3月27日［日本時間3月28日(月)］に行われた第94回アカデミー賞授賞式で、ベネディクト・カンバーバッチ主演作の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』にて、ジェーン・カンピオン監督が女性監督として史上3人目の快挙となる【監督賞】受賞に輝いた。『ハートロッカー』(2008)のキャスリン・ビグロー、『ノマドランド』(2020)のクロエ・ジャオに続いて、史上3人目の受賞となる。

『ピアノ・レッスン』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞、同作でアカデミー賞脚本賞受賞を誇る名監督ジェーン・カンピオンの11年ぶりの最新作で、監督賞を初受賞したカンピオン監督は「私は、ストーリーを深く掘り下げられる“監督”という仕事が好きです。同時に、世界を映し出すという使命に圧倒されることもあります。でも、ありがたいのは、私はひとりではないということ」と歓喜の表情で愛を語った。

そして、「ベネディクト・カンバーバッチ、キルスティン・ダンスト、コディ・スミット＝マクフィー、ジェシー・プレモンス。皆が才能の限りを尽くし、この困難なストーリーに挑んでくれたのです。そして、あたたかい心を持ったクルーの皆、素晴らしいプロデューサーたちにも感謝しています」と、カンバーバッチをはじめとする周囲への感謝を贈り、映画監督としての最大の栄誉を皆で分かち合った。

本作は、周囲の人々に畏怖を与えるカリスマ的な牧場主フィル・バーバンク（演：ベネディクト・カンバーバッチ）と、その弟ジョージ（演：ジェシー・プレモンス）、ジョージの妻ローズ（演：キルステン・ダンスト）らを巡る、絡み合う緊迫した関係をリアルに描く人間ドラマ。大牧場主のバーバンク兄弟はある日、地元の未亡人ローズと、その息子ピーター（演：コディ・スミット＝マクフィー）と出会う。その後、ジョージはローズの心を慰めて彼女と結婚。ショックを受けたフィルは、すべてを壊そうと執拗な攻撃を仕掛けるが、ある出来事をきっかけに、そんなフィルにも人を愛することの可能性が芽生えていくことに――。

現在配信中の本作は、日本のSNSでも「本当に観る価値のある作品。ここ最近の映画では最高」「カンバーバッチの演技が鬼気迫る」「衝撃的なラストシーン」など絶賛が相次いでいる。

ジェーン・カンピオン監督コメント全文

一緒にノミネートされた皆さんへ、最大限の賛辞を送ります。みなさん、本当に素晴らしく、才能のある方々で、誰が受賞してもおかしくなかったと思います。ニュージーランドとオーストラリアのみなさん、キア・オラ（こんにちは）。
私は、ストーリーを深く掘り下げられる“監督”という仕事が好きです。同時に、世界を映し出すという使命に圧倒されることもあります。でも、ありがたいのは、私はひとりではないということ。
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』では、友人と呼べるような俳優たちと作品を作ることができました。ベネディクト・カンバーバッチ、キルスティン・ダンスト、コディ・スミット＝マクフィー、ジェシー・プレモンス。皆が才能の限りを尽くし、この困難なストーリーに挑んでくれたのです。
そして、あたたかい心を持ったクルーの皆、素晴らしいプロデューサーたちにも感謝しています。いつも支えてくれたタニヤ・セガッチアンにエミール・シャーマン、イアン・カニング、ロジェ・フラピエ、ケイト・リクター。最初の段階から、この映画を信じてくれたNetflixの素晴らしいチームの皆さんにも感謝します。
そして、家族の皆。言わなくてもわかるわよね。特に、会場にいる娘のアリス。美しいパートナーのトニー。たくさんの愛と励ましをくれるあなたのおかげで、人生が楽しいものになるの。
何より、この映画は、私も会ったことのない1人の人物のおかげで生まれたものです。それは、優しさの対極にある無慈悲さについて綴ったトーマス・サヴェージ［※原作者］。
ありがとう、アカデミー。この受賞は、私にとって一生の名誉です。

ストーリー
カリスマ的存在で周囲から恐れられる牧場主フィル・バーバンク（ベネディクト・カンバーバッチ）。ある日、弟が妻だという女性（キルステン・ダンスト）とその息子（コディ・スミット＝マクフィー）を家に連れてくる。2人に対し酷い仕打ちを重ねるフィルだったが、やがて自分の中にある愛が何なのかを突き付けられる。

作品タイトル：Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
出演：ベネディクト・カンバーバッチ、キルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス、コディ・スミット＝マクフィー
監督・脚本：ジェーン・カンピオン
原作：トーマス・サヴェージ「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

Netflix作品ページ：https://www.netflix.com/jp/title/81127997

Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』独占配信中