『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』スタジオジブリ広報部長が語る高畑勲監督と本作とのエピソード ―本日発売

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんあの高畑勲監督が称賛し、フランスでの劇場公開から3年越しとなる昨年、日本でも公開された傑作アニメーション『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』が三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーより、本日2020年12月2日(水)よりブルーレイ・DVD発売・デジタル配信開始となる。

本作は19世紀のロシアを舞台に、貴族の子女サーシャが行方不明の祖父を探すため、北極圏を目指す冒険を描いた物語。アヌシー国際アニメーション映画祭・観客賞TAAF(東京アニメアワードフェスティバル)グランプリほか、国際的なアワードで多数の賞を受賞しており、国内でも高畑勲監督をはじめ、各界の著名人が称賛している大変注目度の高い作品だ。シンプルな画風に込められた、圧倒的な表現力と美しさ、手に汗握るサスペンスとアクション。そして、圧巻のスペクタクルが積み重なり、観る者を<北極圏の旅>へと誘う。

そしてこの度、本作の発売を記念して、スタジオジブリ広報部長 西岡純一氏への特別インタビューが解禁された。本作との出会いや、高畑監督との関係性、そして、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーのラインナップに加わるまでのエピソードなど、スタジオジブリ広報部長ならではの視点で作品の魅力を語っている。

 

スタジオジブリ広報部長 西岡純一氏 特別インタビュー

高畑監督の言葉が後押し…
「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」作品としての発売まで

西岡氏と本作が出会ったのは2016年の東京アニメアワードフェスティバル。「シンプルな絵ながら、日本人に受け入れやすそう」という第一印象だったそう。その後、アンスティチュ・フランセで実施された上映会で高畑監督による講演があり、日本での配給が決定。西岡氏も改めて本作の良さを感じ、のちに三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーの作品としての発売が決定した。この三鷹の森ジブリライブラリーの一番の協力者は高畑監督。監督「(この作品を)なぜ日本で劇場公開しないのか?」と講演で話していたことも、ラインナップに加える大きな後押しとなった。

スタジオジブリの永遠のテーマは、宮崎駿監督や高畑勲監督の思想に基づき、「子供たちにとって優良なアニメーションであり、子供から大人まで楽しめること」。西岡氏「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーのラインナップに加える作品も、その軸がぶれないようにしている。このままでは世の中に忘れられてしまう作品や、もっとたくさんの人に見て欲しいと思う作品に、スタジオジブリの名を冠することで少しでも注目してもらいたい」と語る。さらに西岡氏は、三鷹の森美術館ライブラリーのラインナップに加えるポイントとして「大前提として、コマの運び方、ストーリー、テンポ、見ていて好きになり応援したくなるような“好感度を上げるキャラクター”がいることなど、“面白い”と思える要素が揃っていること、また見ていて飽きない作品であること」を挙げる。加えて「“名作”と呼ばれているものに共通することは「いつまでも色褪せないこと」ですね」と語った。

 

イチ押し!主人公サーシャが成長していくシーンの表現方法
西岡氏が好きなキャラクターとシーンは「女主人オルガと、サーシャが彼女と暮らし成長していくシーンの表現方法!」。祖父を捜すために乗るはずだった船に乗れず、港で途方に暮れていた主人公サーシャを救ってくれたのが、居酒屋の女主人オルガ。慣れない生活の中、サーシャが徐々に成長し、最終的にはオルガに率先して店を切り盛りしていく彼女の成長を見事に描いている。また、「北極圏に近づいていく時の雪と風のブリザードのシーンは、実際に寒さを感じさせるほど。このようなシーンでの表現力は、レミ・シャイエ監督ならではのこだわりや観察力が素晴らしいですね」と加える。

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん

最後に、本作をどのような人に勧めたいか問うと「画がとてもキレイなので、絵本が好きな人に見てもらえたら。あとは、ヨーロッパで作られているようなアート系のアニメーションに興味がある人は、この作品から見るのがおススメです」とのこと。さらに「あったかいコタツに入って見るのはどうでしょうか。クリスマスプレゼントにもぴったりですね」と、本作をギフトとしてもおススメしてくれた。この冬は、暖かい部屋で家族や友人たちと『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』を楽しんでみては。

【STORY】
19世紀ロシア。大好きな祖父が北極探検の途中消息を絶ったことを悩む14歳の少女サーシャ。地に堕ちた祖父の汚名を晴らすべく一歩を踏み出した少女の行く先には─。

19世紀ロシア、サンクトペテルブルグ。14才の貴族の少女サーシャには悩みがあった。1年前に北極航路の探検に出たきり帰ってこない大好きな祖父。探索船は出たものの未だ行方が分からない。祖父と家族の名誉は失われ、祖父の名を冠する予定だった科学アカデミーの図書館も開館が危ぶまれている。ロシア高官の父は、そんな状況にあって、なんとかローマ大使の道を模索するが、そのためには社交界デビューする娘が皇帝の甥っ子に気に入られるしかないと考えている。

社交界デビューの日、サーシャは祖父の部屋から航路のメモを見つけ、それが探索船がたどったものとは異なる事に気付く。再び探索船を出して欲しいとサーシャは舞踏会の場で王子に懇願するが受け入れられない。王子の不興を買い、父からの叱責を受けた彼女は、自ら祖父の居場所を突き止めようと決意する。―サーシャが目指すものは、祖父との再会、それが叶わなくとも遭難した艦船ダバイ号の発見、そして何よりも真実を突き止める為の旅だった。

なんとか港までたどり着き、北方行きの商船ノルゲ号に乗せて貰おうと船長の弟に話しを持ち掛けるが、手違いもあり港に取り残される。食堂の女主人オルガの手助けにて、住み込みで調理や給仕といった未経験の仕事をしつつ船の戻りを待つ。その頑張りが認められようやく船に乗り込んだ後に待ち受ける多くの試練。船乗りの経験も無く、しかも女性であるサーシャには、想像を絶する困難が待ち受けていた。そして―

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん

【CHARACTER】
サーシャ
ロシア、サンクトペテルブルグの貴族の家庭に生まれた14才の少女。よく探検旅行の話をしてくれた祖父オルキンを慕う。
2年前、祖父オルキンは壮麗なダバイ号で北極遠征に出たまま消息不明に。祖父の勇敢さと辛抱強さを受け継ぐサーシャは、祖父の船を見つけ出すため危険を冒して「地球のてっぺん」を目指す大冒険に出る。

オルキン
サーシャの祖父でロシア海軍大尉、探検家。祖父としては愛孫サーシャと多少なりの時間を共にした。長年の夢である北極点を征服するため航海に出るが、消息不明に。

カッチ
見習いの少年水兵。朝の清掃や野菜の皮むきなど面倒な仕事を担当する。大物ぶるが心優しく、まだ幼さもある。

ラルソン
ルンドの弟。遊び人で女たらし。兄ルンドが追い出さなきゃいけなくなるような微妙な状況に度々身を置く。ルンドが流氷の上を歩き負傷すると乗組員を指揮する立場となり真価を発揮する。

ルンド
ノルゲ号艦長。寡黙ながら乗組員の信頼は厚いが、弟ラルソンには非常に厳しい。
兄弟2人で父からノルゲ号を相続し、真面目で船乗りの資質があるルンドが艦長となる。

ナージャ
サーシャの友人。ドレスや舞踏会に憧れる少女。トムスキー王子のことをとても魅力的だと見立てる。

サーシャの母
オルキンの娘でありサーシャの母。不在がちだった父親オルキンのことはあまり知らない。娘を守ろうとするが、頑固で情熱的な父親オルキンの血をサーシャが受け継いでいることもちゃんと気づいている。

サーシャの父
サーシャの父で、ロシア高級官僚。在ローマのロシア大使に任命されることを願う。
皇帝の甥トムスキー王子の宮殿入りを知ると、自身の大使任命の日も近いと考える。娘サーシャを皇帝一家に近づけようとする。

トムスキー王子
皇帝の甥で科学顧問に任命される。その昔オルキンに叔父を侮辱されたため、科学アカデミーの図書館が「オルキン図書館」とその名を冠することに不満を抱いている。サーシャの失敗を口実に一悶着起こし、チェルネソフ家を失墜させる。

オルガ
アルハンゲリスク港の食堂(オーベルジュ)の女主人。シベリア海や北極を目指す途中に寄港した船員にいつも楯突き、飾らない筋金入りのオルガだが、落ち込むサーシャに食堂で働く機会を与え、ルンドの船に乗る手助けをする。

【STAFF & CAST】 (    )内は日本版声優
サーシャ:クリスタ・テレ(上原 あかり)
オルキン:フェオドール・アトキン(弦徳)
カッチ:トマ・サンゴル(浅水 健太朗)
ラルソン:レミ・カイユボ(成澤 卓)
ルンド:ロイック・ウードレ(徳森 圭輔)
ナージャ:オドレイ・サブレ(石原 夏織)

監督:レミ・シャイエ
脚本:クレール・パオレッティ
パトリシア・バレイクス
作画監督:リアン-チョー・ハン
音楽:ジョナサン・モラリ

 

商品データ

『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』
ブルーレイ・DVD発売中、デジタル配信中

<ブルーレイ セル>
価格:4,700円+税
商品番号:VWBS6900
POSコード:4959 241 77917 5
本編尺:約81分
音声:1.フランス語(5.1ch/DTS-HD マスターオーディオ)2.日本語(5.1ch/DTS-HD マスターオーディオ)3.日本語(2.0ch/リニアPCM)
字幕:日本語字幕
画面サイズ:16:9/ワイドスクリーン、1920×1080

<DVD セル>
価格:3,800円+税
商品番号:VWDZ6900
POSコード:4959 241 77918 2
音声:1.フランス語(ドルビーデジタル 5.1ch)2.日本語(ドルビーデジタル 5.1ch)3.日本語(ドルビーデジタル 2.0ch)
画面サイズ:16:9LB/ワイドスクリーン

※その他の仕様は<ブルーレイ セル>と同様です。

<DVD レンタル>
※仕様は<DVD セル>と同様です。

※データは変更になる場合がございます。
発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン

公式サイト:https://longwaynorth.net/
商品に関してはこちら:disney-studios.jp/LWN
コピーライト:(C) 2015 SACREBLEU PRODUCTIONS / MAYBE MOVIES / 2 MINUTES / FRANCE 3 CINEMA / NØRLUM

『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』
ブルーレイ発売中/デジタル配信中

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