西川美和監督が原案・脚本・監督を務める映画『わたしの知らない子どもたち』の新キャストが発表され、役所広司、田中裕子、岡田准一、吉田羊、坂東龍汰ら13人の出演が明らかになった。あわせて、予告映像とポスタービジュアルも公開された。

本作は、戦後の日本を舞台に、12歳で孤児となった少女・茅野琴子と、生きるために生徒を棄てた教師・曽根文美子の再生を描いた物語。オーディションを経て主人公・琴子役に抜擢された小八重葵美と、教師・曽根役の二階堂ふみがW主演を務める。さらに竹野内豊が、音楽家として戦前まで文化的で幸せな家庭を築いていた琴子の父を演じる。
役所と田中は、戦争で親を亡くし、孤児となった子どもたちの矯正施設「水上寮」から逃げ出した子どもたちの面倒をみる漁師の山井甚平とけいの老夫婦役。孤児として闇市で暮らすことを余儀なくされた子どもたちを父親のような大きな愛で受け容れる新興ヤクザの組長・菊沢徹役には岡田、孤児たちの救済施設「隣相館」の館長・鷹間乃生役を吉田が演じ、矯正施設にいる子どもたちの相談役として仕事を超えて理解者になろうとする新聞記者・諸積京一郎役を坂東が務める。

また、琴子の兄役を櫻井海音、琴子の靴磨き仲間役を花瀬琴音が務めるほか、北村有起哉、赤間麻里子、岩谷健司、つみきみほ、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ、井上肇らが、戦後の混乱期を生きる人々を演じる。
「わたしは、わたしの生徒を棄てました」というセリフで始まる予告編。琴子探しに奔走する曽根と、同じ境遇の少年たちと生きる琴子が、生きていく中で子どもたちの未来を繋げようと出会う様々な人物が交差する。戦争によって人生を変えられながらも懸命に生きた子どもたちの命の輝きと、その命を信じ、それぞれの選択で未来へつないだ人々の姿を描く物語の断片が描かれている。
新ポスターは、フォトグラファーのレスリー・チャンが手掛けた。映画ポスターの撮影に初めて挑戦したというレスリーが、少年として生きる琴子のまなざし、時代に翻弄され、喪失感を感じさせる曽根の瞳、そしてそれぞれの場所でその時代を懸命に生きた大人たちの顔を刻み込んだ。
音楽を担当したのは、『国宝』の作曲家・原摩利彦。今回の主題音楽ともなる感動のラストシーンを演奏するのは、原の実力を高く評価していた坂本龍一が立ち上げた東北ユースオーケストラの子どもたち。 主題音楽以外の部分は、イタリア・ローマでの演奏家とともに録音を実施した。原は「イタリアの指揮者や奏者が真剣に映画や音楽に向き合ってくださる驚きと演奏を通しての気づきがあった」とコメント。また同席した西川監督も「音楽的な歴史の厚みを感じる演奏」と絶賛した。
役所広司 コメント
心からこの映画を観て欲しいと思います。
子どもたちの眼差しをしっかり受け止めて欲しい。
彼らは、戦争孤児という役を演じる中で、当時の孤児たちに思いを馳せた瞬間があったに違いない。
主人公、琴子をはじめ子どもたちの眼差しが胸に刺さります。
日本映画史の中で、大切な作品が生まれたと思います。
この作品に参加された全ての皆さん、お疲れ様でした!
そして、おめでとうございます!
田中裕子 コメント
映画「ゆれる」を観て、凄い作品だなぁと思っていました。
その西川組に出れるなら、是非出たいと思って参加させていただきました。
琴子に会えてよかった。
岡田准一 コメント
西川監督の作品を心待ちにしていた一人として、この作品には映画としての面白さだけではなく、社会への問いが込められていると感じます。
この作品は主人公・琴子を演じた小八重さんを含め、子どもたちが本当に素晴らしく魅力にあふれています。
大人の責任を考えさせられ、問いがあるこの作品が多くの人の心に残り、語り続けられる作品になってほしいと思います。
「火垂るの墓」の後継作はこの作品。今観るべき作品かと思います。
吉田羊 コメント
尊敬する西川監督の作品に参加させていただき、大変光栄に思います。私が演じたのは、主人公琴子が辿り着く戦争孤児救済施設の館長。撮影時は蝉鳴きしきる真夏、クランクインから既に3ヶ月が経っており、現場は朝から、小八重葵美さん演じる琴子が生き抜いてきた先の”今日この瞬間”をクルー全員でじっと見守っている、そんな温かさに満ちていました。一方で、西川監督は大人、子ども、キャリアの区別なく一人一人を尊重し、エキストラの子どもたち含め俳優全員に目を届かせておられるのが印象的でした。恥ずかしながらこの作品に関わらせていただいて初めて、戦争孤児について学びました。戦争体験者が年々少なくなる中、映画もまた、その役割を引き継いでいけるようにと願ってやみません。平和への祈りをこめて、この映画が沢山の方へ届きますように。
坂東龍汰 コメント
西川美和監督の作品に触れるたび、その人間をまっすぐ見つめる眼差しと、心を深く揺さぶる物語に何度も感動してきました。西川監督の作品に、諸積という役で参加させていただけたことを心から光栄に思います。
諸積は、戦後を生きる戦争孤児たちの現実を目の当たりにし、自分に何ができるのかを必死に問い続ける若い新聞記者です。子どもたちの置かれた過酷な状況や、その小さな希望に触れるたび、諸積の正義感や葛藤を自分自身のことのように感じながら、一つひとつの場面に向き合いました。
西川監督は、常に作品を真ん中に置き、キャストやスタッフ一人ひとりを深く信頼して現場をつくってくださいました。その空気の中で、役と誠実に向き合い、自分に何ができるのかを考え続けられた時間は、俳優としても大きな財産になりました。
この作品は、戦後の物語でありながら、今を生きる僕たちにも問いを投げかけてくれる映画です。ぜひ劇場の大きなスクリーンで、この作品が持つ熱量や息遣いを受け取っていただけたら嬉しいです。

『わたしの知らない子どもたち』
出演:小八重葵美、二階堂ふみ、坂東龍汰、櫻井海音、花瀬琴音、羽山由一郎、小林丞之介、岩田龍門、渋谷そらじ、武内ひなた、北村有起哉、吉田羊、竹野内豊、岡田准一、田中裕子、役所広司
原案・脚本・監督:西川美和
音楽:原摩利彦
製作:紀伊宗之
プロデューサー:小出大樹、伊藤太一
共同製作:AOI Pro.
企画:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
製作・配給:K2 Pictures
(C)2026 K2 Pictures・AOI Pro.
https://k2pic.com/film/wsk/
10月16日(金)全国公開