坂上泉の小説を高橋一生主演でドラマ化した「連続ドラマW 1972 渚の螢火」のフルキャスト10名が発表となり、特報が公開された。

舞台は1972年、沖縄。本土復帰が目前に迫った中、現金を輸送していた銀行の車両が何者かに襲撃され、100万ドルが強奪される事件が発生する。当時沖縄では復帰に際し円ドル交換(米占領下ではドルを使用していたが、復帰に伴い円への交換が必要だった)が琉球政府の重要事業と位置付けられており、琉球警察はこの件が日本政府やアメリカ政府に知られると、重大な外交問題に発展しかねないと、これを秘密裏に解決する特別対策室を編成。復帰までの期限は18日。彼らは事件解決に奔走するが……。
捜査に当たる特別対策室の班長・真栄田太一を演じるのは高橋一生。真栄田は石垣島出身、さらに東京の大学に進学し琉球警察に入署したエリート。沖縄の出身でありながら地元の署員からは「ないちゃー(本土の人間)」と揶揄され、真栄田は自分が何者なのかアイデンティティを問い続ける。本作で高橋は、連続ドラマW作品で初主演を飾る。
監督は、『愛を乞うひと』(98)、『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』(19)の平山秀幸。高橋とは『よい子と遊ぼう』(94)、「連続ドラマW ヒトリシズカ」(12)以来、3度目のタッグとなる。
琉球警察の特別対策室メンバーは真栄田を含め5人。真栄田とは高校の同級生でありながら彼をライバル視する捜査一課班長・与那覇清徳(よなは・せいとく)役に青木崇高、対策室の室長で引退間際のベテラン刑事・玉城泰栄(たましろ・たいえい)役に小林薫、会計課で事務をしていたところを玉城に抜擢された新里愛子(しんざと・あいこ)役をオーディションで選ばれた沖縄出身の清島千楓、所轄だったが何も知らされず対策室に突如配属された比嘉雄二(ひが・ゆうじ)役を広田亮平が演じる。
同じ琉球警察で玉城や真栄田の上役にあたる本部長の座間味喜福(ざまみ・きふく)を藤木志ぃさー、刑事部長の喜屋武幸勇(きゃん・こうゆう)をベンガルが演じる。強奪された100万ドルを取り戻し、犯人を探し出すよう特別対策室に命じる。
捜査を進めていく上でキーとなる人物を演じるキャストも明らかになった。事件の鍵を握る地元企業の社長・川平朝雄(かびら・ちょうゆう)役を沢村一樹、真栄田と日米間の捜査情報のやりとりをするアメリカ陸軍犯罪捜査局(CID)の大尉ジャック・シンスケ・イケザワ役を城田優、最近目立った動きを見せる地元ギャング宮里武男(みやざと・たけお)を嘉島陸、同じくギャングの稲嶺コウジ(いなみね・こうじ)を佐久本宝が演じる。その他、沖縄県出身キャストも多数出演予定だ。
なお、今回出演が明らかとなった青木崇高、小林薫、沢村一樹、城田優、清島千楓、嘉島陸からはコメントも到着している。(※コメントは、本記事下に掲載)
さらに、本編映像初出しとなる特報映像が解禁された。対策室内でお互い相容れない真栄田と与那覇の衝突。廃墟に突入する軍人たちの姿。米兵との軋轢。そして地元ギャングの存在。息が詰まるような緊張感あふれる映像となっている。
「連続ドラマW 1972 渚の螢火」は、10月19日より、WOWOWで放送・配信スタート。
コメント
青木崇高(与那覇清徳 役)
現在からみれば「過去の一つの事件」だとしても、過去からみれば「事件を経て生まれた時点の一つ」が現在となる。
その視点の差に見落としそうな、「人々の熱い想い」を我々は決して忘れてはならない。
激動の1972年。当時の沖縄に私の祖父はいたそうです。
孫の私が当時の人物を演じる事は、ごく自然のことなのかもしれません。
小林薫(玉城泰栄 役)
沖縄の闇の戦後史とも言える作品で、deepなところもありますが、知らなかったところも沢山あって、楽しい仕事でもありました。久しぶりの沖縄ロケでありましたが、賑やかにリゾート地として発展した沖縄の裏の顔を知ると云う意味でも、是非、ご覧になって頂きたい作品となっています。
沢村一樹(川平朝雄 役)
美しい海、温かい人々、ゆっくりと流れる時間。
一方で巨大な軍事施設を抱え、今なお戦争の影を色濃く残す沖縄。
1972年の沖縄返還を舞台にしたドラマですが、「昔あった物語」ではなく「今も続く現実」として皆さんが考える一端になる作品になると嬉しいです。
城田優(ジャック・シンスケ・イケザワ 役)
ジャック・シンスケ・イケザワは、返還前の沖縄に駐留する、アメリカ陸軍の連邦法執行機関・CID(犯罪捜査司令部)の大尉です。
そんな彼が、沖縄で次々と起こる不可解な事件に疑問を抱き、琉球警察の真栄田とタッグを組むところから物語が更に動いて行きます。
強い“正義感”を持ちながらも、あらゆる可能性に目を向け、冷静かつ論理的に捜査を進めていく、クレバーで沈着冷静なキャラクターにぜひご注目ください。
そして個人的なことになりますが、この作品で、幼い頃からお世話になってきた平山秀幸監督と、ようやくご一緒できたことが本当に嬉しく、これは僕にとって一生の宝物になりました。
一視聴者としても、この作品を心から楽しみたいと思っています。
清島千楓(新里愛子 役)
出身地沖縄が舞台になる映像作品への出演。
それは大きな目標でした。
オーディションを経て、出演が決まった時の胸の高鳴りを今も覚えています。
撮影現場では諸先輩方から多くを学び、私の知らない沖縄があることに気づくことができました。
沖縄が歩んだ歴史と共に、ドラマを楽しんでいただけると嬉しいです。
嘉島陸(宮里武男 役)
1972年は沖縄の本土復帰の年。故郷で起きたこの出来事を多くの方に知ってほしく、強い責任感を持って撮影に臨みました。生まれた時代に翻弄される人々の姿。僕が演じた宮里武男もその一人です。登場人物によって作品の見え方も変わると思うので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
ストーリー
1972年、本土復帰を間近に控えた沖縄で、100万ドルの米ドル札を積んだ現金輸送車が襲われ行方を絶った。円ドル交換が完全な形で遂行できなければ日米外交紛争に発展しかねないと、琉球警察はこれを秘密裏に解決する特別対策室を編成した。班長に任命されたのは警視庁派遣から沖縄に戻ってきた真栄田(高橋一生)。そのほか、同級生でありながら真栄田をライバル視する捜査一課班長・与那覇(青木崇高)、そして定年を控えたベテランの玉城(小林薫)をはじめとするたった5人のメンバー。事件解決のタイムリミットは本土復帰まで18日間。捜査を進めるうちに、事態は沖縄財界や地元ギャング、さらには米軍関係者を巻き込み、二転三転していく……。真栄田らは期限までに100万ドルを取り戻し、犯人を捕らえることができるのか――。沖縄の未来を懸けた戦いが始まる!
「連続ドラマW 1972 渚の螢火」
出演:高橋一生 青木崇高 城田優 清島千楓 嘉島陸 佐久本宝 広田亮平 藤木志ぃさー ベンガル 沢村一樹 小林薫
原作:坂上泉「渚の螢火」(双葉文庫刊)
監督:平山秀幸
脚本:常盤司郎 倉田健次
音楽:安川午朗
撮影:藤石修 照明:鈴木康介 録音:中里崇
美術:中澤克巳 装飾:小山大次郎
スタイリスト:森本裕治 メイク:東村忠明
スクリプター:川野恵美 編集:洲崎千恵子
音響効果:大塚智子
助監督:村上秀晃、野本史生 制作担当:宿崎恵造
VFXプロデューサー:進威志
アクションコーディネーター:佐々木修平
キャスティングプロデューサー:山口正志
プロデューサー:高江洲義貴 廣瀬雄
制作プロダクション:東北新社
製作著作:WOWOW
https://www.wowow.co.jp/drama/original/1972nagisanokeika/
「連続ドラマW 1972 渚の螢火」
10月19日(日)スタート
毎週日曜午後10:00放送・配信(全5話)【第1話無料放送】
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