『水を抱く女』ベルリン国際映画祭最後の”最優秀女優賞”パウラ・ベーアの新場面写真解禁!黒沢清監督らのコメントも到着

水を抱く女

ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞した『東ベルリンから来た女』をはじめ、『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』などで知られるドイツを代表する名匠クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作『水を抱く女』が、2021年3月26日()より新宿武蔵野館ほかにて全国順次ロードショーとなる。

『東ベルリンから来た女』などドイツの歴史を描き、社会派として知られる名匠ペッツォルト監督が、新作のモチーフに選んだのは“水の精”。「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して、水に還らなければならない」という切ない宿命を背負った女の物語を、現代都市ベルリンに幻想的に蘇らせ、第70回ベルリン国際映画祭・銀熊賞(最優秀女優賞)と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)をW受賞した。

妖艶なウンディーネを演じたのは『婚約者の友人』(フランソワ・オゾン監督)や『ある画家の数奇な運命』(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)で知られる女優パウラ・ベーア。本作にて2020年ベルリン国際映画祭・銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した。映画祭が2021年より性別による賞を廃止するため、20代半ばにして最後の「最優秀女優賞」受賞者となった。

今回解禁となった場面写真でも際立つのは彼女の存在感。さらにペッツォルト監督の前作『未来を乗り換えた男』でも共演したフランツ・ロゴフスキとの相性も光る。このふたりについてペッツォルト監督は「彼らの相互作用には大きな信頼がある。これは今までに他の俳優コンビの間では感じたことはありません。彼らのあらゆる触れ合い、あらゆる視線、すべてが信頼と尊敬と信じられないほどの解放感に満ちています」とコメントしている。

また、公開に先駆けて本作を鑑賞した著名人からのコメントは以下の通り。

コメント一覧(敬称略・順不同)

これは驚いた。ドイツ製ダーク・ファンタジーだ。
ベルリンの地縛霊が忽然とよみがえり、官能も恐怖も申し分なし。
こんなのがあったんだ。
黒沢清(映画監督)

我々音楽家が数百年に渡り常に芸術作品にしてきたウンディーネの伝説をこんなに近くに感じられて、本当に素晴らしい経験になりました。
この映画に関するウンディーネも、やはり物悲しく、切なく、そして神秘的で、芸術的価値のあるものでした。
時折流れるピアノの音も美しく、芯から流す涙を経験しました。
都市伝説好きな日本人にも、是非お勧めです。
清塚信也(ピアニスト)

チャイコフスキーに「ウンディーネ」を、ドヴォルザークに「ルサルカ」を作らせ、アンデルセンに「人魚姫」を書かせた、魅惑に満ちた『水の精』の神話。
永遠に人々を魅了してやまないウンディーネ(オンディーヌ)の物語が、二人の名優を得て、現代を舞台の映画として登場した。
水の中に消えていく彼女の姿が、恐ろしくも愛しく魅力的で、忘れることが出来ない。
池田理代子(劇画家・声楽家)

自分がいつかこの世を去る時…
心が張り裂けるくらいに何を自分の瞳に残せるだろう…
狂おしいくらいに確かだったもの…
それは一瞬だけ瞳に焼きついた《映像》なのかも知れない。
止めどなく涙が溢れてしまった。素晴らしい映画だった。
竹中直人(俳優、映画監督)

「波」という意味のラテン語が語源の名をもつウンディーネ。
やさしく揺らぐような目で海を眺め、潮が引くように力強く男を誘って、深みへと連れていく。
その世界に浸る人は幸せであり、元には戻れない。
相手役をつとめるロゴフスキの演技に感動した。
ロバート キャンベル(日本文学研究者)

物語としては、とんでもなく奇妙で、ほとんど、いびつ。それなのに、映画としてのこの、溢れる説得力は、なんなのだろう??すべてにおいて確信犯的(に違いない)なクリスティアン・ペッツォルトのマジックに、心地よく翻弄された。
岡田利規(演劇作家・小説家・チェルフィッチュ主宰)

「宿命」とは切なく、悲しい。
私自身、舞踊化されたオンディーヌを演じた時に感じたこの感情。
終盤になるにつれ、どんどん引き込まれ、見終わった感覚は、今迄にないものでした。
可哀想なウンディーネ、宿命を恨むほど…。最後は涙、涙、涙しました。
下村由理恵(クラシックバレエダンサー)

パウラ・ベーアの視線に導かれベルリンがミクロの街角からマクロの歴史へと展げられていく快感。
しかし、そこにあるのはひとりの女性への呪いだった。呪いをかけたのは誰か。巨大な悲しみをこの映画は私たちへと投げかける。
深田晃司(映画監督)

ペッツォルトはいつも幽霊を主人公にする。行き場を失い新たな船出をひたすら待つ存在。
水の精ウンディーネもまた絶えず装いを変えてゆく大都市ベルリンをさまよう孤独な魂だ。
渋谷哲也(ドイツ映画研究者)

水を抱く女
水を抱く女
水を抱く女
水を抱く女
水を抱く女
水を抱く女
水を抱く女

ストーリー
ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ。彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いている。恋人のヨハネスが別の女性に心移りし、悲嘆にくれていたウンディーネの前に、愛情深い潜水作業員のクリストフが現れる。数奇な運命に導かれるように、惹かれ合うふたりだったが、次第にクリストフはウンディーネが何かから逃れようとしているような違和感を覚え始める。そのとき、彼女は自らの宿命に直面しなければならなかった…。官能的なバッハの旋律にのせて、繊細に描写されるミステリアスな愛の叙事詩。

第70回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(最優秀女優賞)/国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞
第33回ヨーロッパ映画賞 女優賞
第14回リスボン&エストリル映画祭 芸術貢献賞
第10回モントクレア映画祭 俳優賞

第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭 最優秀監督賞・最優秀編集賞

作品タイトル:『水を抱く女』
出演:パウラ・ベーア、フランツ・ロゴフスキ、マリアム・ザリー、ヤコブ・マッチェンツ
監督・脚本:クリスティアン・ペッツォルト
2020年/ドイツ・フランス/ドイツ語/90分/アメリカンビスタ/5.1ch
原題:Undine
日本語字幕:吉川美奈子
配給:彩プロ

公式サイト:undine.ayapro.ne.jp
公式Twitter:@undineeiga
公式Facebook:@undineeiga
コピーライト:(c) SCHRAMM FILM / LES FILMS DU LOSANGE / ZDF / ARTE / ARTE France Cinéma 2020

3月26日(金)より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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