【レポート】映画『梅切らぬバカ』公開記念舞台挨拶で加賀まりこ、満席の観客からの拍手に感無量! ―公開中

梅切らぬバカ

母親と自閉症を抱える息子が社会の中で生きていく様を描いた映画『梅切らぬバカ』の公開記念舞台挨拶に、加賀まりこ、塚地武雅、和島香太郎監督が登壇した。

『梅切らぬバカ』公開記念舞台挨拶 概要

日時:11月14日(日) 14:10~14:40
登壇者(敬称略):加賀まりこ、塚地武雅、和島香太郎監督
場所:シネスイッチ銀座 スイッチ1

加賀、塚地、和島監督は満席の客席を目の当たりにし、感慨深げな表情でステージに登壇。加賀は「今日という日を迎えられれて、大変嬉しいです。当初は東名阪の少ない劇場数からスタートして、今現在では上映劇場が74館となったそうです。こんなにも上映してくださるところが増えたのがとても嬉しいです。」と感謝を述べた。

また、公開から3日が経ち、周りからの反響を尋ねられた加賀は「70年来の小学校の時からの友達が観に来てくれて、“映画館であんなに拍手をしたのも、ウルっときたのも初めてだった、加賀は良かったよ”とメールをもらいました。嬉しかったです」と明かした。

初日に劇場を訪れ、観客と一緒に鑑賞した塚地は「後ろの方で観させてもらったのですが、会場が温かい雰囲気で、笑い声が上がってました。最後には涙ぐむ人もいらして…SNSでの感想をみると、自閉症の子供を持つお母さんがお子さんと一緒に観に行かれたみたいで、お子さんがじっくりとスクリーンを観ていたというコメントや映画を観た後に知らない人同士でご飯を食べに行った等と書かれいてたので嬉しい限りです」と語った。

また、和島監督も公開を迎え、「撮影や上映を通して思うのは、自分が珠子さんや忠さんの心をすべて理解しているのではないということ。演じたキャストとの対話や観ていただいた方の感想を聞いたりしながら、撮影後により深く理解していけるということが映画の素晴らしさだなと思います。自分自身が人間のことをもっと知ることが出来たり、社会と前よりも繋がっていけるということをとても実感しています。」と話した。

公開前のプロモーション活動に精力的に取り組んだ感想を聞かれた加賀は「作品の力です!」と力強く答え、塚地も「何もしていません(笑)」と話すと、場内は笑いと拍手に包まれるひと幕も。

本作の見どころについて、加賀は全部観て欲しいけれど、と前置きをした上で「観てらっしゃる方が(劇中の)息子の忠さんのことを好きになって欲しいと念じて演じたので、それを感じ取ってもらえたら嬉しいです」と思いの丈を述べた。また、劇中の衣装にもこだわったそうで、「用意してもらった割烹着や手ぬぐいは新品すぎるので、一度家に持ち帰って使ってから、撮影で使用しました。生活感を出すために普段使っている爪切りやステッキも持ち込みました」と明かした。

和島監督は「加賀さんに割烹着というイメージがなかったのでどうなんだろうと思っていたのですが、衣装合わせの際にすごく似合っていたので、安心しました」と不安を感じていたことを打ち明けると、「プロだから!」と間髪入れずに突っ込む加賀

塚地も「お綺麗で貫禄があるし、ラフな格好で現場に来られてもオーラがあるので加賀さんと分かるんですが、衣装を着たら、庶民的なお母さんになってその場に馴染んでいるんですよ。あれ、近所の人が見学に来たのかな?ぐらいでした」と話すと、再び、加賀は「プロ、プロ(笑)」と突っ込み、再び場内は笑いに包まれた。

劇中、特にこだわった部分について和島監督は「すべての部分で日常を大切にしていました。すべてのスタッフの方が珠子と忠さんの生活に寄り添ってくれて、古民家や梅の木がどうすれば偽りに見えずに、馴染むのか想像力を働かせてくれました。」と振り返り、「スタッフ一人一人が作品をとても大事にしてくれたのが嬉しかったです」と制作陣の支えに感謝した。

また、加賀との共演シーンを振り返って、塚地は「何も打合せはしなかったんです。僕自身は日常生活のルーティーンをしているだけで、加賀さんがすべてフォローしてくれました」と語り、加賀も「狭い空間に、ちょっと大きめの息子と上手にすれ違うのが大変だったけど(笑)そんなにリハーサルやテストをしないで撮影できたのにはびっくりしたわね」と回想。

和島監督の次回作が期待されると話を振られた加賀は、「ネクストですよ!大事なの次!これだけ色々観ていただいたら、みんな期待すると思うから次の作品は重要!私たちが出たかったと悔しがる作品をお願いします」と檄を飛ばした。その言葉に恐縮しながらも、本作を通じて学んだこととして、和島監督は「“真正面から向き合う”ことの大切さを学びました。加賀さんが自分の気持ちをまっすぐにぶつけてくれたので、自分なりに精一杯、加賀さんや作品と向き合い、その加賀さんの作品に対する愛情、思いを作品に詰め込みました」と語った。

最後にメッセージを求められた塚地が、「一日一日の積み重ねが人生。人生の中には苦労も沢山あるけれど、幸せも沢山あるんだと教えてくれる映画だと思います。山田家の親子を温かく見守っていただけたらなと思います。そして、もし宜しければ!観終わって、良かったなと思われたら、SNSや口コミで勧めてもらったり、帰りの電車で独り言のように“『梅切らぬバカ』良かったなぁ”なんて言っていただいて、皆さんに広報を担当してもらえたら嬉しいです」と訴えると、「忠さん、そんなに押し付けちゃダメよ(笑)」と加賀からチクリ。

そして加賀は、「私はただひたすら、忠さんのような子を街中で見かける時に微笑んでください。それだけをお願いします」と宣伝時から伝えてきた思いの丈を改めて述べた。

梅切らぬバカ

イントロダクション
本作で54年ぶりの主演を務める加賀まりこが演じるのは、軽口を叩きながらも、愛情と包容力にあふれる母親・珠子。小柄な身体で大きな息子の世話をする姿はとてもチャーミング。だからこそ、やがて訪れる“息子が1人で生きる未来”を案ずる横顔が、より一層切なく観る者の胸に迫る。息子・忠男役には『間宮兄弟』で日本アカデミー賞新人賞を受賞し、NHK連続テレビ小説「おちょやん」など俳優としても活躍中のドランクドラゴンの塚地武雅。さらに、珠子たちの家の隣に引っ越してきた里村夫婦を、渡辺いっけい森口瑤子が演じ、珠子と交流を深めていく里村家の息子・草太をドラマ「浦安鉄筋家族」の小鉄役が記憶に新しい斎藤汰鷹が好演。地域コミュニティとの不和や偏見といった問題を取り入れながらも、揺るぎない親子の絆と、他者との触れ合いを描き、あたたかな感動をもたらす。

ストーリー
父親代わりの梅の木が運んでくれた“小さな奇跡”とは…?
山田珠子は、息子・忠男と二人暮らし。毎朝決まった時間に起床して、朝食をとり、決まった時間に家を出る。庭にある梅の木の枝は伸び放題で、隣の里村家からは苦情が届いていた。ある日、グループホームの入居案内を受けた珠子は、悩んだ末に忠男の入居を決める。初めて離れて暮らすことになった忠男は環境の変化に戸惑い、ある晩ホームを抜け出してしまう。そして、珠子は邪魔になる梅の木を切ることを決意するが…。

作品タイトル:『梅切らぬバカ』
出演:加賀まりこ 塚地武雅
渡辺いっけい 森口瑤子 斎藤汰鷹 / 林家正蔵 高島礼子
監督・脚本:和島香太郎
配給:ハピネットファントム・スタジオ
文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」長編映画の実地研修完成作品

公式サイト:https://happinet-phantom.com/umekiranubaka/
公式Twitter:https://twitter.com/umekiranubaka
コピーライト:(c)2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト

シネスイッチ銀座ほか全国にて絶賛上映中!!

 

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