映画『52ヘルツのクジラたち』杉咲花が大阪での舞台挨拶に登壇「本当に素晴らしい共演者の方に恵まれた」

52ヘルツのクジラたち

映画『52ヘルツのクジラたち』の公開記念舞台挨拶が、公開翌日の3月2日(土)、大阪のTOHOシネマズ なんばで実施され、上映後に杉咲花が登壇した。

自分の人生を家族に搾取されてきた主人公・三島貴瑚(みしま・きこ)を演じた杉咲花が、満席の観客から大きな拍手で迎えられると「大切な時間をこの映画に割いていただいてありがとうございます」と感無量の面持ちで挨拶し、舞台挨拶が始まった。

大阪が舞台だったNHK連続テレビ小説「おちょやん」で約1年大阪に住んでいた杉咲。MCから「おかえりなさい」と声をかけられると「大好きな街なので嬉しいです。私も「ただいま」と言いたくなる。大阪に来ると特別な感情が沸いてきます」と語り、「朝ドラの撮影中はコロナ禍だったのであまり外出できなかった」と振り返り、今一番行きたいところは「鶴橋」だと言うと、場内からは笑い声が。「キムチを買いに行きたい」と理由を明かし、さらに「さっき、いか焼きとたこ焼きも食べました。いつ食べても美味しいですよね」と笑顔を見せた。

前日に公開初日を迎えた本作。今の率直な思いを聞かれると「1人なので緊張しますね」とはにかみ、「映画どうだったかな?と聞いてみたい」と言うと場内からは大きな拍手が。

52ヘルツのクジラたち

本作の中でも特に印象的な貴瑚が大分で暮らすテラスのある家は、「監督と脚本家の方がシナリオハンティングの時に偶然見つけた場所」だったそう。「しかも、7年ほど前に迷いクジラが見えたそうで、ご縁を感じています」とのこと。「景色が本当に美しくて、天気にも恵まれて」と振り返り、東京での撮影後に大分で撮影したこともあり、「心が開けていく感覚があった。大分の土地の力もあったと思います」と思い返していた。

また、成島出監督と初めて会った時に「飛び込んできてください」と言われたと語り、「「作品の主役は主人公や監督ではなく、作品そのものだから、キャリアや役割といった垣根を超えたところでものづくりをしていきましょう」という言葉をかけてくださった。撮影でも常に価値観のすり合わせが行われていて、こんなにも真摯に取り組める環境を用意してくださったことに感謝しています」と話した。

続けて、貴瑚にとって特別な存在であるアンさんを演じた志尊淳さんについて、杉咲は「全てのシーンが強烈に私の中に残っている」と思いを語り、「貴瑚が母親に別れを告げに行くシーンの撮影では、本番の直前に必ず志尊くんが私の顔をじっと見つめてくれる。向けられる眼差しだけで心に届いてくるものがあった」と振り返り、「カメラに映らない時間こそ、すごく大切に愛情深く常に傍にいてくださった」と感謝の気持ちを述べた。

さらに、「志尊くんから言われた言葉」として、「「僕はアンさんのことをすごく尊敬しているけれど、自分はアンさんみたいな選択はできないんじゃないかと思う。だからこそ、現場で過ごす以外の時間もアンさんのように寄り添っていたいと思った」とおっしゃっていて。本当に素晴らしい共演者の方に恵まれたと思っています」と深い感謝の思いを語っていた。

52ヘルツのクジラたち

最後に、杉咲が「人の痛みを全てわかることはとても難しいことだと思いますが、わからないことは決して無力ではないと思っています。わからないからこそ、相手のことを知ろうと思えたり、優しくしたい、隣にいたいと思ったり。どうか諦めないで人と関わっていこうというメッセージを感じられるこの作品を大切に思っています」と力強く語った。

続けて、「私たちは1人でも多くの方がこの作品に居場所を感じてもらえるよう願いをこめて作りました。とても繊細な領域に踏み込んで描いた映画なので、いろんな意見があると思いますし、それを受け止めながら、この先も物語に関わっていきたいと思っています。また、出来上がった作品をここに届けにこられるように頑張りますので、良ければまた会いに来てください」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。


ストーリー
傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家へと移り住んできた貴瑚は、虐待され、声を出せなくなった「ムシ」と呼ばれる少年と出会う。かつて自分も、家族に虐待され、搾取されてきた彼女は、少年を見過ごすことが出来ず、一緒に暮らし始める。やがて、夢も未来もなかった少年に、たった一つの“願い”が芽生える。その願いをかなえることを決心した貴瑚は、自身の声なきSOSを聴き取り救い出してくれた、今はもう会えない安吾とのかけがえのない日々に想いを馳せ、あの時、聴けなかった声を聴くために、もう一度 立ち上がる──。

『52ヘルツのクジラたち』
出演:杉咲花
志尊淳
宮沢氷魚 / 小野花梨 桑名桃李
金子大地 西野七瀬 真飛聖 池谷のぶえ / 余貴美子 / 倍賞美津子
原作:町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)
監督:成島出
主題歌:「この長い旅の中で」Saucy Dog(A-Sketch)
2024年|日本|カラー|ビスタ|5.1chデジタル|136分
配給:ギャガ

公式サイト:https://gaga.ne.jp/52hz-movie/
公式Instagram:@52hzwhale_movie
公式X:@52hzwhale_movie
(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会

3月1日(金)より全国公開中

関西公開劇場:TOHOシネマズ 梅田 TOHOシネマズ なんば TOHOシネマズ 二条 OSシネマズ ミント神戸 ほか

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