『若い女』カンヌ・カメラドール受賞の新人監督が語る映画愛「映画を観に行くために授業をサボっていました。」

若い女
2017年、第70回カンヌ国際映画祭においてのカメラドール(新人監督賞)受賞を皮切りに、さまざまな映画祭でも賞を獲得、フランスで最も権威ある映画賞・セザール賞へのノミネートも果たしたレオノール・セライユ監督のデビュー作『若い女』がついに日本公開を迎える。

フランス発の若きフィルムメーカー、レオノール・セライユ監督の長編デビュー作となる本作は、フランス国際映画学校の卒業制作の脚本を基に、10年来の恋人に振られ、家もお金も仕事もない状態でパリの街に放り出されてしまった女性、ポーラが奮闘する姿が等身大で描かれている。

パリジェンヌの大きな共感を集めた本作により、レオノール・セライユ監督はカンヌ国際映画祭《カメラドール》受賞という快挙を成し遂げた。カメラドールとは、カンヌの「コンペティション部門」「監督週間」「国際批評家週間」の3部門で上映された全作品の中から、最も優れた処女作に贈られる、いわば新人監督賞だ。これまでに、ジム・ジャームッシュやトラン・アン・ユンなど名だたる監督が受賞している賞だけに、今後の活躍にも期待が寄せられる。
このたび、レオノール・セライユ監督が、『若い女』の基となる脚本を執筆した学生時代、そして大きな共感を集めた初監督作品について語ったコメントが到着した。

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※場面写真:『若い女』より

世界が注目するフランスの女性監督が映画愛を激白!
日本の映画作品について語る場面も

「もともと文学を勉強していて、最初は脚本家になろうと思っていたの。映画を観に行くために授業をサボっていました」と、語るセライユ監督は、リヨン、パリ、バルセロナで文学を学んだ後、フランス国立映画学校の脚本制作コースへ。授業をサボって映画を見に行くほどの映画愛が、ユニークでエネルギッシュな監督デビュー作を生み出したのだ。

学生時代に観た映画で影響を受けたのは、なんと日本の監督たち。
「特に、河瀬直美監督の『沙羅双樹』(03)と石井克人監督の『茶の味』(04)を観ていました。そして、映画には文学以外の何かがあると気付いたのです」と述懐する。言葉で表現する文学と、脚本と俳優たちの演技に音楽を重ね合わせて映像で表現する映画との違いを見つけた。
お気に入りの女性監督の作品を問われ、カメラドール受賞の先輩である河瀬直美監督の『殯の森』(07)を上げている。

一方で、『若い女』を監督するに当たって影響を受けた作品はほんのひと握りだった。「撮影監督エミリー・ノブレに影響を与えた『Sue』(97)に加えて、マイク・リー監督の『ネイキッド』(92)のようなキャラクターありきの映画です。この映画で素晴らしい演技を披露している俳優デヴィッド・シューリスに匹敵する女優を見つけたかった」と、個性的で強烈なヒロインを求めた。
「例えば、バーバラ・ローデンが監督、脚本、主演をつとめた『ワンダ』(70)、ジョン・カサヴェテス監督作品『こわれゆく女』(75)のジーナ・ローランズ、ロッジ・ケリガン監督作品『Claire Dolan』(98)のカトリン・カートリッジなど、女性たちは孤独ですが、とても威厳があり、私にとって演出や演技のための基準点となったのです」と、名女優たちの演技を基準に演出したことを明かしている。

男に振られてもただ打ちひしがれるわけではなく、泣いたり暴れたりしながら自分の思いのたけをぶつけるポーラは今の時代を映すかのような新たなヒロインだ。
追い出された後も、他人のコートをこっそりくすねたり、知らないパーティーに紛れ込んでお酒を飲んだりとまさに自由奔放でやりたい放題。さまざまな人と出会い、まっすぐに相手と向き合い、ときにはしたたかに世界を切り開いていくポーラの姿は、多くの女性に勇気を与えること間違いなし。カンヌが認めた新たな才能、レオノール・セライユ監督作品『若い女』は、8月25日(土)より、ユーロスペース他で公開。

 

『若い女』トークショー付き女性限定試写会5組10名様ご招待!

本作の公開を記念し、下記日程において、モデルの小谷実由さん、映画ライターの新谷里映さんをお迎えし、トークショー付き女性限定試写会の実施が決定いたしました!皆様のご応募を心よりお待ちしております。※応募締切:8月9日(木)

【日時】8月20日(月)18:10受付開始/18:50開映
【場所】ユーロスペース2
(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3F)
◎登壇ゲスト(敬称略):小谷実由(モデル)、新谷里映(映画ライター)

詳細・応募方法はこちらへ→ https://goo.gl/w2n4PH

ポーラ、31歳。恋人は去り、額の傷と白い猫だけが残った。

ストーリー
フランス、パリ。31歳のポーラは、10年付き合った写真家の恋人に突然別れを告げられる。お金も、家も、仕事もないポーラは、恋人の飼い猫とともにパリを転々とするはめに。ところが、気ままな性格が災いし、居候先の友人宅からも、安宿からも追い出され、疎遠だった母親にも拒絶されてしまう。パリにはポーラの居場所などなかったのだ。なんとか住み込みのベビーシッターのバイトを探し出し、ショッピングモールの下着屋でも働き始める。ようやく自分の居場所を見つけたかに思えたが……。

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作品タイトル:『若い女』
監督・脚本:レオノール・セライユ
出演:レティシア・ドッシュ、グレゴワール・モンサンジョン、スレイマン・セイ・ンディアイ、ナタリー・リシャール
2017年/フランス/フランス語/97分/カラー/1:1.66/5.1ch/原題:Jeune Femme/英題:Montparnasse Bienvenüe/日本語字幕:手束紀子
サウンドトラック:(株)ワーナーミュージック・ジャパン
配給:サンリス

公式サイト:http://www.senlis.co.jp/wakai-onna
コピーライト:(c)2017 Blue Monday Productions

8月25日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー

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