【レポート】映画『市子』杉咲花と戸田彬弘監督が名古屋・大阪で行われた先行上映会の舞台挨拶に登場!

市子

映画『市子』(12月8日(金)公開)の先行上映会が名古屋・大阪で行われ、主演の杉咲花と戸田彬弘監督が舞台挨拶に登壇した。

映画『市子』名古屋・大阪 舞台挨拶付先行上映会

【名古屋】
◆日時:12月4日(月) 18:10~18:40
◆場所:伏見ミリオン座
◆登壇者:杉咲花、戸田彬弘監督

【大阪】
◆日時:12月5日(火) 19:00~19:30
◆場所:TOHOシネマズ なんば
◆登壇者:杉咲花、戸田彬弘監督

まず二人が大きな拍手を送られながら登壇したのは、名古屋は伏見ミリオン座。当日に名古屋に到着したばかりの杉咲だが、「今日はひつまぶしと手羽先を頂きました」と早くも名古屋を堪能している様子。

これまで釜山・東京と国際映画祭にも出品されてきた『市子』だが、一般の観客に映画を観てもらうことに対して監督は「本当に、映画というものはいろんな方に届いていって欲しいものだと思います。こうしてお客様に映画がどう評価されていくのかいつも怖いと思っていて、今日も緊張しております」と率直に心の内を打ち明けた。杉咲は「ドキドキしますし、『市子』という作品は自分にとって特別な作品なので、あと少しで自分たちの元から巣立ってしまうんだなという寂しさを感じています。みなさんがどういう風にこの作品を受け止めてくださるのか楽しみな気持ちもあり、気に入って頂けたら光栄です」と、公開直前の心情を語った。

撮影時の印象的なエピソードを聞かれると、監督が「僕は凄く驚いたことがありまして…」と切り出し杉咲にまつわる初披露の裏話を。「予告編にもある市子がトンネルの中を駆け抜けていくシーンなのですが、衣装がスカートとサンダルなのに走るのが滅茶苦茶早くて、男性のカメラマンと録音部が追いついていけないほどでした。「足が速いんですね」と杉咲さんに伝えたら「そうなんです」と爽やかに答えられたので記憶に残っています」と語り笑いに包まれた場内。杉咲も笑い声をあげながら「転んでしまったらどうしようと思い、死に物狂いで走っていました」と当時を振り返った。

一方、杉咲は「脚本には具体的にどういう感情になるとは書いていなかったんですが、どうしようもなく心が動いてしまうシーンがありました」と、若葉竜也演じる長谷川と対峙するプロポーズシーンについて言及。それに対し、監督は「その撮影のシーンの後、若葉くんが僕のところに来て「杉咲さん芝居ヤバすぎるんですけど」と言ってましたよ。ちゃんと杉咲さんの演技を感じ取っていたと思います」と杉咲も知らないエピソードを伝え、杉咲は嬉しそうな表情を浮かべた。

12月5日には、満席の大阪TOHOシネマズ なんばにて舞台挨拶を実施。昨年夏に行われた『市子』の撮影以来、初めて大阪を訪れたという杉咲と、奈良出身の監督には馴染の深い場所であり“凱旋”という形となった。「大阪という街は笑いにはとても厳しいイメージがあるのですが、映画に対しての良し悪しもはっきりされている街だと思うのでプレッシャーを感じています」と監督は緊張気味。

物語の舞台は東大阪、関西弁を話す市子だが、その設定に関して監督は「市子はある境遇を背負った女の子で、現実世界にもそういった方々は実際にいらっしゃいます。彼女が生きている時代・世界と、観て頂く方が生きている今の時代・世界が重なるようにしていきたいと思いました。標準語で演じてしまうとそこに匿名性が生まれ、ニュートラルなものになってしまう気がし、僕自身にもゆかりのある関西弁を選びました」とその拘りを明かした。

公開を前にいち早く鑑賞したマスコミ・観客から、既に絶賛の声が上がっている『市子』。感想を受けた杉咲は「市子を、実在している人物のように捉えてくださる方がいらっしゃっるんです。私はこの映画は自分たちの暮らしの地続きのところにある話だと思っているので、物語の中の人物としてではなく、本当に近くにいる人のように感じて頂けてとても嬉しかったです」と話す。監督もこの杉咲の言葉に深く頷き、「“市子が側にいた気がする”“町ですれ違っていたんじゃないかと思ってしまう”という感想を頂きます。フィクションという距離感では無く、現実社会を生きている自分たちの身近にある問題であると感じて頂けていることが嬉しいです」と語った。

最後にコメントを求められた杉咲は「市子を演じた時間は、かけがえのない時間でした。自分自身が嬉しいことや悲しいこと、その全てを他者に知ってもらうことが出来ないように、その人にしか分からないことがある。そういうことを、想像して、想像して、想像することが他者と関わっていくことなのだと考えさせられました。みなさまが市子という人物をどう受け止めてくださるのか、凄く興味があります。自分の生活に置き換えて、すぐ隣にいる人の話だと思ってこの映画を観て頂けたら嬉しいです」と作品に込められたメッセージを伝えた。


ストーリー
川辺市子(杉咲花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途方に暮れる長谷川の元に訪れたのは、市子を探しているという刑事・後藤(宇野祥平)。後藤は、長谷川の目の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生…と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。そんな中、長谷川は市子が置いていったカバンの底から一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷川は、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。

作品タイトル:『市子』
出演:杉咲 花 若葉竜也 森永悠希 倉 悠貴 中田青渚 石川瑠華 大浦千佳 渡辺大知 宇野祥平 中村ゆり
監督:戸田彬弘
原作:戯曲「川辺市子のために」(戸田彬弘)
脚本:上村奈帆 戸田彬弘
音楽:茂野雅道
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/ichiko-movie/
公式X:@movie_ichiko
コピーライト:(C)2023 映画「市子」製作委員会

12月8日(金)テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

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