「連続ドラマW 1972 渚の螢火」の完成報告会が10月6日に東京・WOWOW Labにて実施され、主演の高橋一生と、青木崇高、平山秀幸監督が登壇した。

本作は、坂上泉の小説をもとにしたクライムサスペンス。舞台は1972年、沖縄。本土復帰が目前に迫った中、現金を輸送していた銀行の車両が何者かに襲撃され、100万ドルが強奪される事件が発生する。本土復帰までの期限は18日。琉球警察・特別対策室は事件解決に奔走するが…。
本作で、捜査に当たる特別対策室の班長・真栄田太一を演じた高橋は「原作と脚本には当時の社会的背景が緻密に描かれていて、それをどう映像に変換するのか考えなければいけませんでした。演じる上では真栄田太一が1972年の沖縄で生活していた事をいかに落とし込めるのか、そこを意識して現場に入りました」と回想した。

同じく特別対策室の刑事で、真栄田に嫌悪をむき出しにする与那覇清徳を演じた青木は「この顔なので8割くらいは仕上がっているのかな…」と笑わせつつ、「沖縄の時代背景をセリフで言うので、様々な事件を調べて自分の言葉として言えるようにしなければいけませんでした。与那覇清徳はキャラクター的に熱量の高い人間なので、熱を持って突っ走って時に空回りしながら演じました」と述べた。

そして、平山監督は「沖縄が舞台の作品は、それがホームドラマでもコメディであっても意識せずとも社会的問題が描かれるもの。今回は娯楽要素が沢山詰まっている原作だったので、問題作というよりもエンターテインメントとしてアクションを作ろうという気持ちがありました」と狙いを明かした。

また、沖縄ロケについて高橋は「沖縄は好きで旅行でよく行く場所ですが、今回の作品のフィルターを通して見る沖縄は、今までとは違う景色に映りました。当時を知る現地の方にお話を聞くと物語が身近になっていきましたし、当時の情勢や当時に思う事はそれぞれ千差万別。当時をどのように捉えて生きていかれたのかを色々な人に聞くことで、リアリティを持って伝わってきました。それが役に活かせたと思います」と実感。青木も沖縄に知り合いが多いそうで「沖縄の知り合いは痛快キャラが多いので、そんな彼らのエッセンスを抽出してキャラクターを作っていきました」と、沖縄のリアルな雰囲気を取り入れて役に活かしたことを明かした。
沖縄での撮影は今年の1月~2月に行われたが、寒波が到来していたといい、青木が「沖縄が極寒だった。こんなに寒いわけないだろと思うくらいに寒かった。ホテルでストーブを用意してもらうくらいでした」と驚きを持って振り返れば、高橋も「衣装合わせの時は話が違かった。使い物にならないくらい薄手を用意してしまって…。空港を降りた瞬間に寒いのではないか!?と。現地の方も何年振りかの寒波だと仰っていました」と苦笑いを浮かべていた。
また、高橋と青木は沖縄ですっかり仲良しになったといい、高橋が「僕はずっと常に青木さんと一緒にいました。撮影後も沖縄を回っていました」と懐かしがると、青木も「美味しいしゃぶしゃぶにも足しげく通いましたし、ステーキも行きましたね!楽しい時間を過ごさせていただきました」と沖縄をエンジョイしたようだった。
さらに琉球警察・特別対策室の新里愛子を演じた清島千楓から、本作の出演と高橋、青木との初共演を喜ぶビデオレターが到着。VTR内で抜擢理由を問われた平山監督は「一生秘密にしておきましょう!」とニヤリとし、高橋は「真面目に作品に取り組まれている方で緊張しているように見えなかった。本当に緊張していた?と思う」と絶賛。青木も「純度の高さが、まさに愛子ちゃんだった。堂々としたお芝居を見せてくれて素晴らしかった」とエールを送った。
最後に平山監督は「肩ひじ張らずに全話観ていただけると嬉しいです」と語り、青木も「個人的な事になりますが、祖父が1972年当時の沖縄にいました。そう考えると自分も縁があったのかなと思いつつ、本作に携われて嬉しいです」と運命的な出会いだと述べた。そして高橋は「1972年当時の沖縄の背景が描き出される物語ですが、作品としては娯楽です。楽しんで観ていただければそれが何よりです」と語り、完成報告会は幕を閉じた。
「連続ドラマW 1972 渚の螢火」は10月19日より放送・配信開始。第1話はYouTube WOWOWオフィシャルチャンネルにて無料配信される。また、高橋、原作者の坂上泉、プロデューサーによる鼎談がYouTube WOWOWオフィシャルチャンネルにて、高橋の現場インタビューがWOWOW公式noteにて公開中だ。
「連続ドラマW 1972 渚の螢火」
出演:高橋一生 青木崇高 城田優 清島千楓 嘉島陸 佐久本宝 広田亮平 MAAKIII 北香那 Jeffrey Rowe 藤木志ぃさー ベンガル 沢村一樹 小林薫
原作:坂上泉「渚の螢火」(双葉文庫刊)
監督:平山秀幸
脚本:常盤司郎 倉田健次
音楽:安川午朗
撮影:藤石修 照明:鈴木康介 録音:中里崇
美術:中澤克巳 装飾:小山大次郎
スタイリスト:森本裕治 メイク:東村忠明
スクリプター:川野恵美 編集:洲崎千恵子
音響効果:大塚智子
助監督:村上秀晃 野本史生 制作担当:宿崎恵造
VFXプロデューサー:進威志
アクションコーディネーター:佐々木修平
キャスティングプロデューサー:山口正志
プロデューサー:高江洲義貴 廣瀬雄
制作プロダクション:東北新社
製作著作:WOWOW
https://www.wowow.co.jp/drama/original/1972nagisanokeika/
「連続ドラマW 1972 渚の螢火」
10月19日(日)スタート
毎週日曜午後10:00放送・配信(全5話)【第1話無料放送】
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