【レポート】『MINAMATAーミナマター』ユージン・スミスの信念に現代のインフルエンサーが共鳴!トークイベント開催

MINAMATAーミナマター

ジョニー・デップ製作/主演最新作『MINAMATAーミナマター』(9月23日(木・祝)公開)のトークイベントが開催された。

「映画と人を繋ぐ」をモットーに、映画とファンをつなぐ、新しい出会いの場を提供する活動を行うコミュニティ“uni”。この度、uniが本作を観て欲しい人を招待した「uniセレクトシネマ」にて試写会を実施。上映後のトークイベントには、汐田海平(映画プロデューサー)、もっちゃん(映画好きYouTuber)、しんのすけ(映画感想TikToker)が登壇した。

『MINAMATA−ミナマタ−』uniセレクトシネマ トークイベント 概要

日時:9月9日(木) 20:10〜20:40
会場:ユーロライブ (住所 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
登壇者(敬称略)汐田海平(映画プロデューサー)、もっちゃん(映画好きYouTuber)、しんのすけ(映画感想TikToker)

鑑賞後の余韻が冷めやらぬ中、ゲストの一言挨拶後にトークイベントがスタート。しんのすけはこの映画について「水俣の問題が取り上げられがちだけど、感動したのはクリエイティブと発信。当時の伝えられる手段を最大限に使ったこと。」と語り、まず話題はユージン・スミスについて。もっちゃんは「戦場カメラマンとして活躍し、やがて戦争にまきこまれている民間人に目を向け、それが水俣へと繋がっていく。信念のある人だと感じた。」とコメント。汐田は「報道カメラマンから、民間や医療へと被写体が向いていく。そこには強い思いがあったと思う。」と分析。当時ユージンがウィスキーをガソリンのように呑んでいた話で盛り上がりながらも、しんのすけは「ユージンの物語を描くということで企画がスタートし、ジョニーと監督が賛同、そのテーマが水俣だった。水俣の物語であるけど、写真家で発信する人である、ユージンを描いている。」と語った。

MINAMATAーミナマター

続けて制作について、しんのすけは「監督が坂本龍一さんのファンでオファーし、坂本さんだけの試写会を行なった。坂本さんは作品を観て運命的なものを感じ、この映画の音楽を手がけた。普通だったら企画段階で入れるようなすごい人が、この作品を観て賛同してつくったことに驚いた。」と熱く語る。もっちゃんは「水俣でロケハンした時に、風景が当時と違うので再現が難しく、この映画はセルビア、モンテネグロで撮影したたけど、現地スタッフの熱量もすごかったよう。スタッフは2001年までのユーゴスラビア紛争を経験した人もいたからこそ、ユージンの姿に共感するものがあったと思う。」と話し、スタッフがこの映画に賛同して集結したことにも意義があると語った。

印象的なキャストについて、まずもっちゃんは「熊本出身の國村さんがこの映画に興味を持ち出演されたけど、チッソの社長を単純な悪役ではなく、一面的でない人間の奥深さを表現した姿に心を打たれた。」とコメント。しんのすけは、「青木柚さん演じる、カメラを教わるシゲルくん。『うみべの女の子』に出てるあの主演の子だと思わなくて、驚いた。ジョニーとの二人の芝居も多くて、素晴らしいアンサンブルだった。」と絶賛。

そしてイベントの一番のテーマである発信について。汐田は「当時はメディアが光をあてないと描かれなかったことはたくさんあるけど、今は誰でも親指一本で発信できる。だからこそ、感じたことがあった。」とコメント。しんのすけは「アイリーンに対し、ユージンが『カメラを向けろ、感情に支配されるな』というセリフに泣いた。あの言葉には、発信する者としての覚悟を感じた。」と熱く語った。もっちゃんは「この映画は写真の力で世界を動かした。発信することで、誰かを傷つけたりするのではと怖くなることもあるけど、映画の情報をyoutubeで発信して、それを見て映画を観に行ったと言われると嬉しい。」とコメント。

MINAMATAーミナマター

しんのすけは、「カルト宗教の両親を持つ娘役を芦田愛菜さんが演じた『星の子』をTikTokで紹介したのをきっかけに、その映画とまさに同じ境遇である中学3年生の子が、映画を観たと語る。当事者として、自分がどう見られているのか、映画を通して客観的な視点を持てたという感想をもらえた時に嬉しかった。」と打ち明けた。汐田は、「プロデューサーとして携わった『佐々木、イン、マイマイン』を、尊敬してる作家さんがTwitterで最高だったと紹介して、それに対し引用リツイートでコメントした。最近出版されたその作家さんの私小説で、自分が引用リツイートしたことのエピソードが書かれていた。発信がお互いのエンパワーメントになっていることに感動し、辛いこともそのことを思い出したら、なんかやれるなと感じた。」と語った。

最後に発信の力について、もっちゃんは「水俣については教科書で学んだくらいで、あまり知らなかった。いい作品だから、広げて欲しい」と会場の観客へ向けて思いを語った。しんのすけは「今は、全員が発信する人間。現像の手間に対して、親指一本で発信できることを改めて感じて欲しい。」とコメントし、イベントを締めくくった。

ストーリー
1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀に冒され歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。そんな光景に驚きながらも冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、ある事がきっかけで自身も危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。

作品タイトル:『MINAMATAーミナマター』
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、キャサリン・ジェンキンス and ビル・ナイ
製作:ジョニー・デップ
監督:アンドリュー・レヴィタス
脚本:デヴィッド・ケスラー
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
音楽:坂本龍一
2020年/アメリカ/英語・日本語/115分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/原題:MINAMATA/日本語字幕:髙内朝子
提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム

公式サイト:longride.jp/minamata/
公式Twitter:@MINAMATA_movie
コピーライト:(c) 2020 MINAMATA FILM, LLC 写真コピーライト:(c) Larry Horricks

9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開

 

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