【レポート】映画『愛しのアイリーン』公開記念トークイベントで漫画家の奥浩哉氏が吉田監督を絶賛!作品づくりの信念を語る

愛しのアイリーン

新井英樹原作の熱狂的なファンを持つ漫画の実写映画『愛しのアイリーン』の公開を記念し、「人生で一番影響を受けた」と公言する作品の映画化を見事に果たした吉田恵輔監督と、テレビアニメや実写映画化、さらにフル3DCGアニメーションでの映画化や舞台化され、累計発行部数2100万部以上を売り上げた「GANTZ」や今年実写映画化された「いぬやしき」など次々と大ヒット作を生み出している漫画界の鬼才・奥浩哉を招き、公開記念トークイベントが開催された。

かねてより吉田恵輔監督のファンであったという奥は、「『麦子さんと』と『ばしゃ馬さんとビッグマウス』から監督を知って、『ヒメアノ~ル』でガツッと掴まれ、この監督は日本の監督の中で一番好きだと思いました。好きすぎてDVDを全作買って、“吉田恵輔の棚”作ったくらい(笑)」と熱狂的なファンぶりをアピール。そんな“吉田信者”である奥は、本作『愛しのアイリーン』について「(コメントの寄稿をする上で)自宅で拝見させていただき、泣きましたね。2回目となる今日は初めてスクリーンで観ましたが、分かっていても泣きました。吉田監督の全作品見た中で、最高傑作!」とべた褒め。また、それを受けて吉田監督も、「自分が妄想していることがそのまま奥先生の漫画のシーンになっていることがあって。自分だけが危ない妄想してるわけじゃないんだとほっとします。先生が描く女性キャラは大きく分けて2パターンあると思いますが、どちらも自分のタイプ。大好きです。」と、奥作品との共感を語った。

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本作『愛しのアイリーン』の主人公の岩男(安田顕)の母・ツルを演じた木野花について奥が、「演じた木野花さんには、日本アカデミー賞を狙えますよね。素晴らしい演技でした」と称えると、この日MCとして同席していた映画評論家の森直人からは「『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドを連想させる存在感でしたよね」と今年のアカデミー賞主演女優賞を受賞したマクドーマンドに例え、これまでの優しい母・祖母のイメージを打ち砕き、真夏の猛暑や極寒の冬のロケなど命がけで演じた、“夜叉”のような木野花を絶賛した。

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漫画家と映画監督として作品を生み出す話になると吉田監督は、「制作過程で「客観的に見て何々だから、変えたほうがいい」といわれることがよくあるんですが、聞いてみるとその人の“主観“に過ぎないことがほとんど。誰かの”主観“に振り回されて失敗するより、自分の”主観”で作ってそれで人がついて来ないほうが納得がいく。自分の仕事が無くなるだけなので。」と作品作りにおける自ら曲げられない信念について語ると、奥も「僕も読者のため、とかではなくもう一人いる自分が面白がるものを、と思って描いています。」と同調。

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映画の最後に流れるエンドクレジットの一番後に“監督”として自分の名が出ることに対し吉田監督は、「面白さの責任は監督が持たないといけないと思っています。ヒットするしないは他にも要因があるけど、面白さの“質”は自分が守らなきゃいけないという気持ちがあります。なので、(映画について)ボロカス言われるのはいいけど、自分で「失敗しちゃったんだよね(笑)」みたいに卑下してはいけないと思っています」と監督としてのプライドを語った。

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最後にMCから自分の漫画を吉田監督に実写化してもらえるなら何がいいかと聞かれた奥は、「どの作品でも、企画が立ち上がるなら是非やってほしい!」とコメントし、それを受けた吉田監督は「(奥の作品を実写化するには)CGのやり方覚えないといけないからそこは自信がないけど、やってみたい(笑)」と本作『愛しのアイリーン』の実写映画化を成功させた吉田恵輔が奥浩哉作品の映画化に期待を含ませ、イベントを締めくくった。

※吉田恵輔監督の「吉」の正式表記は「土よし」です。

作品タイトル:『愛しのアイリーン』
出演:安田顕 ナッツ・シトイ 河井青葉 ディオンヌ・モンサント
福士誠治 品川徹 田中要次/伊勢谷友介/木野花
監督・脚本:吉田恵輔
原作:新井英樹「愛しのアイリーン」(太田出版刊)
音楽:ウォン・ウィンツァン
主題歌:奇妙礼太郎「水面の輪舞曲(ロンド)」 (WARNER MUSIC JAPAN/HIP LAND MUSIC CORPORATION)
企画・製作:河村光庸
製作:瀬井哲也 宮崎伸夫
エグゼクティヴ・プロデューサー:河村光庸 岡本東郎
プロデューサー:佐藤順子 行実良 飯田雅裕
製作幹事:VAP
制作協力プロダクション:SS工房
(VAP/スターサンズ/朝日新聞社)
レイティング:R15+
企画・制作・配給:スターサンズ

公式サイト:http://irene-movie.jp/
コピーライト:(c)2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ

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