[レポート]『ヒトラーと戦った22日間』ロシア大使、イスラエル公使が登壇!<ソビボル絶滅収容所脱出>から考える世界の今

ヒトラーと戦った22日間
ガルージン大使(左)とサヴィオン公使(右)初めての固い握手

【実話】を基に、アウシュヴィッツと並ぶソビボルで起こった絶滅収容所最大の脱出劇を描いた『ヒトラーと戦った22日間』(配給:ファインフィルムズ、9月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか公開)の公開を記念して、このたび9月4日(火)に東京女子大にて公開記念イベントが行われた。
イベントでは、ガルージンロシア大使とサヴィオンイスラエル公使の特別挨拶が行われた。舞台となった第二次世界大戦、ホロコーストの記憶のない世代が増える中、歴史を再認識する機会となった。

最初に登壇したロシアのガルージン大使は「近年ではウクライナ、エストニアほかロシア周辺国、また絶滅収容所のあったポーランドにおいても、歴史の書き換えや、ナチスとそのイデオロギーを称賛し、過去の犯罪を美化する傾向が見受けられます。『ヒトラーと戦った22日間』は、第二次世界大戦に関する記録、それからサバイバーたちの記憶を若い世代に伝える為に極めて重要な映画だと思っています。ロシア人、ユダヤ人だけでなく、様々な民族が見せた英雄的行為についての映画です。そして、ロシアの国民的俳優コンスタンチン・ハベンスキーが初監督を務める作品の日本公開でもあります。この映画をたくさんの方々に観てもらえることを期待して、挨拶の言葉に代えたいと思います。」と述べた。

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ロシアの<世紀のアイコン>コンスタンチン・ハベンスキー

続いて登壇したイスラエルのサヴィオン公使は「『ヒトラーと戦った22日間』は第二次世界大戦においても最も絶望的な、絶滅収容所の中であった「勇気」の物語です。絶滅収容所の現実を映し出しており、観るのが辛い側面もありますが、歴史的観点からの重要性は計り知れません。これは非人道的な環境にあっても人間であろうとし続けた人々の、戦いと希望の物語です。私たちが語り続けていかなければならない物語でもあります。私の母はホロコーストを生き延びたサバイバーであり、私は第二世代です。また、イスラエルという国の外交官としても、このようなことは二度と起こさせない、と強くお伝えしたいです。」と結んだ。

上映後のトークイベントに登壇した東京女子大学名誉教授の芝健介氏は、ソビボル絶滅収容所が作られた経緯や、実在の登場人物のその後など、短い時間ながらも作品により深い理解をもたらすエピソードを披露。「今は歴史が攻撃される時代、事実が重んじられない時代だと感じる。ナチのこういった側面を知る意味でも、この作品を観る意義はある。」と語った。
本作はロシアで『アベンジャーズ/インフィニティーウォー』に次いで初登場2位、3週連続でベスト3に入るという大ヒットを記録。いよいよ今週末より日本公開となる。

ストーリー
アウシュヴィッツと並ぶ絶滅収容所ソビボル。死が待つとは知らず、多くのユダヤ人が国籍や貧富の差関係なく列車で送り込まれ、ガス室で大量殺戮されていった。残った者には虐待と屈辱の日々が続く。そんな中、秘かに脱出を企てるグループがあった。しかし彼らには強力なリーダーがいない。そこに1943年9月、ソ連の軍人でサーシャことアレクサンドル・ペチェルスキーが収容者として移されてくると、彼と仲間は、緻密な計画のもと前代未聞の反乱を計画する。それは収容者“全員の脱出”だった。これまで歴史に隠されてきた“絶滅収容所で起こった最大の反乱”は、一体どのように成し遂げられたのか。

作品タイトル:『ヒトラーと戦った22日間』
出演:コンスタンチン・ハベンスキー、クリストファー・ランバート、ミハリーナ・オリシャンスカ
監督:コンスタンチン・ハベンスキー
2018/ロシア、ドイツ、リトアニア、ポーランド/カラー/ロシア語、ドイツ語、イディッシュ語他/118分
原題:Собибор
英題:Sobibor
字幕監修:髙尾千津子
映倫:PG12
後援:ロシア文化フェスティバル組織委員会、駐日ロシア連邦大使館、ロシア連邦交流庁(Rossotrudnichestvo)
配給:ファインフィルムズ

公式サイト:www.finefilms.co.jp/sobibor
コピーライト:(c)Cinema Production

9月8日(土)より
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他にてロードショー

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