黒崎煌代、遠藤憲一、井川遥、木竜麻生、菊池亜希子、中山慎悟、団塚唯我監督が登壇 『見はらし世代』ジャパンプレミア

映画『見はらし世代』のジャパンプレミアが9月2日、Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下にて実施され、主演の黒崎煌代をはじめ、共演の遠藤憲一、井川遥、木竜麻生、菊池亜希子、中山慎悟、団塚唯我監督が登壇した。

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中山慎悟、木竜麻生、井川遥、黒崎煌代、遠藤憲一、菊池亜希子、団塚唯我監督

本作は、第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に日本人史上最年少となる26歳で選出された、団塚監督のオリジナル脚本にして初の長編作品。主人公の青年・蓮と、結婚を控え将来について悩む姉、そして母の喪失をきっかけに姉弟と疎遠になったランドスケープデザイナーの父。渋谷の街を舞台に、関係を再び見つめ直そうとする彼らを通して、普遍的な家族の風景から、都市の再開発がもたらす影響までを繊細に描き出す。

満員御礼で迎えたこの日、本作で映画初主演を果たした黒崎は「今年の1月に撮影して。普段だったら“ようやく公開…”という感じだけれど“もう公開なんだ…”というのが素直な気持ち。カンヌもあって、あっと言う間の日々でもうこの日を迎えてしまったという寂しい気持ちもあります」と念願のジャパンプレミアを迎えた率直な感想を述べた。

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団塚監督とは別作品を通して以降、3年程の交流があったという黒崎は「友達の僕にこの役を投げてくれたという事は、そこから変に役作りをすると監督がイメージしたものから遠ざかってしまうと思った。あえて作り込まない作り込み方をしました」と役作りを回想し、「家族のストーリーで僕が主人公ではありますが、主演だから何かをしたとかはなくて、共演の皆さんに助けられて過ごした撮影期間でした」とスタッフ・キャストへの感謝を述べた。

そして団塚監督は、「カンヌのプレミアも今日と同じく本編上映前に舞台挨拶に登壇したけれど、今はカンヌの時よりも緊張しています。それは日本の観客の皆さんに観てもらうのを心待ちにしていたからです」と長編映画監督デビュー作のお披露目に万感の思いだった。

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「一番下っ端の人だと思ったら…監督だった」と、現在27歳の団塚監督の若さに驚いたという遠藤は、「初めて会った時にそう思った。だってこんなにお若い監督とやったことがないから」と苦笑いしつつ、「でも監督が手掛けられた短編作を観てビックリした。現場での演出も的確過ぎて鋭い。なので本作ではまるっと全部監督の言う事を聞きました」と新たな才能を絶賛。完成作については「凄いです。画の作り、カット割り、編集。すべてが今まで経験したことがなくて、正直ビックリした。若いってスゴイと思ったけれど、そうではなくて監督に才能があるからだとわかった」と舌を巻いた。

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井川も「団塚監督は鋭い。演出の判断が的確。なぜこの若さで色々な人の事がわかるのだろうかと驚きました。繊細だけれど、切り取るところは鋭い。でも現場は和気あいあい」と撮影を回想し、「完成作を観た時に、切り取り方でこんなにも違った見え方がするのかと驚いた。編集の部分でなるほどと唸らされました」と完成度に目を見張った。

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趣味であるピラティスがそのまま役柄の設定に反映された、というのは木竜。「監督から『その設定で行きましょう』と言われて。菊池さんはそれに合わせてピラティスに通ってくれたそうです」と裏話を明かし、菊池は「私の役がピラティスにそれなりに通っている設定だったので、これは通わねばと。プライベートでやってみようと思ってもなかなか続かないので、やらざるを得ない状況にしてくれて嬉しかったです」と一石二鳥だと喜んでいた。

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中山は黒崎との共演を回想。「黒崎君が木竜さんや菊池さんに繋げてくれて、黒崎君と一緒にいたら友達が出来そうだと思った」と笑った。

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団塚監督は本作の独特なタイトルについて「撮影中は『新しい景色』というタイトルでしたが、それでは固すぎるのではないかと。新しく変わることがテーマとしてあるので、そのイメージを“世代”という言葉に託そうと思った。観終わった後に考える余地のあるタイトルになるのではないかと思った」と狙いを明かした。

続いて、本作のタイトルにちなみ、それぞれが自分自身を「〇〇世代」に当てはめて発表することに。遠藤は「バブル世代。とはいうもの当時は四畳半の木造アパートに住んでいました」、井川は「就職氷河期世代。ほんのり就職していたので辞める時には凄く怒られました」、木竜は「ゆとり世代どんぴしゃ」、菊池は「モーニング娘。世代」、中山は「八村塁世代」、団塚監督は「ゆとり、さとり、Z世代…色々と言われました」と苦笑いだった。

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そんな中、黒崎が「僕は…見はらし世代です!」と胸を張ると、会場は拍手喝采。黒崎は「ありがとうございます!本作を観ていただき、僕の代表作だと思っていただけたら嬉しいです」と期待を込めた。

イベントの最後には、団塚監督が「本作は家族の映画で、自分の初めての長編監督映画でもあるので、観ていただくことに緊張しつつも嬉しい気持ちです。ロケは渋谷近辺で行ったので、映画を観終わって時間のある方は、街を歩いていただけたらと思います」と呼び掛けた。

そして黒崎も「みはらし世代というタイトルの意味は、映画を観てくれた人それぞれ考えるものがあると思います。SNS等で皆さんの“みはらし”の解釈を聞かせていただけたら嬉しいです。是非ともお楽しみください」とメッセージを送った。

ストーリー
再開発が進む東京・渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働く青年、蓮。ある日、蓮は配達中に父と数年ぶりに再会する。姉・恵美にそのことを話すが、恵美は一見すると我関せずといった様子で黙々と自分の結婚の準備を進めている。母失って以来、姉弟と父は疎遠になっていたのだ。悶々と日々を過ごしていた蓮だったが、彼はもう一度家族の距離を測り直そうとする。変わりゆく街並みを見つめながら、家族にとって、最後の一夜が始まる――

『見はらし世代』
出演:黒崎煌代 遠藤憲一 井川遥 木竜麻生 菊池亜希子 中村蒼 中山慎悟 吉岡睦雄 蘇鈺淳 服部樹咲 石田莉子 荒生凛太郎
監督・脚本:団塚唯我
企画・製作:山上徹二郎
製作:本間憲、金子幸輔、長峰憲司
プロデューサー:山上賢治
アソシエイト プロデューサー:鈴木俊明、菊地陽介
撮影:古屋幸一
照明:秋山恵二郎、平谷里紗
音響:岩﨑敢志
編集:真島宇一
美術:野々垣聡
制作プロダクション・配給:シグロ
配給協力:インターフィルム、レプロエンタテインメント
(C)2025 シグロ / レプロエンタテインメント
https://miharashisedai.com/

10月10日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国公開

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