【レポート】『白鍵と黒鍵の間に』一夜限りのジャズセッションライブ開催!池松壮亮、冨永昌敬監督のトークイベントも実施

映画『白鍵と黒鍵の間に』(10月6日(金)公開)の原作者である南博と、主人公・博のキャバレーバンドの仲間役・K助を演じたサックス奏者の松丸契(まつまる・けい)、本作の音楽も担当したピアニスト、魚返明未(おがえり・あみ)とジャズ界を牽引し続ける3名による夢のスペシャル・ジャズライブが行われ、主演の池松壮亮冨永昌敬監督も応援に駆けつけるトークイベントが行われた。

『白鍵と黒鍵の間に』スペシャル・ジャズライブイベント 実施概要

■日時:9月26日(火) 18:00~19:30 スペシャル・ジャズライブイベント
■場所:JAZZ LIVE SPOT B-flat(港区赤坂6-6-4 赤坂栄ビルB1F)
■登壇者(敬称略):南博、魚返明未、松丸契、池松壮亮、冨永昌敬監督

照明が落ち、大人な雰囲気漂う会場内は満席の客入り。早速、本作の原作者でもあり、ジャズ界を牽引するレジェンドのが登場すると、場内からは大きな拍手が。「映画の原作者でジャズ・ミュージシャンをやっております。この映画のクロージング曲を作曲しましたので、それを演奏しようと思います。曲名は“Nonchalant”。師匠からの言葉で、フランス語になるんですが、日本語で言うと軽妙にとか、軽快に、という意味合いになります。実はたくさんの意味があって、なかなか訳すのが難しいんです」と満席の場内にむけてこれから演奏する曲を自ら紹介。さらに、イベントの始まりにも関わらず「なぜ始めにクロージング曲を演奏するのか分からないのですが(笑)」と、場内の笑いを誘いながら、スッと体をピアノの正面に向けて演奏準備に入る。その流れるような美しい所作は、これまで幾度となく繰り返し、長い時間をかけて自らの身体に染み込ませた圧巻のオーラを纏っている。劇中にも何度も登場する「ノンシャラントに」というセリフに込めた想いを体現する、軽快で軽やかで、かつ繊細な美しいピアノの音色で場内は満たされた。演奏直後、は「本が映画になったので、どちらも楽しんで」と茶目っ気たっぷりにコメントし、颯爽と舞台を去っていく。

その直後、本作で南と博の二役を演じた主演の池松と冨永監督が登場。南の演奏に池松は「素晴らしかったですね。本編で初めてこの曲を聞いたんですけど、それ以来で。本当に素晴らしかったです」と感動しきり。冨永監督は「本の中で、実際に南さんが、師匠から“ノンシャラントに”という言葉を贈られたことがエピソードとして書かれていて。これは絶対に映画の中で描こうと思っていました。南さん自身の大事なエピソードとして受け取りましたし、映画の中でも実際にそう言うシーンを描いています」と、“ノンシャラントに”という言葉に込められた想いを明かしていた。

劇中、本作では一人二役という難しい役どころでもある中で実際にピアノ演奏も披露した池松。二役という役作りについては「あまりないことなので、二役できることを楽しもうと思っていました」とコメントしつつ、ピアノ演奏については「半年間、練習しました。すごくかっこいい編曲を魚返さんがしてくださったので…やります、と言ったことを何度後悔したか。楽譜も読めないから指の動きで覚えたりして…劇中にも何度も登場するセリフで“俺は一体なにをやっているんだ”という言葉があるんですけど、まさに“俺は一体なにをやっているんだ”と思ってましたね」とかなりの苦労があった事を告白。そんな演奏を現場で聞いた冨永監督は「大変なことをお願いしているのは分かっていたけど…」と前置きしつつ、池松のピアノ演奏の完成度の高さに「まさかここまでとは」と現場で驚いたそう。本来は予定していなかった池松本人の演奏の音を本編で使用するほど、池松の奏でる「ゴッドファーザー 愛のテーマ」に惚れ込んでいた。

さらに、このイベントにもサックス奏者として参加し、本作で俳優初挑戦に挑んだ松丸のキャスティングについて聞かれると冨永監督は「2,3年前にMVの撮影でお会いしていた。なんてかっこいい人なんだろう、この映画があるから覚えておかなきゃ、と思っていたんです」と初めて松丸に会ったときのエピソードを明かす。その後、何度か松丸のライブにも行っていたという監督は、ライブ終わりで高揚しているであろうタイミングを狙って松丸にオファーをしたそう。「映画に出てください、と行ったら“はい!”と言ってもらえて。いいタイミングに行きました(笑)」と場内の笑いを誘っていた。そんな松丸と初共演となった池松は「作り物じゃないオーラ、空気がありましたね。本当に心がいい人で、すごくピュアで良いエネルギーを映画に注いでくれたと思います。たった二日間の撮影でしたけど、楽しかったです」と俳優としての佇まいも絶賛。冨永監督も「(池松演じる)主人公のかつての相棒となる役どころ。池松くんと二人一緒に並んでいる現場をみて、間違っていなかったな、と感慨深いものがありました」と撮影を振り返り、興奮冷めやらぬまま始まった二人のトークイベントは、その熱気を帯びたまま最後まで盛り上がりを見せていた。

最後に、本作の音楽を担当し、池松が演奏する「ゴッドファーザー 愛のテーマ」のジャズアレンジも手掛けている魚返と、本作で俳優に初挑戦し、博のキャバレーバンドの仲間で互いに認め合うK助役を演じたサックス奏者・松丸が登場。本作の公開を記念したこの日、この一夜だけの超特別スペシャルセッションが行われた。

魚返はピアノ、松丸はもちろんサックスで、披露されたのは計6曲。「ゴッドファーザー 愛のテーマ」にはじまり、本作を彩る劇中の音楽から、「メインテーマ」、「みずうみの独奏(ブルース)」、「一晩三年」、「即興演奏(“壊れたピアノ”の代わりに)」、「Coming Now」を演奏。トークイベントで盛り上がった熱気を包み込んだまま、二人の生演奏で流れはじめた「ゴッドファーザー 愛のテーマ」に場内の空気は大きく震え、彼らの奏でる音楽に酔いしれる贅沢な一時が流れていく。ラストの曲を終えると、場内からは名残惜しいとばかりに盛大な拍手が贈られ、まさに“ノンシャラントな“一夜限りのスペシャル・ジャズライブイベントは大盛況のなか幕を閉じた。

本ジャズ・イベントでの演奏曲

・南博によるピアノ演奏曲:「Nonchalant」 
・魚返明未、松丸契による演奏曲:
「ゴッドファーザー 愛のテーマ」
「メインテーマ」
「みずうみの独奏(ブルース)」
「一晩三年」
「即興演奏(“壊れたピアノ”の代わりに)」
「Coming Now」 
※「ゴッドファーザー 愛のテーマ」以外は、映画の劇伴またはエンディング曲になります。

作品タイトル:『白鍵と黒鍵の間に』
出演:池松壮亮
仲里依紗 森田剛
クリスタル・ケイ 松丸契 川瀬陽太
杉山ひこひこ 中山来未 福津健創 日高ボブ美
佐野史郎 洞口依子 松尾貴史 / 高橋和也
原作:南博「白鍵と黒鍵の間に」(小学館文庫刊)
監督:冨永昌敬
脚本:冨永昌敬 高橋知由
音楽:魚返明未
製作:大熊一成 太田和宏 甲斐真樹 佐藤央 前信介 澤將晃
プロデューサー:横山蘭平 アソシエイト・プロデューサー:白川直人 寺田悠輔 ライン・プロデューサー:荒木孝眞
撮影:三村和弘 照明:中村晋平 録音:山本タカアキ 美術:仲前智治 装飾:須坂文昭
ヘアメイクデザイン:西村佳苗子 助監督:久保朝洋 制作担当:中村哲也 スクリプター:押田智子
編集:堀切基和 仕上担当:田巻源太 エンディング音楽:南博 宣伝プロデューサー:小口心平
製作幹事:ポニーキャニオン/スタイルジャム
制作プロダクション:東京テアトル/スタイルジャム
制作協力:ARAKINC.
製作:「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
2023年/日本/94分/カラー/シネスコ/5.1ch
配給:東京テアトル

公式サイト:hakkentokokken.com
公式Twitter:@hakkentokokken
コピーライト:(C)2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

10月6日(金)テアトル新宿ほか全国公開

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