【レポート】井上芳雄&堂本光一も大興奮「第73回トニー賞」受賞式が開催!「ハデスタウン」が最多8部門を受賞

生中継!第73回トニー賞授賞式

6月10日(日本時間)、アメリカ演劇界で最も権威のある「第73回トニー賞授賞式」が開催された。WOWOWでは世界最高レベルの歌と踊りのパフォーマンスが繰り広げられる華やかな授賞式の模様をニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールから生中継した。トニー賞は、該当期間中にアメリカ・ニューヨークのブロードウェイの劇場で公演が開始された作品が対象で、演劇部門とミュージカル部門それぞれで作品賞や、リバイバル作品賞、主演男優・女優賞などが授与される。

日本のスタジオでは午前8時に、ナビゲーターの井上芳雄さんによるオープニングパフォーマンスで放送がスタート。井上は本年度ノミネート作品から、「キス・ミー・ケイト」より『Another Op’nin’ , Another Show』、「オクラホマ!」より『Oklahoma!』、「ハデスタウン」より『Way Down Hadestown』の特別メドレーを披露した。さらに、NYに渡り本年度のノミネート作品の数々を鑑賞してきた井上とスペシャル・ゲストの堂本光一さんは、演出や舞台裏にまで興味津々で幅広いトークを展開した。

「キス・ミー・ケイト」 (c)Getty Images

ミュージカル部門では気鋭の女性演出家レイチェル・チャフキン演出の「ハデスタウン」が13部門14ノミネートという圧倒的な強さを見せつつも「トッツィー」「ビートルジュース」と80年代の大ヒット映画のミュージカル化も多部門にノミネートされ混戦が予想され注目を浴びていた第73回トニー賞。「ハデスタウン」がトニー賞の象徴ともいえるミュージカル作品賞やオリジナル楽曲賞など最多8部門を受賞したほか、女性演出家による作品に多く賞が渡るなど、“ダイバーシティ”を感じさせる結果に。今年のアカデミー賞でその衣装が大きな話題となったビリー・ポーターの衣装にも注目が集まった。

<主な部門受賞結果>
★ミュージカル作品賞 「ハデスタウン」
★ミュージカル・リバイバル作品賞 「オクラホマ!」
★演劇作品賞 「ザ・フェリーマン」作:ジェズ・バターワース
★演劇リバイバル作品賞 「真夜中のパーティー」作:マート・クロウリー
★演劇主演男優賞 ブライアン・クランストン「ネットワーク」
★演劇主演女優賞 エレイン・メイ「ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー」
★演劇助演男優賞 バーティ・カーヴェル「インク」
★演劇助演女優賞 シーリア・キーナン=ボルジャー「アラバマ物語」
★ミュージカル主演男優賞 サンティーノ・フォンタナ「トッツィー」
★ミュージカル主演女優賞 ステファ二―・J・ブロック「ザ・シェール・ショー」
★ミュージカル助演男優賞 アンドレ・デ・シールズ「ハデスタウン」
★ミュージカル助演女優賞 アリ・ストローカー「オクラホマ!」

<複数受賞結果>
★「ハデスタウン」8部門受賞
★「ザ・フェリーマン」4部門受賞

 

第73回授賞式主な受賞シーンとパフォーマンス

今回の司会者は大人気トーク番組の司会であり俳優などマルチに活躍するジェームズ・コーデン。2016年の第70回に続き2度目の抜擢となった。前回、歴史に残るオープニングパフォーマンスを披露したコーデンには今年も高い注目が集まり、約10分にも及ぶ圧巻のパフォーマンスを披露。オープニングからスタンディングオベーションが起こる大盛り上がりの中幕開けとなった。

ジェームズ・コーデン (c)Getty Images

近年は社会情勢や各種ムーブメントを踏まえて、壇上での政治的な発言に注目が集まりがちだが、今年は、努力が実った喜びや演劇人としての誇り、仲間や身近な人への感謝、演劇を人生になぞらえるといったような、等身大で心温まるスピーチが目立った。

そんなスピーチでも特に喝采を浴びたのはミュージカル助演女優賞を受賞した「オクラホマ!」のアリ・ストローカー1943年初演作のリバイバルである同作は、現在のブロードウェイで定着しつつある、人種やハンディキャップにこだわらない“ダイバーシティキャスティング”という手法が採用され、パフォーマンスでも大きな存在感を見せつけた。彼女は、壇上で「ハンディキャップのある子供たち、いつかこの舞台に上がりたいと思っている子供たちにこの賞をささげたいと思います。」とスピーチし、大きな喝采を浴びた。同作はミュージカル・リバイバル作品賞と合わせて2部門で受賞した。

ミュージカル助演女優賞 アリ・ストローカー「オクラホマ!」  (c)Getty Images

 

今回、最も席巻したのは、13部門14ノミネートを果たしていた「ハデスタウン」
ギリシャ神話の世界を個性ある楽曲で綴り、政治的なメッセージ性も込められた同作は、トニー賞の代名詞でもあるミュージカル作品賞や、オリジナル楽曲賞、ミュージカル演出賞など最多となる8部門で受賞を果たした。ブロードウェイ気鋭の女性演出家であるレイチェル・チャフキンは、ミュージカル作品賞受賞を受けて「ハデスタウンという言葉には、どんなに暗い中でも光は注がれるということを意味しています。愛、魂に心を揺さぶられ、上演の場所が変わっていくにつれどんどんスタッフが増えていきました。この舞台、劇場の力を私たちは信じたいと思います」と喜びを語った。

「ハデスタウン」 (c)Getty Images

 

「ハデスタウン」 (c)Getty Images

 

「ハデスタウン」 (c)Getty Images

 

賞と賞のあいだに披露されるパフォーマンスでは、毎回ノミネート作品の一部が披露され、さながら話題作品をダイジェストで楽しむことができるのもトニー賞授賞式の魅力。音楽グループ、ザ・テンプテーションズの軌跡を描きミュージカル作品賞にノミネートされた「エイント・トゥー・プラウド」、80年代大ヒット映画のミュージカル化の「トッツィー」、「ビートルジュース」、「ザ・プロム」などが披露され会場は大盛り上がり。

「エイント・トゥー・プラウド」 (c)Getty Images

 

「トッツィー」 (c)Getty Images

 

「ザ・プロム」 (c)Getty Images

 

「ビートルジュース」 (c)Getty Images

ナビゲーターの井上芳雄さん、スペシャル・ゲストの堂本光一さんは「ハデスタウン」の主演女優エヴァ・ノブルザダとNYで直接対面していることもあり、彼女に大注目。堂本さんは、「ハデスタウン」は本当に魅力的で、とにかく観て!」と熱弁をふるう。井上は、オープニングパフォーマンスに圧倒されたようで、「今年のオープニングは秀逸でしたね!」など終始興奮気味にナビゲートした。

また、今年は、新作ミュージカル「怪人と探偵」より、メインキャストの中川晃教さん・加藤和樹さん・大原櫻子さんによる楽曲、「微笑みの影」を本邦初披露。さらに、ミュージカル俳優の海宝直人さんは、ミュージカル「ノートルダムの鐘」より「陽ざしの中へ」を生熱唱。「今年はノートルダム大聖堂のこともあったし、“願い”ということを意識しました」と自ら行った選曲のポイントを紹介した。

<井上芳雄さん コメント>(番組より抜粋)
オープニングパフォーマンスだけでも感動!
ああエンターテイメントをやっててよかったと思いました。
どの作品にも必ず希望がある。そこが素晴らしかったです。

<堂本光一さん コメント>(番組より抜粋)
今回芳雄くんと一緒に事前番組でNYに行ってノミネート作品をたくさん鑑賞して授賞式を見ると今までと全く違う感覚で楽しめました。
ああ終わっちゃったって感じがしてさみしいですね。
エンターテイメントって素晴らしいなと改めて思いました。

 

「第73回トニー賞授賞式」(字幕版)WOWOWライブ

6月15日(土) 夜7:00 WOWOWライブで放送!
WOWOWメンバーズオンデマンドで見逃し配信
番組オフィシャルHP: https://www.wowow.co.jp/tony/


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