会話をし始めたりと、若い彼らが自分を解放して自由に話ができるようになりました」と、ふたりの自然な“友情”を引き出すことに時間をかけたことを明かしている。

また、実際のリハーサルの中で生まれた動きが、劇中でロキタが大麻栽培の倉庫に閉じ込められ、そこにトリが潜り込み、ふたりが再会するシーン。シナリオでは“ようやく再会したふたりは抱き合う”と書かれていたが、トリ役のパブロ・シルズが「抱き合うんじゃなくてグータッチのほうがいいと思う」と提案。その後、実際に撮影すると、そのほうが美しく、シーンにもとても良く合っていたとのこと。

ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督も「シナリオ通りに彼らが抱き合ってしまったら、ロキタの顔がカメラに収まらなかったけれど、グータッチだとロキタの笑顔を撮ることができた」とパブロの提案を賞賛した。

また、本作で描かれているふたりの揺るぎない“友情”について、リュック・ダルデンヌ監督は「私たちはこのふたりの主人公を小さな男の子と思春期の女の子という独立した“人間”として観てもらいたいと思いました。“ある移民のひとつのケース”ではなく、アフリカからやってきた黒人であるふたりの人生がこの映画で描かれているのです。そうすることで、ある日、道端で黒人に会っても、映画を観た方々はトリとロキタのことを想い出し、彼らに対して恐怖心や憎しみではなく“友情”を感じていただけるのではないか」と思いを明かした。

ダルデンヌ監督が生み出した最高強度の“愛”の物語はいよいよ本日公開。心を鷲掴みにされる衝撃的なラストを、ぜひ劇場のスクリーンで。

トリとロキタ

日本初!ダルデンヌ兄弟の論集
「ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家」4月5日(水)発売決定

これまで、海外ではダルデンヌ兄弟の作品のシナリオやインタビューブックなどは発売されてきたが、この度、日本初の論集の発売が決定。ダルデンヌ兄弟が手掛けた初期のドキュメンタリー作品や日本では劇場未公開の「ファルシュ」や「あなたを想う」、そして『ロゼッタ』『ある子供』『少年と自転車』など、世界で数々の賞を受賞した全作品の論考を集録。

また、本作『トリとロキタ』の12Pにも及ぶ監督インタビューや、映画監督・川和田恵真(『マイスモールランド』)によるエッセイも。

今後のさらなる飛躍も予感させるダルデンヌ兄弟の、見ごたえ満載の論集となっている。

トリとロキタ

「ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家」 発売情報
タイトル:ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家
発売日:2023年4月5日(水)  
編者:若林良 発行:neoneo編集室 定価:2300円+税   
執筆者:ダルデンヌ兄弟
インタビュー:魚住桜子
論考、エッセイ、フィルモグラフィー:原田麻衣 金子遊 渋谷哲也 中根若恵 山下研 荻野洋一 菊井崇史 冨塚亮平 若林良 大久保清朗 大内啓輔 住本尚子 藤元明緒 川和田恵真 井河澤智子 他

作品タイトル:『トリとロキタ』
出演:パブロ・シルズ、ジョエリー・ムブンドゥ、アウバン・ウカイ、ティヒメン・フーファールツ、シャルロット・デ・ブライネ、ナデージュ・エドラオゴ、マルク・ジンガほか
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
2022年/ベルギー=フランス/カラー/89分/Tori et Lokita
映倫:G
配給:ビターズ・エンド

公式サイト:https://bitters.co.jp/tori_lokita/
公式Twitter:https://twitter.com/Dardenne_cinema
公式Facebook:https://www.facebook.com/Dardenne.cinema/

コピーライト:(C)LES FILMS DU FLEUVE – ARCHIPEL 35 – SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA – VOO et Be tv – PROXIMUS – RTBF(Télévision belge)
Photos (C)Christine Plenus

大ヒット上映中!

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