映画『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』 ジャパンプレミア【最速総攻撃試写会】が7月21日に都内映画館で実施され、
あんこ(芸人)、土屋健(サイエンスライター)が登壇した。

映画上映後の興奮も冷めやらぬ中、拍手に迎えられゲストの2人が登場。まず映画の感想を尋ねられた土屋は「最初は何を見せられているんだろうと思いました(笑)。『恐竜の映画だ』と聞いていたんですが、冒頭、ゴリゴリの戦争映画から始まって。でも、徐々に恐竜が出始めて、あれ、意外とちゃんとしている描写だなと。怒られちゃうかもしれませんが(笑)。これはきちんとコメントせなアカンなと」と第一印象を明かす。
続いてあんこは「まず結論から言うと、めちゃくちゃ面白かった。お世辞抜きで、久々にこんな大興奮な映画を観たというか。“脳汁の出る映画”ってこのことだなと。それぐらい、恐竜映画として『やってくれたな』というのがあります」と語る。土屋も「(種類を)ここまで出すのか、と思いました。まるで恐竜図鑑のようで、少ししか出ない恐竜もいる。しっかりと世界観を作っているのが素晴らしい」と、専門家目線でも存分に楽しめる恐竜描写に太鼓判を押した。

さらにあんこは、迫力あるガンアクションにも注目。また、「恐竜の種類と同時に、個体数もすごい!最後が完璧で、もうモンスター映画に近い。『スターシップ・トゥルーパーズ』という人類と昆虫星人が闘う映画を思い出すような、あの規模感やケレン味をもってくるあたりが、ルーク・スパーク監督のジャンル映画への愛を感じる」と映画ファンならではの視点で熱弁した。監督が過去に『インベイド』という地球外生命体の襲来を描くSF作品を撮ったことや、今後撮りたい作品に「マクロス」とロボット作品を挙げたことに言及し、「次期スピルバーグと称されることにも納得です」とコメント。

続いての話題は、恐竜の描写について。あんこから「出てきて驚いた恐竜」を問われた土屋は、「恐竜ではなく翼竜というグループになるんですけど、ケツァルコアトルス。史上最大の翼竜と言われていて、大きなものは翼を広げると11mにもなる。それが上空から地上に下りてくちばしで襲ってくる描写がありましたが、実は最新の研究に沿っているんです。ひと昔前は、翼竜を描くなら飛びながら捕まえるシーンだったと思うんですが、本作では歩行させた上で襲います。実はケツァルコアトルスは今ずっと“飛べたか・飛べなかったか議論”が学界の最前線で行われていて、飛べなかった説が強い。飛べなかったのに何故あんな姿をしているんだ、と聞かれた研究者は『あの大きさがあれば地上を歩いていても怖い』と答えていましたが、この映画を観て実感しましたよね。怖いですよね、あの大きさで歩いていたら。もう教科書にも載せていいくらい」とコメント、「ケツァルコアトルスの怖さはこれまでの恐竜映画にない。これは凄い。たぶん人類史上初の描写ではないか」と絶賛した。
最前線の研究を基にした恐竜を描いていることについて、土屋は「ティラノサウルスの幼体に羽毛が生えているのに気づきましたか?大人になると羽毛がなくなる。これは最新の理論に基づいています」と解説。「首筋など、全身色々な部位のうろこの化石が発見されているのですが、部分的に毛が生えていた可能性がある点も忠実に描いてある。元々、羽毛は体温を逃がさないための保温の役割。体が大きくなれば熱がこもるので、この大きさならばないだろうと言われていた。これリアルだなと思ったのは、ティラノサウルスがいた場所は密林の暑いところ。化石の環境から分かっています。だから60年代のベトナムにいても違和感がない。そこで羽毛がないというのは、まさしくその通り。しかも、子どもは体が冷えやすいので羽毛があってもいいとされている。その違いをちゃんと描き分けられていて、これはよくできているな」と感心したポイントを語った。
続いて話題は人気恐竜の活躍へ。土屋が「小中学生に聞くと、一番人気はティラノサウルス。二番人気はなにかと言うと、スピノサウルス」と話すと、「渋い…! 世代が出るのかもしれないですけど」と目を丸くするあんこ。「僕、スピノサウルスは中学生の頃に観に行った某映画で知ったんです。あれでティラノサウルスが負けたじゃないですか。衝撃が走って…!」と思い出を語るあんこに、「あれは間違ってますね」と土屋が解説する一幕も。
土屋は「スピノサウルスは歯が魚を食べるのに特化している。全然ティラノなんかに勝てないです。ティラノは歯なんてバナナより太いですからね。あごの力は史上最強なので、ティラノに勝てる恐竜は存在しないんですよ」と解説。あんことの軽快な掛け合いを繰り広げ、会場の笑いを誘った。
また、「スピノサウルスは今回、川を泳いでいますが、学界の最前線では“水中を泳ぐ・水辺で暮らす”で議論されていて、やや優勢なのは“水辺で暮らす”説。某恐竜映画でも水中を泳がせていますが、現在では否定する研究成果の方が多くなってきています」と、日々更新される恐竜研究の最前線についても紹介した。
あんこは、「僕はこの『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』がいいなと思うのは、恐竜映画単体としても面白いのに加え、ミリタリー映画としても凄い。組み合わせの面白さは、ひとつひとつのジャンルの軸がしっかりしているからこそだと思う」と解説。
さらに、「戦争の苦しさというのも描かれている。ベトナムの村で闘わなければいけないことにトラウマを抱えているキャラクターもいたし。一緒に闘っていた仲間の兵士がいなくなる辛さも描いているあたりは、やはり戦争映画だなと」という言葉を受け、土屋も、それぞれの登場人物が抱える事情や背景が描かれている点に触れ、米軍をはじめとする人間たちのドラマも大きな見所であることを語った。

『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』
出演:ライアン・クワンテン トリシア・ヘルファー ニック・ウェクスラー ジェレミー・ピヴェン ほか
監督・脚本・製作・編集・美術:ルーク・スパーク
原作:イーサン・ペッタス
音楽:フレデリック・ウィードマン
撮影:ウェイド・ミュラー
2025年|オーストラリア映画|133分|2.00:1|Dolby Digital 5.1ch|PG12
原題:PRIMITIVE WAR
提供:キングレコード+オンリー・ハーツ+YUTAKA IZUMIHARA
配給:オンリー・ハーツ+キングレコード
配給協力:トリプルアップ
(C)SPARKE FILMS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED 2025
https://primitivewar-jp.com/
8月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズほかロードショー